「1984年」 (1984) は、イギリスのミュージシャンであるデヴィッド・ボウイが1974年に発表した楽曲。アルバム『ダイアモンドの犬』に収録され、アメリカ・ニュージーランド・日本ではシングルカットされた。ボウイはジョージ・オーウェルの小説『1984年』のミュージカル化を企画しており、この曲もミュージカルのために制作されたが、オーウェルの未亡人の許可が下りなかったためミュージカルの計画は頓挫した。
音楽と歌詞
歌詞の内容は、小説『1984年』にて主人公のウィンストン・スミス(英語版)が投獄され、オブライエン(英語版)からの尋問を受ける場面を表したものとされる。
冒頭のギターフレーズはアイザック・ヘイズが1971年に発表した「黒いジャガーのテーマ」と類似しており、アラン・パーカー(英語版)が演奏している。この曲はアルバム『ダイアモンドの犬』の中でボウイがリードギターを担当していない数少ない曲である。この曲に顕著に見られるファンクやソウルからの影響は、自作『ヤング・アメリカンズ』にかけてのボウイの音楽性の変化を予見するものとして挙げられる。
制作とリリース
「1984年」は1972年から1973年にかけての『アラジン・セイン』のレコーディングにおいて初めて録音された。1973年10月にロンドンで収録、11月にアメリカで放送されたテレビ番組「The 1980 Floor Show(英語版)」において「ドゥー・ドゥー」とのメドレー形式で初披露された。このメドレーはスタジオ録音も存在し、1989年に発表された『サウンド+ヴィジョン(英語版)』に収録された。「ドゥー・ドゥー」は単体でも録音されたが『ダイアモンドの犬』には収録されず、1990年に同アルバムの再発盤のボーナス・トラックとして初めて世に出た。
作家にしてボウイ研究家のニコラス・ペッグ(英語版)は「1984年」の最終バージョンを「明らかにシングル向きな曲」と評した。しかしこの曲がシングルカットされたのはアメリカ・ニュージーランド・日本のみであった。
1974年に北米で行われたダイアモンド・ドッグス・ツアー(英語版)ではオープニングを飾った。
評価
- ビルボードは「久々に登場した商業的な曲」と評した[6]。
- キャッシュボックスは「歌詞と音楽の双方のコンビネーションと強烈さが、この曲をクラシックなボウイの形式による真にポップで楽しいものにしている」と評した[7]。
チャート
パーソネル
伝記作家のクリス・オリアリーによる:
その他収録作品
脚注
参考文献
|
---|
スタジオ・アルバム |
|
---|
ライヴ・アルバム |
|
---|
サウンドトラック | |
---|
コンピレーション・アルバム (主要なものから抜粋) | |
---|
主な楽曲 | |
---|
主演映画 (主要なものから抜粋) | |
---|
ツアー |
|
---|
関連人物・項目 | |
---|
カテゴリ |