死者のあやまち
『死者のあやまち』(原題:Dead Man's Folly)は、1956年に発表されたアガサ・クリスティの長編推理小説である。クリスティ48作目の長編で、エルキュール・ポアロシリーズの長編第27作目にあたる。 原題の Folly は、ダブルミーニングとなっており、第一義には日本語タイトル通り「過ち(愚かさ)」を意味するが、同時に装飾目的の華美な建築物を指す[注 1]。 概要本作は、1955年に執筆されながら未発表に終わった中編作品『ポアロとグリーンショアの阿房宮』が原型である[1]。長編でもなく短編でもないその作品は雑誌掲載には難しい長さであったことから出版社に拒絶されたため、これを長編化して翌1956年に発表したのが本作である[1][注 2]。 本作の舞台の「ナス屋敷」と『ポアロとグリーンショアの阿房宮』の「グリーンショア屋敷」は、どちらも作者が1938年に購入した別荘グリーンウェイ・ハウスで[1]、以降、作者が毎年夏の休暇を過ごしたところである[2]。 あらすじポアロは、オリヴァ夫人の誘いでデヴォンシャーのナスクームにあるナス屋敷へと招かれる。祭りが開催される当地ではオリヴァ夫人が筋書きを考えた犯人当てゲームが行われることとなっていたが、夫人は本当の殺人が起こるかもしれないとポアロに話す。 祭りの当日、オリヴァ夫人の懸念の通り、被害者役の少女・マーリンが本物の死体となって発見される。さらに、ナス屋敷の主の妻・ハティ夫人も姿を消してしまう。 登場人物
翻案作品
→詳細は「en:Dead Man's Folly」を参照
脚注注釈出典外部リンク
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