飛 浩隆(とび ひろたか、1960年 -)は、島根県出身のSF作家。島根県立松江南高等学校、島根大学卒業。日本SF作家クラブ会員。
略歴
1981年、大学在学中に「ポリフォニック・イリュージョン」で三省堂SFストーリーコンテスト入選[注 1]。就職1年目から、石飛卓美が主宰するファングループ「山陰SF創作会」に参加[1]。
1982年、『S-Fマガジン』誌上でデビュー作「ポリフォニック・イリュージョン」を発表。以降『S-Fマガジン』誌上で中短編10作品を発表する。
1992年の「デュオ」を最後に2002年まで作品の発表が途絶える。
2000年から2002年にかけて、既発表の全作品をまとめた『神魂別冊 飛浩隆作品集』(全3巻)がファンにより出版される(私家版)[2]。2002年9月、〈廃園の天使〉シリーズ第1作の『グラン・ヴァカンス 廃園の天使I』がハヤカワSFシリーズ Jコレクションから刊行。
2005年7月、「象られた力」で第36回星雲賞日本短編部門を受賞。同年12月、中篇集『象られた力』で第26回日本SF大賞を受賞。2007年度から2009年度まで日本SF大賞選考委員となる。
2007年9月、『ラギッド・ガール 廃園の天使II』で第6回センス・オブ・ジェンダー賞を受賞。
2010年8月、「自生の夢」で第41回星雲賞日本短編部門を受賞。
2015年8月、「海の指」で第46回星雲賞日本短篇部門を受賞。2016年度から2018年度まで、再び、日本SF大賞選考委員となる。
2018年4月、『自生の夢』で第38回日本SF大賞を、選考委員をつとめながら受賞[3]。日本SF大賞は2度目の受賞となった。
2019年7月、『零號琴』で第50回星雲賞日本長編部門を受賞[4]。
作品
共通のバックグラウンドを持って書かれている作品は次のとおり。
- 〈廃園の天使〉シリーズ
- 長編3作と関連中短編で構成される予定。現在長編1(『グラン・ヴァカンス』)、中短編集1(5作収録)が出版されている。
- 「リットン&ステインズビー協会」が出てくるシリーズ
〈廃園の天使〉シリーズ
零號琴
中短篇集
- 象られた力[注 4] (ハヤカワ文庫JA 2004年9月 ISBN 978-4-15-030768-4)
- 自生の夢(河出書房新社 2016年11月 ISBN 978-4-309-02521-6 / 河出文庫 2019年12月 ISBN 978-4-309-41725-7)
- 海の指
- 星窓 remixed version(初出:『SF Japan』2006 Spring)
- #銀の匙
- 曠野にて
- 自生の夢
- 野生の詩藻(旧題:La Poésie sauvage)
- はるかな響き
- ポリフォニック・イリュージョン 初期作品+批評集成(河出書房新社 2018年5月 ISBN 978-4-30-902669-5)
- ポリフォニック・イリュージョン(初出:『S-Fマガジン』1982年1月号)
- 異本:猿の手(初出:『S-Fマガジン』1983年9月号)
- 地球の裔(初出:『S-Fマガジン』1983年11月号)
- いとしのジェリイ(初出『S-Fマガジン』1984年6月号)
- 夢みる檻(初出:『S-Fマガジン』1986年4月号)
- 星窓(初出:『S-Fマガジン』1988年2月号)
- ポリフォニック・イリュージョン 飛浩隆初期作品集(河出文庫 2021年10月 ISBN 978-4-309-41846-9) - 『ポリフォニック・イリュージョン 初期作品+批評集成』から小説作品を収録し、下記の超短編5編を追加収録。
- 洋服(初出:スミダカズキ『OUT TO LAUNCH!』2016年11月)
- 洋服(二)(初出:ウカイロ9『THE END IS THE BEGINNING IS THE END』2019年8月)
- #金の匙(初出:青山ブックセンター本店イベント「2010年代のSFを語る」来場者特典 2020年2月23日)
- おはようケンちゃん(初出:著者Twitter 2020年9月7日)
- 食パンの悪魔(初出:『小説すばる』2021年1月号)
アンソロジー収録作品
- "呪界"のほとり(『S-Fマガジン・セレクション 1985』 ハヤカワ文庫JA)
- 象られた力(『S-Fマガジン・セレクション 1988』 ハヤカワ文庫JA)
- はるかな響き Ein leiser Tone(初出:TORNADO BASE answer songs 2008年6月20日 / 『サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ』NTT出版 2008年8月)
- 自生の夢(初出:『NOVA 1 書き下ろし日本SFコレクション』河出文庫 2009年12月 / 『THE FUTURE IS JAPANESE』ハヤカワSFシリーズ Jコレクション 2012年7月/ 『日本SF短篇50 5』ハヤカワ文庫JA 2013年10月)
- #銀の匙(『NOVA 8 書き下ろし日本SFコレクション』河出文庫 2012年7月)
- 曠野にて(『NOVA 8 書き下ろし日本SFコレクション』河出文庫 2012年7月)
- La Poésie sauvage(初出:『現代詩手帖』2015年5月号 思潮社 / 『アステロイド・ツリーの彼方へ 年刊日本SF傑作選』創元SF文庫 2016年6月)
- 海の指(初出:モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ 2014年10月14日[6] / 『ヴィジョンズ』講談社 2016年10月)
- 射線(『BLAME! THE ANTHOLOGY』ハヤカワ文庫JA 2017年5月)
- 洋服(『行き先は特異点 年刊日本SF傑作選』創元SF文庫 2017年7月)
- 流下の日(『NOVA 2019年春号』 河出文庫 2018年12月)
- ジュヴナイル(文学ムック「たべるのがおそい」vol.7 書肆侃侃房 2019年4月)
- 「方霊船」始末(初出:『S-Fマガジン』2018年4月号 / 『おうむの夢と操り人形 年刊日本SF傑作選』創元SF文庫 2019年8月)
- 鎭子(初出:『文藝』2019年夏季号 / 『ベストSF2020』竹書房文庫 2020年7月)
- 空の幽契(『ポストコロナのSF』ハヤカワ文庫JA 2021年4月)
- 緋愁(『kaze no tanbun 夕暮れの草の冠』柏書房 2021年6月)
- 第一四五九五期〈異常SF創作講座〉最終課題講評(『異常論文』ハヤカワ文庫JA 2021年10月)
書籍未収録作品
- 『零號琴』削除されたシーン(『S-Fマガジン』2018年12月号)
- サーペント(『S-Fマガジン』2019年4月号)
- 未の木(『群像』2020年1月号)
- 鹽津城(『文藝』2022年秋季号)
評論・エッセイ
原案
脚注
注釈
- ^ 早川書房のサイトを含め各サイトにおいて「異本:猿の手」が入選作・デビュー作とされているが間違い。
- ^ Jコレクション版一部改稿。
- ^ 『S-Fマガジン』2010年2月号 - 2011年10月号連載(全19回)を大幅に加筆訂正の上単行本化。
- ^ 『象られた力』収録作品はすべてが『S-Fマガジン』掲載時のものに加筆訂正されている。特に表題作「象られた力」については大幅な変更が加えられている。
出典
関連項目
外部リンク
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- 第21回 大原まり子「アクアプラネット」
- 第22回 夢枕獏「上段の突きを食らう猪獅子」
- 第23回 梶尾真治「恐竜ラウレンティスの幻視」
- 第24回 菅浩江「そばかすのフィギュア」
- 第25回 大槻ケンヂ「くるぐる使い」
- 第26回 大槻ケンヂ「のの子の復讐ジグジグ」
- 第27回 火浦功「ひと夏の経験値」
- 第28回 草上仁「ダイエットの方程式」
- 第29回 大原まり子「インデペンデンス・デイ・イン・オオサカ(愛はなくとも資本主義)」
- 第30回 森岡浩之「夜明けのテロリスト」
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2010年代 |
- 第41回 飛浩隆「自生の夢」
- 第42回 小川一水「アリスマ王の愛した魔物」
- 第43回 野尻抱介「歌う潜水艦とピアピア動画」
- 第44回 神林長平「いま集合的無意識を、」
- 第45回 谷甲州「星を創る者たち」
- 第46回 飛浩隆「海の指」
- 第47回 山本弘「多々良島ふたたび」 / 田中啓文「怪獣ルクスビグラの足型を取った男」
- 第48回 草野原々「最後にして最初のアイドル」
- 第49回 柴田勝家「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」
- 第50回 草野原々「暗黒声優」
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