第一次世界大戦期のMAS艇である MAS-96 (it )。ガルドーネ・リヴィエーラ にあるヴィットリアーレ・デリ・イタリアーニ (イタリア語版 ) 蔵。
MAS (イタリア語 : Motoscafo Armato Silurante , Motoscafo Anti Sommergibile )は、イタリア海軍 の魚雷艇 である。当初は、Motobarca Armata SVAN のアクロニム であった(SVAN はSocietà Veneta di Automobili Navali の略)。
概要
概ね、20–30トンの船体を10名前後の乗員で運用し、魚雷 2発と機銃 で武装していた。
第一次世界大戦 においては、信頼性の高い民間船から発達した多くの艇が、イタリア海軍によって使用され、オーストリア=ハンガリー帝国海軍 に対抗したり対潜 警戒に当たった。1918年 6月10日 にMAS-15 が、戦艦セント・イシュトヴァーン を撃沈したことが、最大級の戦果として知られている。
第一次大戦終結後も開発は続けられた。第二次世界大戦 当時には速力45ノット に達し、1940年 の時点で48隻の500級が就役し、1937年 から1941年 までの間に75隻が建造された。旧式のMASは、イタリア領東アフリカ 等の脅威度の低い戦線へ配備された。
第二次世界大戦では、イギリス海軍 の軽巡洋艦ケープタウン をマッサワ 沖で雷撃し損傷させたことや、黒海 で浮上中あるいは停泊中のソ連 赤色海軍 の潜水艦数隻を撃沈したことがあり、またイギリス海軍の輸送船 の阻止にも活躍している。
しかし、MASはアドリア海 での活動には十分であったが、地中海 で行動するには小さすぎると判断され、より大型の50 - 90トン級の魚雷艇によって置き換えられていった。その大型魚雷艇MS (Moto Siluranti )は、ドイツ で建造されたユーゴスラビア の魚雷艇を元にして建造された。このMSが、イギリス海軍の軽巡洋艦マンチェスター を撃沈している。
要目(第二次世界大戦時)
船体諸元
全長:18.7m
全幅:4.7m
排水量:29.4t
最大速度:43kt (80km/h)
航続距離:395km(最大速度時)
機関出力:2400馬力×2
乗員:13名
武装
45cm魚雷×2
20mm機関砲×1
6.5mm機関銃×1
海外での使用
フィンランド
1942年にラドガ湖 に派遣された伊海軍第14戦隊所属の4隻を購入して使用。
日本
ルーマニア
1943年8月に購入された7隻のボート[ 1] 。
脚注
^ Conway's All the World's Fighting Ships, 1922-1946 , Conway Maritime Press, 1980, p. 314
参考文献