『峠のわが家』(とうげのわがや)は、矢野顕子のアルバム。1986年2月21日発売。発売元はミディ。2013年12月25日、同じミディより、アウトテイク集を加えた2枚組のリマスタリング盤が発売された。
概要
矢野が自ら設立に関与したレコード会社、ミディの第1弾作品である。
坂本龍一が共同プロデュースを務めるが、高橋幸宏、大村憲司の参加する「David」「Home Sweet Home」を除いて、YMOもしくはテクノポップ色は薄れている。
なお、本作から矢野のジャズ回帰が明確となり、「ちいさい秋みつけた」のアレンジや、のちに上原ひろみとの共演でも取り上げられる「そこのアイロンに告ぐ」にも顕著である。演奏者もジャズ・フュージョン畑から、ドラマーのスティーヴ・ガッドが「一分間」「そこのアイロンに告ぐ」に参加しているほか、1990年代以降の「さとがえるコンサート」で活躍することになるベース奏者、アンソニー・ジャクソンが、アルバムに初登場している(「ちいさい秋みつけた」他)。
「David」は1990年にシングルとしても発売され、オリコンシングルチャートにも登場した。
収録曲
1986年版
- The Girl of Integrity(作詞・作曲:矢野顕子)
- David(作詞・作曲:矢野顕子)
- ちいさい秋みつけた(作詞:サトウハチロー 作曲:中田喜直)
- 一分間(作詞:藤富保男 作曲:矢野顕子)
- 藤富保男の現代詩に曲をつけたもの。詩の原題は「非」である。
- おてちょ。(Drop me a Line)(作詞:矢野顕子、ピーター・バラカン 作曲:矢野顕子)
- タイトルは「お手紙ちょうだい」の略。
- ライブアルバム『グッド・イーブニング・トウキョウ』に、ライブテイクが収録されている。
- 海と少年(作詞・作曲:大貫妙子)
- 夏の終り(作詞・作曲:小田和正)
- そこのアイロンに告ぐ(作詞・作曲:矢野顕子)
- Home Sweet Home(作詞・作曲:矢野顕子)
2013年版
1986年版のオリジナルマスターなどをリマスタリングし、SHM-CD化し、2枚組としてリリースしたもの[1]。
DISC 1は同一楽曲を収録しているが、DISC 2に未発表ミックスを7曲追加した。
- DISC 1
- The Girl of Integrity
- David
- ちいさい秋みつけた
- 一分間
- おてちょ。(Drop me a Line)
- 海と少年
- 夏の終り
- そこのアイロンに告ぐ
- Home Sweet Home
- DISC 2
- The Girl of Integrity (Rare_01)
- おてちょ。(Drop me a Line) (Rare_07)
- ちいさい秋みつけた (RareNY_05)
- 一分間 (RareNY_07)
- そこのアイロンに告ぐ (OutTake_07)
- 海と少年 (OutTake_10)
- David (OutTake_11)
脚注
- ^ MIDI 30th
外部リンク