鈴木 央(すずき なかば、1977年2月8日[1] - )は、日本の漫画家。福島県須賀川市出身[2]。男性。既婚者。愛称は「央(なかば)」の名前から取られた「ばっちょ」。
1998年に『週刊少年ジャンプ』で開始した『ライジングインパクト』で連載デビュー。作品に『ライジングインパクト』、『僕と君の間に』、『ブリザードアクセル』、『金剛番長』、『七つの大罪』、『黙示録の四騎士』などがある。
略歴
特徴
作風
自身の格闘技好きから来る熱い線、趣味の少女漫画に影響を受けた繊細な画風、ファンタジー風の背景が特徴。デビュー作『Revenge』やその後発表した読切は、いずれも中世ヨーロッパ的な世界観のファンタジー漫画だった。
初連載『ライジングインパクト』はゴルフをテーマにしたスポーツ漫画だったが、多くのキャラクターの名前が『アーサー王物語』から取られ、また扉絵などではしばしばファンタジー風のイメージイラストが描かれた。『金剛番長』については当初ファンタジー漫画の予定で連載企画を進めていたが、打ち合わせの最中に冗談で挙がった「番長漫画」のアイデアが盛り上がり、そのまま本採用された。
これらの経緯からいくつかの連載作品の中でファンタジーを扱ったのは『僕と君の間に』と『七つの大罪』で、純粋なファンタジー漫画は『僕と君の間に』のみ(『七つの大罪』はアクション要素が含まれた「アクションファンタジー」の色が強い)となっている。
速筆に関するエピソード
『週刊少年ジャンプ』時代は誌内でも有数の速筆で、原稿を落とすことはなく、その上週2日休めていた。『ライジングインパクト』連載初期はアシスタントを使わず1人で執筆していたが、連載が進むにつれ仕事量が増えてきたことから、途中からアシスタントとして、小学校時代からの幼馴染の女性の「黒峰さん(仮)」を迎えた(名前の由来は、似顔絵に『ライジングインパクト』の「黒峰美花」というキャラクターの顔を代用したためである[14])。この女性とは後に結婚し、名前の表記も「黒峰さん(嫁)」となった。
『週刊少年マガジン』に移籍した現在も、同世代の真島ヒロなどと並び誌内でも有数の速筆といわれ、本誌に一挙2話を掲載することも少なくない[15]。そのため『七つの大罪』はコミックス第1巻発売から、2か月に1巻のペースで刊行され続けている。現在でもアシスタントに任せるのはトーンやベタ塗りなどの処理のみで、キャラクターや背景は本人が執筆しているという[16]。
連載誌に関するエピソード
『Ultra Red』の打ち切り最終回で、背景の群衆の1人の服に「BYE BYE JUMP」という言葉を忍ばせており、この言葉通り鈴木は後に『週刊少年ジャンプ』から『ウルトラジャンプ』を経て、『週刊少年サンデー』に移籍した。『金剛番長』終了後は小学館以外の雑誌にも作品を掲載し、2011年には『週刊少年チャンピオン』と『週刊少年マガジン』に読み切りを、さらに2012年にはそれぞれに連載作品を掲載。この時点で日本で発行されていた4つの週刊少年漫画誌全てに連載作品を掲載した漫画家の一人となった[17]。
作品リスト
連載作品
読切作品
○の読切は2014年刊の短編集『七つの短編』(講談社)に収録。
- Revenge(『'95 Spring Special』掲載、ホップ☆ステップ賞SELECTION15巻収録) - デビュー作
- 小さな街角の夢(『'95 Winter Special』掲載)
- SAVAGE(『週刊少年ジャンプ』1996年46号掲載) - Revengeの続編
- 太陽の主(『赤マルジャンプ』1998 WINTER掲載、ライジングインパクト2巻収録)
- メモリーオブムーン(『週刊ヤングジャンプ』2004年14・15号掲載)○
- ゴー!ブレイクスルー!!(『IKKI』2004年3月号掲載)
- ブリザードアクセル(『週刊少年サンデー』2004年28号掲載)○
- 迷え子羊たち!(『ウルトラジャンプ』2010年1月号、2011年2月号掲載)○
- カウガール対空飛ぶ円盤(『サンデーGX』2010年10月号掲載)○
- 連載詩 空が分裂する(『別冊少年マガジン』2011年5月号掲載) - 見開きイラスト1枚
- ちぐはぐラバーズ(『週刊少年チャンピオン』2011年20・21号掲載)
- 七つの大罪(『週刊少年マガジン』2011年第52号掲載)○
- 忍参~シロイ・シノビ・マイル~(『チャンピオンRED』2013年3月号掲載)
- 無慈悲なカントリーガール(『ビッグコミックスピリッツ』2014年30号掲載)○
- カンタンZ〜簡単探偵・勘太、最初で最後の事件〜(『ヤングマガジンサード』2015年Vol.6掲載) - 架空の連載の第100話という設定で描かれた[18]
- 七つの大罪 はじまりを誘う雨の森(『週刊少年マガジン』2020年36・37合併号掲載)
- その転校生Xにつき(『マンガワン』2020年10月31日、11月7日掲載)
脚注
外部リンク