『音楽堂』(おんがくどう)は、矢野顕子の28枚目のアルバム。2010年2月10日発売。発売元はヤマハミュージックコミュニケーションズ。
概要
『Home Girl Journey』に続く矢野顕子の4枚目のピアノ弾き語りによるアルバム。本来は2006年に録音、リリースされるべきところ、弾き語りシリーズをかねてから担当していたレコーディング・エンジニア、吉野金次の急病により延期、吉野の回復を待って制作された。吉野にとっては録音現場に立ち会っての仕事としては、復帰第一作となる。
レコーディングは全曲横浜市にある、神奈川県立音楽堂にて実施された。本作のタイトルは、ここに由来する。レコーディング風景は、NHK-BS2の番組「18年後のスーパーフォークソング」(2010年6月25日放映)において紹介された。
吉野によると、「これまでの録音ではコンサートグランド(ピアノ)のバス(低音)が生かされていなかったことから、今回はバス用に2本のマイクを追加し、豊かなバスの音にアッコちゃんのボーカルがくるまれているようなイメージで録音した」とのことである。[1]
アルバムジャケットのネコの写真は、動物写真家の岩合光昭による。
本アルバムに収録されている「右手」は、第17回日本プロ音楽録音賞(ベストパフォーマー賞)を受賞した[2]。
収録曲
- グッドモーニング(作詞、作曲:岸田繁)
- へびの泣く夜(作詞:糸井重里、作曲:矢野顕子)
- 椅子(作詞:伊藤アキラ、作曲:井上鑑)
- 春風(作詞、作曲:岸田繁)
- 犬の帰宅(作詞、作曲:鈴木慶一)
- 嘆きの淵にある時も(作詞、作曲:岡林信康)
- おかあさん(作詞:江間章子、作曲:中田喜直)
- Say It Ain't So (作詞、作曲: リヴァース・クオモ)
- きよしちゃん(作詞、作曲:矢野顕子)
- きよしちゃんとは、忌野清志郎のことである。忌野の生前に、忌野の闘病を支援するために作詞作曲され、ライブではたびたび歌われていた。
- My Love(作詞、作曲:C. Jeffrey McLean)
- 右手(作詞、作曲:細美武士)
- Vincent (作詞、作曲: ドン・マクリーン)
- さあ冒険だ(作詞:森高千里、S.Itoi、作曲:カールスモーキー石井)
- 和田アキ子のカバー。
- 公募によるリクエストをもとにアルバムに採用された。
- Green Tea Farm (作詞、作曲:上原ひろみ)
- 上原ひろみのカバー。原曲は「プレイス・トゥ・ビー」収録(日本盤ボーナストラック)。ここでは矢野がボーカルで参加している。
- いい日旅立ち (作詞、作曲:谷村新司)
関連作品
- 音楽のちから 〜吉野金次の復帰を願う緊急コンサート (2007年4月25日、グリーンドア)
- 細野晴臣&東京シャイネス・オールスターズ、ゆず、友部正人、大貫妙子、佐野元春との共同名義。吉野の治療費に充てるために、矢野と細野の呼びかけにより、2006年8月28日に、東京・世田谷区の北沢タウンホールにおいて行われたコンサートを収録したDVD。「右手」が先行収録された。
外部リンク
脚注