『環礁-ミクロネシヤ巡島記抄-』(かんしょう-ミクロネシヤじゅんとうきしょう-)は、中島敦の短篇作品群(「寂しい島」「夾竹桃の家の女」「ナポレオン」「真昼」「マリヤン」「風物抄」の6篇)。
副題なしで『環礁』とだけ記されることもある。中島の南洋物の一種。
作者の中島敦は公学校用の教科書編纂のために1941年(昭和16年)6月から1942年(昭和17年)3月まで、南洋庁の官吏(内務部地方課の国語編集書記)としてパラオのコロール町(コロール島のコロール)に赴任しており、その間に南洋群島各地の学校を視察するかたわら、1942年(昭和17年)1月中旬からは2週間ほど土方久功らとパラオ本島を一周し、様々な風物や自然を随想しながら記録している[1][2]。
本作には南洋特有の珍しい文化や風物だけではなく、島民と内地人との人間関係や、日本の統治下で暮らす島民の様子、そして当時の日本人の南洋観など、日本統治時代の南洋ならではの題材も取り上げられている。
作品リスト
- 寂しい島
- 夾竹桃の家の女
- ナポレオン
- 真昼
- マリヤン - 小説的作品
- 風物抄
おもな収録書籍
- 第二創作集『南島譚』〈新鋭文学選集2〉(今日の問題社、1942年11月)
- 『山月記・李陵 他九篇』(岩波文庫、1994年7月)
- 『斗南先生・南島譚』(講談社文芸文庫、1997年3月)
- 解説:勝又浩。作家案内:木村一信。著書目録:鷺只雄
- 収録作品:「斗南先生」「過去帳」「古譚」「南島譚」「環礁―ミクロネシヤ巡島記抄―」
- 『南洋通信』(中公文庫、2001年9月)
- 解説:佐々木譲
- 収録作品:「通信I」「南島譚」「通信II」「環礁―ミクロネシヤ巡島記抄―」
- 『中島敦全集2』(ちくま文庫、1993年3月)
- カバー装画:土方久功「雲」
- 解説:群ようこ。解題:勝又浩
- 収録作品:「南島譚」「環礁―ミクロネシヤ巡島記抄―」「わが西遊記」「古俗」「過去帳」、日記、書簡
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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主要作品 | | |
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習作(学生時代) |
- 下田の女
- ある生活
- 喧嘩
- 蕨・竹・老人
- 巡査の居る風景
- D市七月叙景(一)
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習作(遺稿・草稿) |
- 北方行(未完)
- プウルの傍で
- 無題
- セトナ皇子(仮題)
- 妖氛録
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歌稿 その他 |
- 和歌でない歌
- 河馬
- Miscellany
- 霧・ワルツ・ぎんがみ
- Mes Virtuoses (My Virtuosi)
- 朱塔
- 小笠原紀行
- 漢詩
- 訳詩
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雑纂 |
- 文芸部部史
- 新古今集と藤原良経
- 鏡花氏の文章
- 十年
- どのスポーツが好きか
- お国自慢
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論文 | |
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翻訳 |
- パスカル
- スピノザの虫
- クラックストン家の人々
- 罪・苦痛・希望・及び真実の道についての考察
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関連項目 | |
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関連カテゴリ | |
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関連プロジェクト | |
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