東陽 片岡(とうよう かたおか、1958年6月16日[1] -)は、日本の漫画家、イラストレーター。東京都板橋区出身。
来歴
多摩美術大学美術学部デザイン科卒業後、雑誌のデザイナーをしていたが、並行して個人漫画のミニコミを発行。その特異さと完成度の高さから、評判になる。1994年、雑誌「ガロ」に投稿し入選。「長井勝一が選んだ最後の新人」とされる。
「東陽片岡」というペンネームの由来は、彼が夢で渡された名刺にあった名前だという[2]。
四谷三丁目のスナック「秋田ぶるうす」のマスターを務めている[3]。
作風
昭和を感じさせる、下町に暮らす人々とその生活をテーマとして、下品とシュールを織り交ぜたエロ・グロ・ナンセンスでありながら、ダウナーで妙にリアリティを感じさせる独自の世界を描いている。映画『三丁目の夕日』のような「昭和」とは対極に位置する、下品で貧乏くさい「昭和」である。
作品は、スクリーントーンを使用せず、すべて手描きで、また、アシスタントも使用していない。登場人物が暮らす古アパートの、畳の細かい目をびっしりと描き込むのも特徴で、「畳職人漫画家」とも呼ばれる。
作品リスト
映画出演
- 「東陽片岡の甘い生活」 自主映画監督ダーティ工藤による、インタビュー・ドキュメンタリー。DVD発売。下記の2作品を収録。
- 「東陽片岡のカク!」2001年
- 「東陽片岡パッケージを描くの巻」2006年
- 「東陽片岡のルサンチマン」2007年 やはりダーティ工藤監督による、東陽片岡主演によるフィクショナルな映画作品。
- 美代子阿佐ヶ谷気分 2009年
- 俳優・亀岡拓次 2016年
主な登場人物
微妙に設定は異なるものの、各作品をまたいで共通の人物が登場するスター・システムがみられる。
- 決斗兄弟
- キックボクサーの兄弟。実の兄弟では無い。ジムが潰れる等、運が無い。チャンピオンを目指している。兄の名は不明。弟の名は順二。
- ホームレス兄弟
- ホームレスの兄弟。実の兄弟では無い。アオカン(野宿)をしたり、日雇い労働をして木賃宿に泊まったりしている。
- ながし三兄弟
- 歓楽街の飲食店で流し稼業を営んでいる。長男はグチ聞き屋、次男はエロ話屋、三男はギターのながし。長男は常に褌一丁。
- 山下さん
- 印刷工場で働いている。無口。顔がそっくりな妹が居る。妹の仕送りで行く月イチのソープが楽しみ。涙もろい?
- 寝たきり姉妹&お金屋さん
- 病気でもないのに、働きもせず、古アパートの一室で常に寝ている姉妹。たまに「お金屋さん」が来てもってきてくれるお金で、生活している。
- 作者
- 作者の東陽片岡と思しき人物。初期はたまにしか登場しなかったが、近年は頻繁に登場。風俗(主にホテトル)とオートバイによる温泉巡りを、無上の楽しみとする。真性包茎であったため、包茎手術を行った。(余談だが、東陽は、手術のことを「シリツ」という。また、色々な言葉に「お」をつけたりする(おスナック、etc)
- グチ聞き屋
- ハンチング帽の男
- 流し新太郎
脚注
外部リンク