藤山 陽子(、1941年〈昭和16年〉12月17日[出典 1] - 2022年12月11日)は、日本の女優。東宝専属で1960年代に活躍した。神奈川県[3][4]横浜市[1]出身。身長161センチメートル[6]。愛称はおふじ。
来歴・人物
横浜市本牧間門に生まれ、戦時中は平塚市へ疎開、終戦後は間門へ戻り、元町小学校4年生の時に金沢八景へ引っ越す。1957年、六浦中学校を卒業、1959年、女学校である私立明倫高等学校(現・横浜清風高等学校)3年生の春、陽子を含め修学旅行に参加しない残留組は平常通り授業があり、そんなある日の通学途中「ぶしつけに失礼ですが、チヨッとお話ししたいことがあるのです」と声を掛けてきた作曲家の木下忠司に「テレビの音楽を担当しているんだけど、テレビに出たくはありませんか?」と誘われる、やがて木下は陽子の両親に主旨を告げ、間もなく実兄である映画監督の木下恵介を紹介、彼は陽子に「テレビもいいけど、映画に出てみないか?」と話す、この言葉で心を動かされた陽子に父は「木下恵介先生に一切をお任せして、お前に出来ることならやってみてはどうなんだい!!」と促す、さっそく夏休みを利用し『今日もまたかくてありなん』で映画初出演、明けて1960年1月の冬休みに同じく木下恵介作品『春の夢』に出演、卒業後に出演したNETの『新三等重役』がきっかけで東宝ニュータレントに応募[7]、応募総数1万5千人の中で只1人全審査員の満票を以って合格[4]。翌1961年4月に東宝俳優養成所を卒業、5月1日付で東宝へ入社[8]。
こうしてオール東宝ニュータレント1期生となった陽子は[注釈 1]、同年夏に加山雄三主演の『大学の若大将』で銀幕デビュー[出典 2]。東宝は司葉子に続く都会派で上品な美貌の正統派女優として「魅惑の新星」と名づけ大々的に売り出した。目鼻立ちがはっきりした高貴でノーブルな風貌の美人で、清純な令嬢役やBG(現在のOL)役が多く『銀座の若大将』など若大将シリーズ、クレージーキャッツ映画、社長シリーズなど東宝の娯楽映画に数多く出演[1][4]。映画では特に際立った代表作がなかったものの、テレビではマドンナの女教師、生徒の姉役として夏木陽介主演の『青春とはなんだ』、続編である竜雷太主演の『これが青春だ』日本テレビで放映された青春学園シリーズに出演したことで新境地を開拓しお茶の間の人気を得た[1]。この『青春とはなんだ』の映画版である『これが青春だ!』、『でっかい太陽』、『燃えろ!太陽』の一連作にも夏木と共に出演している。
1967年、結婚を機に引退した[1]。
2021年、桜井浩子のYouTubeチャンネル『ROCO TALK』にゲストとして出演し、東宝時代の撮影秘話や裏話などのトークを披露した。久々に公への登場となった[出典 3]。
2022年12月11日、くも膜下出血のため死去[13][14]。80歳没。
エピソード
出演作品
映画
(すべて東宝映画)
テレビドラマ
- ヨーイ・ドン(1965年5月7日‐1965年10月29日、フジテレビ・東宝)
- 水のように(1965年10月8日-12月31日、関西テレビ・宝塚映画)
- 青春学園シリーズ(日本テレビ・東宝)
- 青春とはなんだ(1965年10月24日-1966年11月13日) - 永井明子(英語教師)
- これが青春だ(1966年11月20日-1967年10月22日) - 伊藤由理子(生徒の姉)
- 花とスッポン(1966年10月5日‐1967年1月4日、日本テレビ)
- 日産スター劇場 赤ちゃんがいっぱい(1967年4月29日、日本テレビ)
オーディオ・コメンタリー
- DVD『大学の若大将』(2005年10月28日、東宝)
脚註
注釈
- ^ 同期に桜井浩子がいて引退後も親しい仲である。子どもに一時期、桜井浩子のことを「怪獣のおばちゃん」と呼ばせていた。
出典
- ^ a b c d e f g h 東宝特撮映画全史 1983, p. 533, 「怪獣・SF映画俳優名鑑」
- ^ a b ゴジラ大百科 1993, p. 128, 構成・文 岩田雅幸「決定保存版 怪獣映画の名優名鑑」
- ^ a b c d 東宝特撮女優大全集 2014, p. 94, 文・切通理作「藤山陽子」
- ^ a b c d e 超常識 2016, p. 123, 「Column ゴジラ映画 俳優FILE」
- ^ a b c 野村宏平、冬門稔弐「12月17日」『ゴジラ365日』洋泉社〈映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、362頁。ISBN 978-4-8003-1074-3。
- ^ 週刊平凡 平凡社 1962年3月号 73頁。
- ^ 以上は近代映画 近代映画社 1962年8月号 122-125頁。
- ^ 以上は小説倶楽部 桃園書房 1961年10月号 巻頭ポートレイト。
- ^ (日本語) ROCO TALK#15 ゲスト:藤山陽子さん(第一話) ~同期の桜~, https://www.youtube.com/watch?v=Du6Agt-w1mg 2021年10月25日閲覧。
- ^ (日本語) ROCO TALK#16 ゲスト:藤山陽子さん(第二話) ~銀幕デビュー~, https://www.youtube.com/watch?v=T1Cr9GduZO4 2021年10月25日閲覧。
- ^ (日本語) ROCO TALK#17 ゲスト:藤山陽子さん(第三話) ~正統派美人女優~, https://www.youtube.com/watch?v=h3drOWLsQPM 2021年10月25日閲覧。
- ^ (日本語) ROCO TALK#18 ゲスト:藤山陽子さん(第四話) ~特撮映画「海底軍艦」~, https://www.youtube.com/watch?v=IOB0NS3ypOo 2021年10月25日閲覧。
- ^ 桜井浩子 [@roko_sakurai] (2022年12月19日). "お知らせ申し上げます。". X(旧Twitter)より2022年12月19日閲覧。
- ^ “藤山陽子さん死去、80歳 ドラマ「青春とはなんだ」教師役で人気 若大将シリーズなど出演”. サンケイスポーツ. (2022年12月19日). https://www.sanspo.com/article/20221219-3NIUM76YOJJ3PKACH55GITB6AM/ 2022年12月19日閲覧。
- ^ 『東宝』1961年11月号、東宝映画友の会
- ^ a b 別冊映画秘宝編集部 編「夏木陽介(構成・文 友井健人)」『ゴジラとともに 東宝特撮VIPインタビュー集』洋泉社〈映画秘宝COLLECTION〉、2016年9月21日、90頁。ISBN 978-4-8003-1050-7。
- ^ fujisanyuuiの2022年12月19日のツイート、2022年12月21日閲覧。
- ^ 東宝特撮映画全史 1983, p. 536, 「主要特撮作品配役リスト」
出典(リンク)
参考文献
外部リンク