東京都交通局30形電車(とうきょうとこうつうきょく30がたでんしゃ)は、かつて東京都交通局上野懸垂線(上野モノレール)で使用された懸垂式モノレール車両である。
概要
1966年(昭和41年)に製造されたM形車両が老朽化して来たために、代替として日本宝くじ協会寄贈により1編成(2両)が製造され、1985年(昭和60年)4月2日より運行開始した。
「子供に夢を与える乗り物」をイメージさせるため、UFOのような外観とした[1]。窓は更に大きく、前面・側面の面積の半分以上が窓となった。窓の下辺は車内座席の座面付近まで下げられた。運転台前面はM形に引続き逆傾斜のデザインを採用しているが、より丸みを帯びた形状である。
上野懸垂線設備更新工事に伴い、更新工事前日の1999年(平成11年)12月18日限りで運行終了、廃車となった。
走行機器など
制御装置はGTO素子による電機子チョッパ方式を採用した[2]。ただし、運転速度が低いことから、ブレーキは空気ブレーキである[2]。主チョッパ装置は、周辺機器を含めて一つの機器箱に集約されており、片方の車両の屋根上に搭載されている[2]。
冷房装置は三菱電機製の室外機・室内機分離形のセパレート方式(CU25S形)で、能力は8.14kW(7,000 kcal/h)の装置である。冷房モードは送風、弱冷自動、強冷自動を選択可能[1]。補助電源装置は定格容量20kVAの静止形インバータ(SIV・三相交流200V)で、負荷の大部分が冷房装置であることから、冷房機と一体形となっている[1]。
関連項目
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d 日本鉄道車輌工業会『車両技術』170号(1985年6月)「東京都交通局 上野懸垂線30形車両」pp.72 - 86。
- ^ a b c d 東洋電機製造『東洋電機技報』第63号(1985年7月)「東京都交通局納上野モノレール線車両用電機品」pp.19 - 23。