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この項目では、クライスラーの自動車について説明しています。海外名が同名のアニメ作品については「秘密結社鷹の爪」をご覧ください。 |
タロン(Talon )は、クライスラー社がイーグルブランドで販売していた自動車である。
概要
タロンは当時のクライスラーが北米市場で次世代コンパクトクーペを製造するにあたり、三菱自動車と事業を協業して新車開発を行うという経緯を得て誕生した。タロンは両者の合弁企業である「ダイアモンド・スター・モーターズ」において製造された。ベースはギャランのコンポーネントが使用され、エンジンも三菱を代表する「4G63」エンジンが搭載されるなど、共同開発とはいえ実質は三菱色が非常に強いものであった。エクリプスとの変更点は少ないが、タロンの特徴としては外装がツートンカラーとなっており、全車ルーフが黒に塗装されていた。
全体的に不振であったイーグルブランドにおいては、エクリプス同様にそのパフォーマンスが評価され、優秀な販売成績を残した。しかし、現地での扱いは皮肉にもエクリプスと完全に同一視されていた。
初代(1989年–1994年)
タロンはイーグルブランドのスポーツクーペとして1989年から投入された。三菱・エクリプス、プリムス・レーザーは姉妹車である。エクリプス、レーザーとの外装の差異は灯火類やグリル形状程度で少ない。グレードはベースモデル、TSi、AWD・TSiの3種で構成されていた。エンジンは全て直4ツインカムであり、ベースモデルは4G37(135PS)、TSiは4G63ターボ(195PS)。TSiとAWD・TSiはエンジンは同一であったが、タービンがTSiは13b、AWD・TSiは14bと差別化されており、チューニングを好む人々からはより高出力に耐えられるAWD・TSiが好まれた。また、基本モデルの足回りはフロントはストラット、リアはセミトレーリングアームだが、TSiのみよりスポーティーにグレードアップされたダブルウィッシュボーンが採用されていた。タロンは発売後の1990年から1992年までの間、米カー・アンド・ドライバー誌の「テンベストリスト」にあげられている。
1992年にマイナーチェンジし、リトラクタブル・ヘッドライトを廃し前後デザインをフェイスリフトしたほか、最廉価モデルとして直列4気筒SOHC NA(92PS)を搭載した「DL」が追加され、従来のベースモデルは「ES」へとグレード名が変更となった。このマイナーチェンジにおいて、タロンはエクリプス、レーザーと外装を大きく差別化し、独自色が強いモデルとなった。マイナーチェンジモデルは1994年まで生産され、その後2代目へと移行した。なお、姉妹車のレーザーは1代限りで終了となっている。
2代目(1995年-1998年)
タロンは1994年に2代目へとモデルチェンジをする。先代と同じく三菱・エクリプスの姉妹車として誕生した。コンポーネントの主だった部分は先代から踏襲しているが、グレードは整理され、クライスラー・420Aツインカム自然吸気(140ps)搭載のESi、4G63ツインカムターボ(210ps)を搭載するTSiの2種類で構成され、AWDモデルはラインナップされなかった。後の1995年に上記に加えて新たにベースモデルが追加された。
先代同様に姉妹車のエクリプスとの変更点は少ないが、外装は独特の形状のフロントバンパーを装着し、さらにはエクリプスには無い特徴的なハイマウントリアスポイラーを装備していた。また、エクリプスにラインナップされていた2.4L自然吸気エンジンは設定されなかった。
1998年のイーグルブランドの終焉と共にタロンの歴史は幕を閉じ、エクリプスの姉妹車は全て消滅した。
搭載エンジン
- ESi - 2.0L DOHC クライスラー 420A/ECH型 直列4気筒, 最大出力:140 hp (104 kW)/8000 rpm、最大トルク:130フィート重量ポンド (176 N·m)/4800 rpm
- TSi / TSi AWD(4輪駆動) MT - 2.0L 三菱 4G63型ターボ 直列4気筒, 最大出力:210 hp (156 kW)/6000 rpm、最大トルク:214フィート重量ポンド (290 N·m)/3000 rpm
- TSi / TSi AWD AT - 2.0L 三菱4G63型ターボ 直列4気筒, 最大出力:205 hp (152 kW)/6000 rpm、最大トルク:220フィート重量ポンド (298 N·m)/3000 rpm
関連項目
外部リンク