林平之(りん へいし)は、金庸の武俠小説『秘曲 笑傲江湖』に登場する重要人物の一人。
生涯
林平之は福建の福州府にある福威鏢局の御曹司として生まれた。女性のような美しい顔立ちで、もともと正義感のある性格であったが、武芸の腕前は凡庸であった。青城派総帥の余滄海の息子・余人彦が、酒場の女性に無礼を働いたことに腹を立てて喧嘩になり、彼を殺害してしまう。これを口実に青城派は福威鏢局を襲撃し、林家の家人をことごとく殺害していく。実は、これは余滄海の策略であり、福州に侵入していたのが余人彦だった。その目的は林家に伝わる無敵の剣法『辟邪剣譜』を奪うことにあり、余人彦はそのために必要な犠牲であった。
余滄海の襲撃で父母を失った林平之は、なりゆきから華山派の岳不群の門下となり、余滄海への復讐を誓う。だが、岳不群も『辟邪剣譜』を狙う一人であることは知らなかった。
もともと御曹司のため剣術は凡庸だが、岳霊珊が世話を焼くうちに二人は急接近していく。岳霊珊の想いは令狐冲から林平之へと移り、二人は恋仲になってついに結婚する。
だが、強い復讐心から、禁断の剣法『辟邪剣譜』を完全な形で習得してからは、岳霊珊への想いは消えてしまい、冷酷な性格へと変貌を遂げ、ついには岳霊珊の命を奪ってしまうことになる。
岳霊珊が令狐冲に残した遺言により生命までは奪われなかったが、結局は悲惨な末路を辿ることとなる。
最後まで復讐に取り付かれた悲劇の男である。
家系図
| | | | | | | | 林仲雄 | | | | | | 王元覇 |
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岳不群 | | 寧中則 | | 林震南 | | 王夫人 | | 王仲強 | | 王伯奮 |
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| | 岳霊珊 | | | | | | 林平之 | | 王家駿 | | 王家駒 |
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演じた俳優