この項目では、学校教育法 による新制・私立の浪速中学校・高等学校について説明しています。旧制・公立の浪速高等学校については「浪速高等学校 (旧制) 」をご覧ください。
浪速高等学校・中学校 (なにわこうとうがっこう・ちゅうがっこう、英 : Naniwa Junior/Senior High School )は、大阪府 大阪市 住吉区 にある私立 中学校 ・高等学校 。神社神道 を建学の精神としており、高校は2004年 (平成 16年)まで、中学校は2006年 まで男子校 であった。略称は「浪高」(なみこう)。
概要
前身は1923年 (大正 12年)、神社本庁 指定の神主など神職 養成機関の財団法人 大阪國學院(皇典講究所 大阪分所の後身)により東成郡 依羅村 大字 山之内 に設置された浪速中学校([ 1] 旧制 。現在地)。神社神道を教育の根幹に置き、神社神道の精神を背景とした全人教育と大学進学、そしてクラブ活動 での錬磨や奉仕 活動を通して、社会参加など幅のある人格形成を目指している[要出典 ] 。
校訓 は「浄(きよき)・明(あかき)・正(ただしき)・直(なおき)」。
民間人校長の赴任
住友金属工業 の子会社取締役[ 2] から「関西公立校初の民間人校長 」として大阪府立高津高等学校 に赴任した木村智彦 を、2006年 (平成 18年)12月、浪速学院の理事長・校長として迎えた[ 3] 。大阪府立高校では「現役で国 公立大学 に100人合格」という目標を掲げ、国公立大合格者数を倍増させる業績を残していたものの、教職員への「パワーハラスメント」があったと大きく報道され辞任に至っていた[ 3] 。木村が理事長に就任後、浪速中・高の入学者数は増加し、3年間で赤字体質から転換できたとされた[ 3] 。しかし木村(75歳 2022年現)が理事長就任後の浪速高校は不祥事が相次いでおり、大きな問題となっている。
沿革
年表
1923年 (大正 12年) - 4月、財団法人大阪國學院によって、「浪速中学校 」設立(旧制中学校 。文部省 告示 4月7日付第271号で4月開校認可[ 1] )
1947年 (昭和 22年) - 4月1日、太平洋戦争 後の学制改革 により新制の中学校 「浪速中学校 」設置
1948年 (昭和23年) - 4月1日、学制改革により新制の高等学校 「浪速高等学校 」設置
1958年 (昭和33年) - 中学校の生徒募集を停止
1983年 (昭和58年) - 高校に理数科を設置
1985年 (昭和60年) - 中学校の生徒募集を再開
2005年 (平成 17年) - 高校を男女共学 とする
2007年 (平成19年) - 中学校を男子のみから男女共学とする
2009年 (平成21年) - 関西大学 パイロット推薦制度指定校となり、中学校を「関西大学連携浪速中学校 」と改称。中高一貫の「関大コース」を設置
2011年 (平成23年) - 学校法人大阪国学院が学校法人浪速学院へ改称
2012年 (平成24年) - 千早清明寮が完成。関西大学との連携協定を解消し、校名を「浪速中学校」に戻す。「関大コース」募集停止
2016年 (平成28年) - 高校の理数科を募集停止し、文理SIコースを新設
2022年(令和4年) -労働基準法違反で書類送検
基礎データ
諸費用
初年度の学費は高校99万円[ 4] 、中学校97万円[ 5] (授業料ほか2021年 度の募集要項)。
交通アクセス
鉄道
象徴
制服
制服 がある。2019年 には、制定鞄と体操服のデザインも変更された。
学校施設
校舎 は2013年 に建設着手。グラウンドも全面人工芝となった。そのほか下記の施設がある。
「体育館兼講堂」
「浪速武道館」:柔道場、空手道場、剣道場、弓道場、お茶室、雅楽練習場
「新クラブハウス棟」:部室、カフェテリア、軽音楽部練習場
宿泊施設 「至誠寮」(大阪市 )
千早清明寮 - 2012年 完成
校外宿泊学習施設「多聞尚学館」 - 閉校した旧千早赤阪村立多聞小学校 の校舎を購入し、2009年 に開館
校外総合運動場「浪速ふくろうスタジアム」(堺市 ) - 2010年 設置
スポーツ施設「高天原スポーツキャンパス」(堺市)
諸活動
部活動
運動部
文化部
不祥事
「確実に関西大学に入学」虚偽宣伝
関西大学 と推薦入学 に関する取り決め事項が存在しないのに、入試説明会等で「(中高一貫の)関大コースに入れば、間違いなく関大に(推薦)入学できる」と虚偽の宣伝をしていた[ 9] 。この不祥事により2012年4月関西大学は浪速との連携解消を決めた[ 3] 。また、教職員に未払い残業代の9割を放棄させていた問題も発覚した[ 3] 。
大学合格実績水増し問題
2011年度の大学入試では大学合格実績水増し問題も発覚して大きく報道された。成績優秀な生徒4人の受験費用を学校側が実質負担し、立命館大理系学部を中心に延べ22学部・学科に余分に受験させた。学校側は立命館大の2011年度合格者数を「32人」と発表したが、うち9人分は生徒1人が合格したものだった[ 10] 。同校は木村智彦の指示で2010年5月から本格的に水増し行為を実施しており[ 11] 、受験生名簿等は「Xファイル」と名付けられ極秘扱いとされ、生徒が自主的に受験する本命大学の費用は負担せず、水増し目的の受験費用のみ学校側が負担することや、金銭授受を示す文書は残さないなどのルールがあり、関連の会合後、関係書類は全て回収され、厳重に口止めされた[ 12] 。
部活いじめ動画LINE投稿
高校総体で優勝するなど強豪として知られるクラブ活動 の空手道 部[ 6] において、引退した3年生部員6人が、同級生1人の顔を殴り、その様子をLINE に投稿していたことが判明し、高校側は関与した部員について2016年11月10日付で、いじめ であると認定した上で停学 処分とし、空手道部も練習が取り止めとなった[ 13] [ 6] 。
教員の勤務データ書き換え
教員が行った残業を「業務外」と申告するように勤務データを書き換えさせ、割増賃金を支払っていなかったとして、2022年3月23日、大阪南労働基準監督署 は学校法人・浪速学院と労務担当の男性役員を労働基準法 違反の疑いで書類送検した。教員8人が、試験の採点や保護者対応、朝早く出勤する当番、クラブ活動など法定時間を超える業務を行ったにもかかわらず、「業務外」として勤務データを意図的に書き換えさせた疑いがあるという[ 14] 。
著名な出身者
政治
経済
研究
芸能
スポーツ
プロ野球
脚注
関連項目
外部リンク