MicroStar International (マイクロスター・インターナショナル、略称:MSI )は、台湾 のコンピュータ やコンピュータ関連部品を製造する会社であり、世界有数のマザーボード ・ビデオカード の製造メーカーでもある。主な製品は高性能のビデオカード 、ノートパソコン 、およびゲーム専用パソコンなど。
1986年に5人のソニー台湾の元技術者の徐 祥 [ 3] 、盧 琪隆 [ 4] 、黃 金請 [ 5] 、林 文通 [ 6] 、游 賢能 [ 7] によって設立された。旧ロゴの星型は社長を中心に4人の技術者でコンピュータ業界の星になろうと願いを込めているのが由来である。
コアビジネスのマザーボードとビデオカード事業は120カ国以上にのぼり生産量は2000年にマザーボードは世界第3位にビデオカードは、世界第1位となり、累計出荷量はマザーボード1.5億枚、ビデオカード1億枚を越えた。近年はラップトップパソコン、デスクトップパソコン、液晶ディスプレイ、タブレットPC、サーバ、組み込みシステム分野にも進出し2008年にはMSI 100%子会社のFUNTORO社を設立し車載用コンピュータ、カーナビゲーション分野にも進出し多角化している。2009年には企業ロゴを現行の物に一新するとともに「Innovation with style 」という企業スローガンを制定。デジタル時代の主要なブランドとしてグローバル市場においてパイオニアであり続け、その中核となる消費者のニーズとグローバルな技術革新の分野で世界をリードする事を目指している。日本法人(エムエスアイコンピュータージャパン株式会社、代表取締役林 文通、資本金2,000万円、所在地東京都台東区)は1999年に設立。
本社
グループ概要
本社名:微星科技股份有限公司 (英語表記: Micro-Star International Corporation Limited )
所在地:台湾新北市中和區立德街69號
設立:1986年8月
資本金:284.59億円 (2013年)
売上高:2280.27億円 (2012年)
社員数:18,000名 (グループ合計/2011年現在)
生産拠点:台湾新北市中和區、中国昆山、深圳、上海
海外支社:オーストラリア、カナダ、中国、インド、マレーシア、イギリス、アメリカ、 アラビア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、チェコ、デンマーク、 エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、 アイスランド、イタリア、日本、韓国、マイアミ、ラトビア、リトアニア、 メキシコ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、 ロシア、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン タイ、トルコ(ABC順)
製造製品:マザーボード、グラフィックス、ベアボーンシステム、ラップトップPC、デスクトップPC、タブレットPC、液晶ディスプレイ、MP3関連商品、ポータブルメディアプレイヤー、通信機器 等
生産能力:マザーボード:月産210万枚
グラフィックス:月産110万枚
ラップトップパソコン:月産70万台
サーバー:月産30万台
デスクトップPC:月産60万台
デジタルオーディオ&通信関連機器:月産150万台、
日本法人概要
会社名:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社 (MSI-J)
所在地:東京都台東区東上野1丁目11番地4号 ザイマックス東上野ビル3階
設立:1999年1月
資本金:2,000万円
株主:微星科技股份有限公司 100%
事業内容:コンピューターハードウェア・ソフトウェア・通信機器・家電製品・周辺機器・部品等の輸出入、販売、保守サービス
沿革
年
月
出来事
1986
0 8
Micro-Star International Corporation Limited (微星科技股份有限公司)設立
1995
12
MSI ISO9002 認証取得
1996
MSI ISO9001 認証取得
1998
0 8
MSI 台湾株式市場1部上場
1999
0 1
MSI Intel Corporation とのオフィシャルパートナー契約締結
MSI 100%子会社の日本法人としてエムエスアイコンピュータージャパン株式会社(以下MSI-J)を設立、
東京都港区三田1-2-18 TTDビルに事務所を構える
0 7
MSI-J オフィスを東京都港区芝4-10-1 ハンファビルに移転
10
MSI ISO14001 認証取得
2000
0 7
MSI-J オフィスを東京都港区東新橋2-5-14 新橋山根ビルに移転
10
MSI-J サポートセンター設置
2002
0 1
MSI-J 修理部門設立
0 7
MSI-J オフィスを東京都千代田区東神田1-17-6 C&Kビルに移転
0 8
MSI-J 米沢事業所を設立
2005
0 4
MSI-J 東京リペアセンターを設立
2006
0 7
MSI-J オフィスを東京都台東区東上野1-1-12 栗橋ビルに移転
2009
0 3
MSI-J ノートPCほかシステム製品専用お客様相談窓口を開設
2011
0 5
MSI-J マザーボード/グラフィックスカード専用電話番号をフリーコール化
2012
0 3
MSI-J サポートセンターを移転
MSI-J オフィスを現住所に移転
0 7
お客様サポート体制を変更。マザーボード/VGAは代理店経由に、ノートPC/Tablet/AIOはお客様ご相談窓口の電話番号変更
日本における正規代理店
株式会社アスク
株式会社アユート
株式会社マイルストーン
株式会社リンクスインターナショナル
かつての代理店
アイル株式会社
加賀電子 株式会社
興隆商事株式会社
CFD販売 株式会社
株式会社シネックス (現 株式会社テックウインド)
株式会社東京エンジニアリング (TEN)
株式会社トライコーポレーション (Justy)
ユーエーシー株式会社
rabo T.a.n
製品
主な製品としては、マザーボード 、ビデオカード 、ラップトップパソコン 、デスクトップパソコン 、ディスプレイ (コンピュータ) などがある。製品はOEM 供給されることが多く、ATI Technologies (現AMD )やNVIDIA も同社で製造している。2001年 にはビデオカード 生産量が世界一位となる。米国インテル社のオフィシャルパートナー (Tier-1)ベンダーの一つでまた、AMD Athlon (K7) 用マザーボード「MS-6167」やAthlon 64 (K8)用であるVIA K8T800チップセットを搭載した「K8T NEO-FIS2R」[ 8] を世界初で発売したメーカーでもある。かつては日本法人独自に1999年にIntel 440BX チップセット搭載のSlot1マザーボードにSocket 370変換カードを同梱した「MS-6199」や2003年にビデオカード冷却にヒートレーンを採用したNVIDIA GeForce4 Ti搭載の「寂、」シリーズのようなコアな自作PCユーザーに向けたユニークな製品を企画販売した。新技術の取り入れにも積極的で世界初のデュアルSocket 370、IDE RAIDをサポートした「694D Pro-R」[ 9] 、世界初のUSB2.0搭載のマザーボード「K7T266 Pro2-RU」[ 10] をはじめUSBネットワークに対応した製品や世界初のBluetooth 搭載のマザーボード、省電力とオーバークロック機能を両立した「Core Cell」[ 11] チップ搭載マザーボード、マザーボード上のコンデンサが全て「Hi-c Cap」[ 12] を搭載したマザーボード、低発熱・省電力の「DrMOS」[ 13] [ 14] を搭載したマザーボードなど業界の先駆けの製品を数多く発売した。それ以外にもラジオチューナーを搭載したオーディオ風のベアボーンPC(CPU、メモリ、HDD、光学ドライブを取り付ければ自作可能なPCキット)の「MEGA PC」シリーズ[ 15] [ 16] などもユニークな製品だった。また同社製のマザーボードは、オーバークロック しやすいことで有名で、オーダーメイドPC販売を行うAlienwareやFalcon Northwest(英語) などは、MSIブランドのマザーボードを使用していることで知られている。また、日本のパソコンメーカーではNEC 、EPSON 、SONY 、マウスコンピューター 、サードウェーブ (Prime)、KOUZIRO (Frontier)、九十九電機 (eX. Computer)、ロジテック 、ユニットコム などへも、サーバ、ノートブック、ビデオカード、ベアボーン及びマザーボードの供給実績がある。
OEM供給に加えて2008年より日本で自社ブランドの展開を開始しネットブック のWind Netbook U100[ 17] を皮切りにゲーミングラップトップパソコンのGシリーズ[ 18] 、2009年にはUltrabook を先取りするような薄型ラップトップパソコンのX-Slimシリーズ[ 19] 、2011年にはタブレットPCのWindPadシリーズを発売した。世界的に有名な賞を数多く受賞しており、2004年にはデジタルオーディオプレーヤー 「MEGA Player 515」[ 20] 、「MEGA Player 516」[ 21] 、「MEGA Player 521」[ 22] 及びモバイルストレージ「MEGA CACHE 15[ 23] 」の4製品がグッドデザイン賞 を受賞をはじめ世界50カ国・350以上のメディアから約8,000もの賞を獲得している。2013年にはオンラインFPS ゲーム「Alliance of Valiant Arms (アライアンス オブ ヴァリアント アームズ)」のゲーミングチームであるGalacticとのスポンサー契約を皮切りに、2014年にはDeToNator、2017年にはSengoku Gaming 、2018年にはSunSisterとスポンサー契約し、ゲーミングラップトップPC[ 18] 、ゲーミング用マザーボード[ 24] 及びビデオカード[ 25] をはじめとする高性能なMSIゲーミング製品[ 26] の提供を通じてゲーミングチームの活動をサポートしe-スポーツ 競技の普及を支援している。
製品ラインナップ
不祥事
2023年のサイバー攻撃被害および並びに情報流出
4月7日(現地時間)、サイバー攻撃被害を公式サイトにて報告[ 27] 。公式サイト以外からのBIOSおよびファームウェア・アップデート取得をしないようユーザーに警告[ 27] 。なお攻撃手法の詳細は現時点では不明(非公表)[ 27] 。en:Tom's Hardware (技術系メディア)が独自にMSIに連絡を入れているが、記事作成時点で返答はない[ 27] 。
なお公表前日に、en:Bleeping Computer (技術系メディア)が「『Money Message』と名乗るランサムウェアグループが、MSIからソースコードを盗んで400万ドル(約5億3000万円)の身代金を要求している」と報じていた[ 27] 。Bleeping Computerも連絡を入れているが記事作成時点では返答は得られてないため、Money Message側の主張が真実か否かを確認できてない[ 27] 。
なお盗まれた物には、臨床試験管理システム(CTMS)、ERPデータベース、ソースコード、秘密鍵、BIOS・ファームウェアなどが含まれ、MSIが身代金の支払いを行わない場合、上記のデータ(1.5TB分)を公開すると脅迫していた[ 27] 。
5月8日(JST )、MSIが身代金の支払いを拒否したため、Money Messageがen:Intel Boot Guard (vPro )の秘密鍵など1.5TBの機密ファイルを公開[ 28] 。
公開ファイルをBinary(サイバーセキュリティ会社)が分析したところ、MSI製品57点のファームウェアの署名キーが含まれており、これが悪用されると、MSIを装った悪意あるアップデートが行われる可能性があるという[ 28] 。同社CEOアレックス・マトローソフは、フィッシング攻撃後の第2段階のペイロードとしてキーが用いられる可能性を指摘している[ 28] 。
この他にもMSI製品116点のIntel Boot Guardのキーが含まれてたこともわかっており、キーの流出に関してはMSIにのみ止まらず、インテル やレノボ 、Supermicro など、多方面に影響を与えると指摘されている[ 28] 。
脚注
参考文献
MSIが日本で行った記者発表会及びイベントのメディア報道
関連項目
外部リンク
MSI公式ホームページ