『Hitman 3』(ヒットマン3)は、IO Interactiveより2021年に発売されたステルス性重視のサードパーソン・シューティングゲームである[1]。前作『Hitman 2』の続編で、リブートシリーズの3作目かつ完結編である[2]。ウィンドウズ(PC版)、Nintendo Switch、PlayStation 4、PlayStation 5、Google Stadia[注釈 1]、Xbox One、Xbox Series X/Sでリリースされた。PlayStation 4とPlayStation 5の日本語版はH2 INTERACTIVEより2021年8月26日にリリースされた[3]。2021年9月29日に追加されたアップデートで、PlayStation 4、PlayStation 5以外のプラットフォームにも日本語字幕が追加された[4][5]。
2022年1月20日、今作に多くの新要素を追加した『Hitman 3 Year2』が配信されたと同時に、第1作から今作までの全3作をセットにした「ヒットマン トリロジー(HITMAN Trilogy)」がXbox One、Xbox Series X/S、PS4、PS5、Microsoft Store、Epic Gamesストア、Steamで発売された[6]。
2023年1月26日付でHitman 3とHITMAN Trilogyの販売を終了し、全3作をセットにした『ヒットマン ワールド・オブ・アサシネーション(HITMAN World of Assasination)』に改称した。既にHitman 3を所有している場合は無料でアップグレードが可能となっている[7]。 また、『HITMAN World of Assassination』のPlayStation 5日本国内パッケージ版が2023年9月28日に発売された[8]。
エージェント47とダイアナ・バーンウッドはICA(エージェンシー)に所属する世界最高の暗殺者として名を馳せていた。しかし、知らず知らずの内に今まで行っていた暗殺が影のクライアントによって政治・経済を陰で操る組織「プロヴィデンス」の工作員を暗殺する様に仕向けられたことが判明。プロヴィデンスの幹部であるコンスタントは、ダイアナに影のクライアントの殺害と引き換えに47の過去を提示する取引を行う。このことをICA上層部に報告していないダイアナに疑問を感じながらも47は影のクライアントであるルーカス・グレーの配下を暗殺していく中で、ルーカスは47と同じ施設で育った親友であることが判明する。ルーカスの処置により失った記憶を取り戻した47は、子供時代にルーカスと交わした約束「プロヴィデンスの壊滅」を果たすため、ルーカスと行動を共にすることを決意。47とルーカスの尽力でコンスタントを拘束し、プロヴィデンスの創設者一族(プロヴィデンス・パートナーズ)3人の居場所を特定した。しかし、プロヴィデンスの真の管理者であるコンスタントことアーサー・エドワーズは、切り札を隠し持ちつつ拘束された船から脱出し姿をくらませたのであった。
プロヴィデンス・パートナーズの3人がドバイにある世界一高いビルとして新たに建設され、完成披露セレモニーが行われる予定となっているブルジュ・アル=カザーリー(通称:セプター)にいることを知った47とルーカスは空から潜入する。しかし、アーサーがプロヴィデンス・パートナーズから財産と権限を奪おうとしていることに逸早く気付いたプロヴィデンス・パートナーズの一人であるアレクサ・クリスティン・カーライルは47の潜入と同時にヘリコプターでセプターから逃亡してしまう。暗殺対象者一人の逃亡という予想外の事態となったが、予定通り残りのプロヴィデンス・パートナーズであるカール・イングラムとマーカス・ストイフェサントの暗殺を行う。 その後、アレクサがイギリスのダートムーアに逃亡したことを知り、47とルーカスはイギリスに向かう。しかし、ルーカスは拘束したアーサーをダイアナが逃がしたのではないかと疑っていた。一方アーサーはダイアナに電話を行い、プロヴィデンス・パートナーズから財産と権限を奪取し殺すように仕向けたことは変革の為だと伝え、その真実は直に分かると意味深な言葉をダイアナに伝えるのであった。
ダートムーアに到着した47とルーカスは、アレクサがソーンブリッジ・マナーと呼ばれる邸宅に逃げたことを知る。そこは初代コンスタントことヤヌスと3人のパートナーズによってプロヴィデンスを創設した場所であった。アレクサ自身の偽りの葬儀を明日に控えたその場所で、47達はアレクサの暗殺とコンスタントに関するファイルの奪取に動く。 アレクサの暗殺とファイルの奪取を行った直後、ダイアナとの無線が途絶えてしまう。邸宅を脱出する47にルーカスから警備員に見つかり窮地に陥っていることを伝えられる。47は警備員に変装して駆け付けるとルーカスは生け捕りにする警備員に囲まれ追い詰められた状態だった。ルーカスは47に、ダイアナの支援を受けられない事とオリヴィアと合流するように伝えて自決。47はオリヴィアにベルリンへ逃げるよう伝えた後にベルリンへ向かうのであった。一方プロヴィデンスの全ての権限と財産を手に入れたアーサーは、ダイアナの前に現れてあるファイルを見せる。それはダイアナの両親を暗殺したのが47だということを記載したプロヴィデンスの記録であった。
ベルリンに到着した47はオリヴィアとの合流地点であるガソリンスタンドへ向かうが、そこでオリヴィアが乗った車を発見する。ガードレールの先にある林を進んでいくと、オリヴィアからICAが送り込んだエージェント達に追われていることを知らされる。47はオリヴィアに隠れるように伝えるとICAのエージェント達の排除に動くのであった。 ICAが送り込んだエージェントを排除した47はオリヴィアが逃げ込んだダイナーで彼女と合流する。一方雪山のロッジに逃げ込んだダイアナはアーサーに電話をかける。アーサーは変革の為に手の届かない存在(アンタッチャブル)を倒したが、権力者がいる限り何も変わらないことを指摘する。アーサーはダイアナを次期コンスタントに任命し、内側から変革する担い手にならないかと誘う。そして時間が欲しいと要求するダイアナにアーサーは返答に見合う対価を要求するのであった。
オリヴィアと合流した47は、オリヴィアの反対を押し切って残された僅かなデータからアーサーの居場所を探ろうとする。しかし、アーサーは事前に自身の経歴を含めたデータを消すように仕向けており、更にクラッキングをしていることをICAが検知したことで、逆に居場所を特定されてしまい手詰まりになってしまう。そこで47はICAが今まで行ってきた暗殺を世間に公表することでICAを失墜させることを画策。データは重慶にあるICAのデータセンターに収められているが、データコアは2人の管理者にリンクされたバイオメトリック・ロックによって保護されている。その管理者とはICAの行動分析のトップであるイモジェン・ロイスと元サイバーテロリストでデータセキュリティの権威であるハッシュの2人。幸いにもオリヴィアによって2人が短時間の間に死亡するとロックが解除され、システムに侵入できる抜け穴があることを発見する。47はデータを入手出来るようにする為、監視ドローンが飛び交う厳重な警護体制が敷かれた重慶に向かうのであった。 一方、47によってICAが過去に行なった一連の暗殺行為[注釈 6]が世界に公表されたニュースを見つめるアーサーに、ダイアナはプロヴィデンスに加わって次期コンスタントになることを電話で伝える。しかし、アーサーはコンスタント候補は他にもいることを伝えるが、ダイアナは47にとって唯一の弱点は自分自身であることを伝え、47を利用する画策を伝える。
世界にICAの暗殺行為を公表した後誰もいないアジトに戻った47は、既に手を引いた筈のオリヴィアから連絡を受ける。それはアルゼンチンの空港でプロヴィデンスのバッジを付けたダイアナがアーサーの補佐官で元CIA工作員のタマラ・ビダルと同行していることを発見したことと、ワイン工場の所有者で弁護士のドン・アーチバルド・イエーツの引退パーティーでプロヴィデンスの会合が開かれるというものだった。プロヴィデンスに潜入したダイアナが助けを求めていると信じる47にオリヴィアは罠かもしれないと警戒感を示す。警告を告げるオリヴィアに感謝と別れの言葉を述べた47は一人ダイアナがいるアルゼンチンに向かう。メンドーサにあるワイン工場の前でダイアナと合流した47は、ダイアナがプロヴィデンスの次期コンスタントになって内側から壊す為に有力候補のドン・イエーツとダイアナを監視するタマラ・ビダルの暗殺を頼まれる。ダイアナから招待状を受け取った47は2人の暗殺に向かうのであった。 暗殺を終えた47にダイアナは、アーサーを殺すための算段を行うために夕方オリーブ畑に来てほしいと伝える。夕方になりオリーブ畑でダイアナと合流した47はダイアナに銃を向ける。プロヴィデンスに加入するために何を差し出したかを問う47を警備員が取り囲む。ダイアナがプロヴィデンスに加入するためにアーサーに差し出したのは47自身だったのだ。その後ダイアナは再会した際に予め47に仕込んでいた神経毒[注釈 7]のスイッチを押す。毒により意識が薄れていく中、47自身の手でダイアナの家族が暗殺されたことをダイアナから告げられると47はすまなかったと謝罪する。毒で意識がなくなる47にダイアナは人は操られるべきではないこととこれは優しさだと告げるのであった。
毒で意識が薄れていく中で47は、今まで行った暗殺行為を振り返り苦しんでいた。プロヴィデンスによって完璧な存在として作られ完璧に暗殺をこなすことは、名前もなく一人では何も出来ず、今まで誰かの指示で動いてただけという真実から目をそらす為だとダイアナは蔑む。一方ダイアナによって47はプロヴィデンスの医療施設に運ばれ、そこにアーサーが現れる。ダイアナは47を処分するように検討していたが、まだ利用価値があると判断したアーサーは再び記憶を消す処置を施そうとしていた。心の中で苦しむ47に心の中にいるルーカスが手を差し伸べる。毒の作用によって心が弱っている47に、ルーカスはダイアナがプロヴィデンスに加わったのは狡猾で賢いアーサーを欺く為で、アーサーを殺すことでプロヴィデンスをトップから壊すことだったと伝える。ダイアナの真意を理解し、過去と向き合った47は集中治療室で目覚める。治療室の扉を開けるとそこはプロヴィデンスが所有する軍用列車の中だった。プロヴィデンスを内側から破壊するため、47はアーサーのいる先頭車両に向かうのであった。 アーサーとの決着をつけた47は列車を停めて脱出する。その後プロヴィデンスに関与していた数々の会社のCEOが「一身上の都合」という名目で相次いで辞任するニュースが流れる中、ダイアナは自身の両親の暗殺記録とプロヴィデンスのバッジを暖炉に燃やして処分する。プロヴィデンスが解体された1年後、全てを終わらせた47はダイアナがいる山小屋に到着する。しかし、そこにはダイアナの姿はなく、携帯電話だけが残されていた。残された携帯電話で久々にダイアナと会話する47は、プロヴィデンスを解体してもこうした連中は後を絶たない事から再び暗殺者として活動することを告げる。だが、日差しに照らされたその姿は再びダイアナと一緒に行動できることに笑みを浮かべている様子が映されていた。
アーク・ソサエティの年次定例会議まで数週間を控え準備を進める中、ダイアナはルーカスから非公式な依頼があることを伝える。ルーカスは部隊の指揮を任せていたノエル・クレストにプロヴィデンスへの攻撃を止めてルーマニアで部隊を待機するように指示をしていたが、ノエルはそれを聞かずに部隊は暴走。彼らは国際強盗集団と名乗り、あらゆる破壊を厭わない強引な盗みを行うようになった。現在彼らはメイルストロムことワージル・カレが隠れ家の1つにしていたマラッカ海峡北部にあるアンブローズ島の人里離れた港を根城にしており、地元の海賊シンジケートと結託してマラッカ海峡を航行するタンカーを襲撃。そこにはエーテル社が極秘裏に輸送していた衛星コントロールユニットがあり、部隊はそれを強奪。プロヴィデンスへの攻撃を止めることで警戒を緩めさせるように仕向けたのが、彼らのエーテル社への攻撃によって警戒を強固にしてしまう恐れがある為、ルーカスは47にノエルの暗殺と衛星コントロールユニットの破壊を依頼。しかし、非公式のものであるため、ダイアナはICAから注意を逸らすためノエルと結託している海賊シンジケートのリーダーであるアッカに対してちょうどICAから暗殺依頼が来ていることを伝える。47はノエルとアッカの暗殺と衛星コントロールユニットの破壊を行う為、アンブローズ島へ潜入するのであった。
伝説の暗殺者47となって、各ステージの目標を達成し、脱出するのが目的となる。
有料ダウンロードコンテンツとして配信されているエスカレーション。各ミッションは47の内面にある七つの大罪を具現化したものとなっている。
ソーンブリッジ・マナーの庭園で開催しているガーデニングの大会を舞台としたエスカレーション[注釈 21]。他のエスカレーションとは異なり、暗殺対象がランダムで毎回変わる仕様になっている。
ここでは、HITMAN3から登場したターゲットとエルーシブ・ターゲットにのみ登場する人物について記載する。前作、前々作から再登場したターゲットについては以下を参照。
本作は2020年6月11日に開催されたPlayStation 5の発表イベントにて、発表された[13]。開発者は、リブートシリーズの前2作よりも「より成熟し、シリアスでダークなもの」になると述べている[14]。開発元のIO Interactiveは、2021年1月20日にEpic Games Store、PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X / S、およびストリーミングサービスStadiaを介してWindows向けにゲームを直接自社で販売した[15][16]。特筆すべきこととして、Nintendo Switchでもクラウドベースで遊べるようになっており、任天堂のプラットフォームにヒットマンシリーズの作品がリリースされたのは、2003年のニンテンドーゲームキューブ版『Hitman2: Silent Assassin』以来、ほぼ18年ぶりのことである。
レビュー集計サイトのMetacriticでは、「概ね肯定的」とされている[17][18][20]。
IGNは9/10の評価を与え「リッチでやりがいがありリプレイ性が高い本作は、IOの個性的でありながらも人気が高いステルスシリーズの中でも素晴らしい作品であった」と書いている。GamesRadar+は4.5/5とし、「楽しく想像力に富んだ殺人や探索による美しいステージ、そして信じられないほどの世界構築」と称賛し、「3部作の完結編として素晴らしい作品であった」と評した。GameSpotは、「ヒットマンシリーズの美点―レベルデザインや創造性、試行や探索―が、本作は素晴らしい」と書いている。
週刊ファミ通 2021年9月30日号では、ローリング内沢、ウワーマン、ジゴロ☆芦田、本間ウララのレビューで10点満点中9点が3人、8点が1人の合計35点のプラチナ殿堂入りを獲得した[27]。
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