東野 篤子(ひがしの あつこ、1971年 - )は、日本の国際政治学者、国際関係学者である。筑波大学人文社会系教授[1][2]、ウクライナ研究会副会長[3]を務め、EU・ロシア関係などEUの対外政策を専門とする。
配偶者は慶應義塾大学総合政策学部准教授の鶴岡路人[2][4][注釈 1]。
来歴
10代の5年間をイギリスで過ごした[2]。立教英国学院を経て、立教女学院高等学校を卒業[6]。慶應義塾大学法学部政治学科を卒業し、同大学院法学研究科政治学専攻博士課程を単位取得退学する。2005年7月[7]、バーミンガム大学大学院政治・国際関係研究科で博士号(Ph. D., 政治学)[8]を修得する。
2005年4月、広島市立大学国際学部講師。2007年4月に同准教授。2010年4月から筑波大学人文社会系国際公共政策専攻准教授[9]に就く。
2018年1月に国際安全保障学会の編集委員会編集委員[10]に就き、2020年から日本国際政治学会の国際交流委員会に所属し、2021年7月にウクライナ研究会副会長[3]に就く。日本経済新聞やプレジデントONLINEなどにも論文を寄稿している[11][12]。
ロシアがウクライナへの侵攻を開始した2022年2月24日[13]に、公益財団法人日本国際フォーラムが催したウェブセミナー「ロシア・ウクライナ情勢への日米欧の対応」に専門家として参加した[14]。以後テレビなど各種のマスメディアにウクライナ侵攻について解説者として出演している[15][16][17]。先進7か国が国際銀行間通信協会 (SWIFT) からロシアの主要銀行を排除するなどの経済制裁を決めたことについて、3月9日の読売新聞朝刊で「『オリガルヒ』と呼ばれるロシア新興財閥の幹部が、プーチン氏に忠誠を尽くしてきたのは損得勘定からだ。制裁で苦境に陥れば、オリガルヒらの『プーチン離れ』は一気に進むだろう」との見解を示した[18]。
2022年4月1日、筑波大学人文社会系教授に昇任。
SNSにおける容姿に対する中傷被害
2023年5月、Twitter(現・X)上に、東野の容姿に対し「見た目からしてバケモノ」[注釈 2]と中傷する投稿がなされた。これを発見した東野は看過できない事態と判断し2024年4月に茨城県警に刑事告訴した。その結果、投稿者が茨城県警の警部であることが判明し、同年6月に投稿者は水戸地方検察庁に書類送検されている[20][21][22][23]。メディアの取材を受け東野は「大変由々しき事態だと思っています...(中略)...再発防止にきちんと取り組んでいただけなければ、私たち市民はとてもじゃないが、安心して生活できません」と心情を明らかにした。投稿者からは文面での謝罪があったという[24]。水戸区検は同年10月29日付で投稿者を侮辱罪で略式起訴し、水戸簡裁は罰金30万円の略式命令を出した[25]。
東野は、自分と論争において対立した相手について「私に反論された人が意見を変えることは100%ありません。それどころか、恨みを抱いて余計に粘着してくる」と言及している[26]。
著書・訳書
分担執筆
訳書
脚注
注釈
- ^ 2022年3月26日にインターネット番組「国際政治チャンネル」のライブ配信「徹底分析 ロシア・ウクライナ戦争」で、司会の鶴岡路人、軍事評論家の小泉悠と共に出演して情勢について意見を述べた[5]。
- ^ このほか、文藝春秋社の取材によって、「バケモノ」の他、かつて女性に固有の精神疾患と解されていた神経症状と高齢女性に対する差別的表現を組み合わせた「ヒステリー・ババア」という蔑称の書き込みもされていたことが明らかになった[19]。
出典
外部リンク