新井 啓文(あらい けいぶん、1979年7月20日 - )は、日本の競技麻雀団体・最高位戦日本プロ麻雀協会に所属するプロ雀士である[2]。埼玉県熊谷市出身[1]。
打点を重視した雀風で[4]、所属団体では第38期の最高位を戴冠している[2][3]。
経歴
埼玉県立熊谷高等学校[5]を経て、青山学院大学卒業[6]。
2001年に[2][3]最高位戦日本プロ麻雀協会の第26期後期会員として入会し、プロ雀士となった[1]。その翌年に開催された第10期の發王戦では準優勝の成績を残す[1]。そこからしばらく結果を残すことが出来ずにいたが[4]、最高位戦リーグでは2008年にB1リーグへ昇級[7]、2012年には自身初めてとなる最上位のAリーグへの昇級を決める[7][8]。2013年の最高位戦リーグではAリーグ1位のポイントで最高位決定戦に進出し[9]、攻撃的な麻雀で第38期最高位を戴冠した[10]:5。最高位の肩書きを背負って出場した麻雀最強戦2013ファイナルでは予選B卓で破れ、決勝卓には勝ち進めなかった[11]。各麻雀プロ団体のタイトルホルダーが卓を囲む四神降臨 2014 王座決定戦にも出場する[12]が、RMU所属の河野高志に敗北している[13]。
2014年2月16日に開催された麻雀最強戦2014の「桜井章一×森山茂和解説特別プロ予選」[10]:3では予選B卓に出場し、決勝まで勝ち上がるもファイナル出場を逃している[10]:5。また、2014年には自団体の第39期最高位決定戦で村上淳に最高位の座を譲る結果となり[14]、同年日本プロ麻雀協会主催のタイトル戦・第12回日本オープンでは準決勝に勝ち進む[15]が決勝には残れなかった[16]。新井はその翌年の第13回日本オープンでも準決勝止まりとなった[17]。そのほか、2014年から2015年にかけては麻雀プロリーグである第15回モンド杯に初出場を果たしている[4]が、予選最下位で敗退している[18]。
2017年には毎年1月から8月までに毎月行われている、日刊スポーツ杯 スリアロチャンピオンシップの6月度大会において決勝に進出するも優勝をつかむことはできなかった[19]。2019年には第14期最高位戦Classicの決勝を戦う5人に残り、最終的には3位の成績で終わっている[20]。2020年4月5日に開催された麻雀最強戦2020 男子プロ代表決定戦「プロ雀士ランキングベスト16大会」では、最高位戦所属の嶋村俊幸が急遽出場を辞退したことで新井が繰り上げで参加することとなったが[21]、予選C卓をトップで通過し、決勝では古橋崇志の猛追を退けての優勝、2013年以来7年振りのファイナル行きを決めた[22]。12月中旬に実施された最強戦ファイナルでは[23]、新井は1st Stage B卓を2位[24]、2nd Stage B卓を1位で勝ち抜く[25]も、決勝卓では同卓した多井隆晴が最強位の座を手にし2位に終わった[26]。2021年の麻雀最強戦でもプロ代表決定戦「因縁の血闘」にて出場機会を得たが、決勝卓で井出洋介に敗れている[27]。
2023年、2023-24シーズンからMリーグに参入するBEAST Japanextの「ドラフト会議指名オーディション」に応募し、選考会に出場する8名に選ばれる[28]。予選A組では浅井堂岐・内田みこ・竹内元太を相手に3-1-2-2の71.3ポイントで唯一のプラスとなり、ファイナルにストレートインを果たす[29]。ファイナルでは予選B組からファイナルにストレートインした菅原千瑛、セミファイナルを勝ち上がった浅井・内田と対戦し、3回戦終了時点で+60.1ポイントで首位に立つが、4回戦で菅原にリードを許し、南3局終了時点で菅原と1.1ポイント差で迎えた菅原の親のオーラス、聴牌・ノーテンでも逆転できる状況で3局続けて2人聴牌で差を詰められず、3本場で菅原に親の満貫を自摸られてリードを広げられ、4本場で跳満を自摸るも裏ドラが載らずに逆転条件の倍満自摸には届かず[30]、最終的にトータルで菅原にわずか0.7ポイント及ばず、オーディションは総合2着で終了となり、BEAST Japanextの指名権獲得には至らなかった[31]。
雀風・人物
麻雀に関しては打点に重きを置いたスタイルで、粘りのある麻雀を打つと第15回モンド杯時のインタビューで話しており、鳴き仕掛けを好まない[4]。得意とする手役は七対子[10]:5。雀士としてのキャッチフレーズは「ゴキゲンな一発屋」としており[3]、麻雀のニュースサイト「麻雀ウォッチ」でも明るい性格と評されている[32]。2023年6月時点で、所属団体の最高位戦リーグではA1リーグに所属している[1]。
新井は麻雀プロの傍ら、麻雀教室の講師を務めている[6]。趣味には将棋[2][3][4]や人狼ゲーム、カラオケを挙げており[3]、棋士とのテレビ対局を行った経験もある[4]ほか、人狼関連のイベントや[33]インターネット配信番組に出演する[34]などの活動も行っている。
獲得タイトル・主な実績
脚注
外部リンク
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誌上タイトル戦 |
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団体タイトル戦 |
1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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最高位戦日本プロ麻雀協会所属のプロ雀士によるリーグ戦。1984年までは竹書房主催の誌上タイトル戦。 |
麻雀最強戦ファイナル出場(2回) |
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麻雀最強戦2013
開催日 |
大会名・出場資格 |
ファイナル出場 |
A卓出場者 |
B卓出場者
|
タイトルホルダー
|
現最強位
|
水沼利晃
|
前年優勝者及び所定のタイトル成績者にはファイナル出場権が与えられた
|
鳳凰位・十段位 |
瀬戸熊直樹
|
最高位 |
新井啓文
|
雀王 |
鈴木たろう
|
十段位準優勝 |
沢崎誠
|
2013/4/13
|
女流プロ代表決定戦
|
魚谷侑未
|
二階堂亜樹 |
魚谷侑未 |
冨本智美 |
花本まな
|
茅森早香 |
二階堂瑠美 |
安田麻里菜 |
水城恵利
|
2013/5/18
|
著名人代表決定戦 風神編
|
じゃい
|
じゃい |
白川道 |
名越稔洋 |
加藤鷹
|
風間杜夫 |
植田佳奈 |
玄田哲章 |
木谷高明
|
2013/6/15
|
鉄人プロ代表決定戦
|
森山茂和
|
前原雄大 |
荒正義 |
藤原隆弘 |
金子正輝
|
小島武夫 |
森山茂和 |
藤崎智 |
井出洋介
|
2013/7/13
|
新鋭プロ代表決定戦
|
猿川真寿
|
佐々木寿人 |
堀内正人 |
内海元 |
猿川真寿
|
滝沢和典 |
張敏賢 |
鈴木達也 |
山井弘
|
2013/8/13
|
特別予選A
|
茅森早香
|
滝沢和典 |
佐々木寿人 |
鈴木達也 |
茅森早香
|
配信時間内、複数半荘勝負
|
2013/8/14
|
特別予選B
|
荒正義
|
荒正義 |
前原雄大 |
藤崎智 |
白川道
|
2013/8/17
|
著名人代表決定戦 雷神編
|
金子昇
|
福本伸行 |
金子昇 |
上田浩二郎 |
林修
|
片山まさゆき |
先崎学 |
藤田宜永 |
愛甲猛
|
2013/9/16
|
全日本プロ代表
|
荒木栄二
|
予選上位者16名によるトーナメント
|
2013/9/21
|
ワンツーネクストカップⅠ
|
及川奈央
|
及川奈央 |
達川光男 |
長友光弘 |
中野浩一
|
放送時間内、複数半荘勝負
|
2013/10/13
|
アマチュア最強位
|
村上公成
|
各地区優勝者による8名のトーナメント
|
2013/10/18
|
ワンツーネクストカップⅡ
|
岩井勇気
|
岩井勇気 |
内山信二 |
柴田英嗣 |
見栄晴
|
放送時間内、複数半荘勝負
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
A卓
|
|
|
|
|
|
東
|
魚谷侑未
|
33,300
|
|
|
南
|
荒木栄二
|
31,300
|
|
|
西
|
金子昇
|
17,500
|
|
|
|
北
|
瀬戸熊直樹
|
17,900
|
|
|
|
|
|
B卓
|
|
|
東
|
新井啓文
|
11,100
|
|
|
南
|
及川奈央
|
25,500
|
|
|
西
|
猿川真寿
|
33,300
|
|
決勝
|
|
|
北
|
荒正義
|
30,100
|
東
|
魚谷侑未
|
33,900
|
|
|
|
南
|
沢崎誠
|
55,500
|
|
|
C卓
|
|
西
|
森山茂和
|
5,700
|
|
|
東
|
岩井勇気
|
32,400
|
北
|
猿川真寿
|
4,900
|
|
|
南
|
村上公成
|
12,500
|
|
|
西
|
鈴木たろう
|
17,900
|
|
|
|
北
|
森山茂和
|
37,200
|
|
|
|
|
|
D卓
|
|
|
東
|
茅森早香
|
15,000
|
|
|
南
|
じゃい
|
16,500
|
|
|
西
|
沢崎誠
|
35,400
|
|
|
|
北
|
水沼利晃
|
33,100
|
|
麻雀最強戦2020
開催日 |
大会名・出場資格 |
ファイナル出場 |
A卓出場者 |
B卓出場者
|
2019/12/14
|
麻雀最強戦2019
|
鈴木大介
|
前年優勝者
|
2020/2/16
|
超攻撃型プロ決戦
|
近藤誠一
|
瀬戸熊直樹 |
鈴木たろう |
猿川真寿 |
前原雄大
|
馬場裕一 |
浅井裕介 |
紺野慎太郎 |
近藤誠一
|
2020/3/28
|
キングオブ鉄人
|
新津潔
|
森山茂和 |
金子正輝 |
新津潔 |
井出洋介
|
阿部孝則 |
荒正義 |
沢崎誠 |
古川孝次
|
2020/4/5
|
プロ雀士ランキングベスト16
|
新井啓文
|
16名によるトップ抜けトーナメント
|
2020/5/10
|
最強の麻雀戦術本プロ決戦
|
滝沢和典
|
滝沢和典 |
鈴木優 |
勝又健志 |
渋川難波
|
白鳥翔 |
松本吉弘 |
石橋伸洋 |
朝倉康心
|
2020/6/27
|
次世代プロ集結 麻雀代理戦争
|
三浦智博
|
三浦智博 |
河野直也 |
岡崎涼太 |
岸赳生
|
大庭三四郎 |
櫛田利太 |
佐治敏哲 |
岩瀬航
|
2020/7/25
|
最強の女流プロニュースター決戦
|
岡田紗佳
|
瑞原明奈 |
丸山奏子 |
水口美香 |
愛内よしえ
|
岡田紗佳 |
田渕百恵 |
和泉由希子 |
仲田加南
|
2020/7/26
|
鉄壁のディフェンスマスター決戦
|
前田直哉
|
村上淳 |
大和 |
鈴木達也 |
前田直哉
|
近藤千雄 |
仲林圭 |
金太賢 |
HIRO柴田
|
2020/8/2
|
タイトルホルダー頂上決戦
|
本田朋広
|
藤崎智 |
坂本大志 |
堀慎吾 |
原浩明
|
森下剛任 |
本田朋広 |
河野高志 |
伊藤優孝
|
2020/8/15
|
著名人最強決戦
|
堀江貴文
|
加賀まりこ |
風間杜夫 |
森川ジョージ |
堀江貴文
|
大村朋宏 |
児嶋一哉 |
加藤哲郎 |
月亭八光
|
2020/9/6
|
タイトルホルダー vs Mリーガー 最強の女流決戦
|
黒沢咲
|
古谷知美 |
西嶋千春 |
逢川恵夢 |
日向藍子
|
高宮まり |
黒沢咲 |
和久津晶 |
茅森早香
|
2020/9/26
|
最強「M」トーナメント
|
二階堂亜樹
|
二階堂亜樹 |
内川幸太郎 |
小林剛 |
萩原聖人
|
佐々木寿人 |
園田賢 |
多井隆晴 |
魚谷侑未
|
2020/10/4
|
著名人超頭脳決戦
|
宮内悠介
|
広瀬章人 |
釼持丈 |
須貝駿貴 |
木原直哉
|
香川愛生 |
片山まさゆき |
福本伸行 |
宮内悠介
|
2020/11/1
|
全日本プロ選手権
|
井上絵美子
|
木原翼 |
新谷翔平 |
酒井俊晴 |
鈴木隆将
|
小平崇弘 |
井上絵美子 |
須藤泰久 |
下石戟
|
2020/11/8
|
全国アマチュア最強位決定戦
|
安部颯斗
|
各予選突破者15名に前年アマチュア最強位を加えた16名によるトップ取りトーナメント
|
2020/12/6
|
ザ・リベンジ
|
多井隆晴
|
白鳥翔 |
堀慎吾 |
朝倉康心 |
鈴木たろう
|
多井隆晴 |
矢島亨 |
仲田加南 |
井出洋介
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
2020/12/12
|
|
2020/12/13
|
|
2020/12/13
|
|
1stA卓
|
|
|
|
|
|
|
|
|
東
|
岡田紗佳
|
24,400
|
|
|
南
|
黒沢咲
|
6,200
|
|
|
西
|
堀江貴文
|
27,800
|
|
2ndA卓
|
|
|
北
|
本田朋広
|
41,600
|
東
|
新津潔
|
|
|
|
|
南
|
本田朋広
|
|
|
|
1stB卓
|
|
西
|
多井隆晴
|
|
|
|
|
東
|
近藤誠一
|
43,200
|
北
|
近藤誠一
|
|
|
|
南
|
新井啓文
|
29,800
|
|
|
|
西
|
滝沢和典
|
10,800
|
|
決勝
|
|
|
北
|
安部颯斗
|
16,200
|
東
|
多井隆晴
|
|
|
|
|
南
|
新井啓文
|
|
|
|
1stC卓
|
|
西
|
井上絵美子
|
|
|
|
東
|
多井隆晴
|
|
北
|
本田朋広
|
|
|
|
南
|
二階堂亜樹
|
|
|
|
西
|
三浦智博
|
|
|
2ndB卓
|
|
|
北
|
鈴木大介
|
|
東
|
堀江貴文
|
|
|
|
|
南
|
新井啓文
|
|
|
|
1stD卓
|
|
西
|
井上絵美子
|
|
|
|
|
東
|
井上絵美子
|
|
北
|
三浦智博
|
|
|
|
南
|
宮内悠介
|
|
|
|
西
|
前田直哉
|
|
|
|
|
北
|
新津潔
|
|
|
|