材料工学における特性評価あるいはキャラクタリゼーション(英語:Characterization)とは材料の構造や性質の調査、測定する方法を一般的に表す言葉である。材料工学(マテリアルサイエンス)においては工業材料の物性の科学的な理解が不可欠である[1][2]。この言葉が指し示すものの範囲はしばしば変化し、微細構造や物性に対する技術についてのみ使われる場合もあるが[2] 、機械試験(英語版)や熱分析、密度の計算といったマクロスケールでの測定を含むあらゆる材料分析に対して使う場合もある[3]。特性評価で観察される材料の構造のスケールは原子の1個1個やひとつの化学結合を画像化するオングストロームレベルから粗い粒のようなセンチメートルスケールのものまで様々である。
光学顕微鏡をはじめ多くの測定技術が何世紀にも渡って改良を続けられてきており、新しい技術や方法が次々と生まれている。特に20世紀における電子顕微鏡と二次イオン質量分析法の発明はこの分野に革命を起こし、以前よりずっと小さいスケールで画像化と分析ができるようになった。これにより異なる物質がなぜ異なる物性を示すのかということの理解が大きく進んだ[4]。原子間力顕微鏡の発明によりここ30年で分析能はさらに大きく向上している[5]。
顕微鏡
顕微鏡はキャラクタリゼーション技術の1分野で、材料の表面構造を調べるためのものである。これらの技術は光子、電子、イオンや物理的カンチレバーなどによって様々なスケールでサンプルの表面構造を調べる。顕微鏡には以下のようなものがある。
分光法
化学組成や結晶構造、光電効果などの性質を調べるために用いられる方法である。以下のようなものがある。
光放射
X線
質量分析
質量分析(MS)には次のような方法がある:
その他
マクロスケールでの試験
多くの技術がマクロスケールでの物性評価に用いられている:
関連項目
脚注
- ^ Kumar, Sam Zhang, Lin Li, Ashok (2009). Materials characterization techniques. ボカラトン: CRCプレス. ISBN 1420042947
- ^ a b Leng, Yang (2009). Materials Characterization: Introduction to Microscopic and Spectroscopic Methods. ジョン・ワイリー・アンド・サンズ. ISBN 978-0-470-82299-9
- ^ Zhang, Sam (2008). Materials Characterization Techniques. CRC Press. ISBN 1420042947
- ^ Mathys, Daniel, Zentrum für Mikroskopie, バーゼル大学: Die Entwicklung der Elektronenmikroskopie vom Bild über die Analyse zum Nanolabor, p. 8
- ^ Patent US4724318 - Atomic force microscope and method for imaging surfaces with atomic resolution - Google Patents
- ^ “What is X-ray Photon Correlation Spectroscopy (XPCS)?”. sector7.xray.aps.anl.gov. 2016年10月29日閲覧。
- ^ R. Truell, C. Elbaum and C.B. Chick., Ultrasonic methods in solid state physics New York, Academic Press Inc., 1969.
- ^ Ahi, Kiarash; Shahbazmohamadi, Sina; Asadizanjani, Navid. “Quality control and authentication of packaged integrated circuits using enhanced-spatial-resolution terahertz time-domain spectroscopy and imaging”. Optics and Lasers in Engineering. doi:10.1016/j.optlaseng.2017.07.007. https://www.researchgate.net/publication/318712771_Quality_control_and_authentication_of_packaged_integrated_circuits_using_enhanced-spatial-resolution_terahertz_time-domain_spectroscopy_and_imaging.