生神女就寝大聖堂(しょうしんじょしゅうしんだいせいどう、Dormition Cathedral)は、生神女就寝祭[1][2]を記憶する正教会の大聖堂。ロシア語 Успенский Собор (ウスピェーンスキー・サボール) の前半部のカタカナによる転写からウスペンスキー大聖堂あるいはウスペンスキー寺院とも呼ばれる。これは「永眠」を意味するロシア語 успение, Успение (ウスピェーニエ) に由来する。従って、ロシア語に代表されるスラヴ語圏とは別の言語系統圏に属する正教会であるグルジア正教会、ルーマニア正教会、ギリシャ正教会などでは生神女就寝大聖堂のことを「ウスペンスキー大聖堂」とは呼ばす「生神女就寝」を表す各々の国語での表記を用いる。
世界各地に存在する同名の大聖堂を下記の一覧に挙げる。大聖堂以外の修道院や通常の聖堂で生神女就寝を記憶するもののごく一部も下記の一覧に若干掲載する。
世界各地の生神女就寝大聖堂の一覧
各国ごとに挙げる。国名を冠した正教会名の並びは五十音順。大聖堂ではない聖堂も含む。
ウクライナ正教会
グルジア正教会
日本正教会
ブルガリア正教会
フィンランド正教会
ルーマニア正教会
ロシア正教会
その他
英語での呼称
英語で用語が使い分けられている場合、"Dormition Cathedral"は正教会の生神女就寝大聖堂を表す事が多く、"Assumption Cathedral"はカトリック教会の聖母被昇天大聖堂を表す事が多い。しかしながら両者を一括していずれかの呼称で統一して用いている媒体もあって一概には言えないので注意が必要である。
正確さを期すならば、当該聖堂がどの教派に属するのかを確認し、正教会のものには生神女就寝大聖堂、カトリック教会のものには聖母被昇天大聖堂の訳語を当てるなどの配慮が必要である。
脚注
- ^ 生神女(しょうしんじょ)とは「ギリシャ語「テオトコス」の訳語で、「ハリストス神を生んだ女性」であるマリヤのこと。」(正教会の手引 全国宣教企画委員会、215頁)
- ^ 生神女就寝祭とは生神女の永眠を記憶する祭であり、生神女就寝聖堂はこの祭を記憶する。聖母被昇天の教義はカトリック教会特有のものであり、正教会には存在しない教理であるため「被昇天」の語は用いられず、あくまで「就寝」との語を用いる。従って当記事で扱う正教会の聖堂に「聖母被昇天聖堂」等の訳を当てるのは誤りである。
関連項目
外部リンク