南口(リニューアル前)
プラットホーム(リニューアル前)
旧貨物専用ホーム
北口にある改札口
御影駅 (みかげえき)は、兵庫県 神戸市 東灘区 御影本町 四丁目にある、阪神電気鉄道 本線 の駅 [ 1] 。駅番号はHS 25 。
概要
快速急行 を除いた全列車が停車する。東海道本線 (JR神戸線 )の住吉駅 (快速 が停車)が比較的至近距離にあり、利用客は当駅より多い。
阪急神戸本線 の御影駅 は約1.2km離れている。徒歩で北へ15分ほど。
当駅北口のバスターミナルと六甲ケーブル線 六甲ケーブル下駅 間を運行するバスは神戸市交通局 (神戸市バス )によって運行されているが、六甲ケーブルは阪神の子会社である神戸六甲鉄道 が運営しており、六甲山 には阪急阪神東宝グループ のレジャー施設があることから、当駅から神戸市営バスを介して六甲ケーブルに乗り換え可能な時間帯に電車が当駅に到着する際「六甲山にお越しの方はバスにお乗換えください」という車内アナウンスが入る。その他、南口の停留所も含めて多くのバス路線が発着し、神戸市有数のバスターミナルとなっている。
当駅高架下には沢の井という井戸が保存され、噴水 も設けられている[ 1] 。かつては飲用可能であったが、阪神・淡路大震災 以後は水質などの問題から飲用禁止となり、「この井戸は水質基準を満たしていません」という趣旨の立て札が神戸市保健所によって設置されている。
2009年 (平成21年)3月20日 に阪神なんば線 が開業し、近鉄奈良線 との相互直通運転 が開始されたが、直通列車である快速急行 は開業後も引き続き当駅を通過する。理由としては、ホームが急カーブ上にあるため(後述 )1両あたり21m級の近鉄車両では停車すると箇所によっては車両とホームとの隙間が大きくなりすぎて乗降に危険が伴うこと、ホーム有効長 が短くはみ出てしまう上に延伸も不可能[ 2] であること等が挙げられている[ 3] 。そのため、近鉄車両の運用も含まれる快速急行は低速で通過する。ちなみに、当駅は直通特急 ・阪神特急・区間特急の停車駅ではあるが、今昔に渡って快速急行停車駅になったことは全くない。
駅南側(旧270台収容駐輪場)は、「バレンタイン 広場」として整備されている。当地近傍に本店がある洋菓子店モロゾフ が[ 1] 、1936年2月12日に東京で発行されていた英字新聞に「バレンタインデーにチョコレートを贈りましょう」という広告を出したことを理由として、当地を日本のバレンタインデー発祥地とみなす説に基づいている。1986年から神戸市と交流のあるイタリア 中部のテルニ 市(聖バレンタイン の出身地とされる都市のひとつ)から、神戸市が許諾を得てバレンタインの名前を冠している。2013年5月3日には、テルニ市からジローラモ市長 (it:Leopoldo Di Girolamo ) を迎え、盛大に記念式典が行われた。
階段状の御影石で囲んだ空間で、中央にはテルニ市の位置を示す陶板が埋め込まれている。聖バレンチノ教会 (it:Basilica di San Valentino ) やステンドグラスの写真を貼り付けて教会をイメージしたものと、同教会の柱を模した、2つのチョコレート色のモニュメントもある。ハート形にくりぬかれたその上部は、中でカップルが手をつなぐようにという想定。さらに、阪神御影南口バス停のシェルターはチョコレート の形となっている。
歴史
1910年の当駅の様子
駅構造
待避設備 を持つ島式ホーム 2面4線の高架駅 [ 1] 。改札口 は地上部にある1か所のみで、2階にあるホームの大阪梅田寄りに通じる[ 1] 。地上・改札・ホーム各階を連絡するエレベーター や身障者用トイレの設置などで、2011年にバリアフリー 化されている(後述)。
プラットホームは急カーブ(半径140mないし160m)上に存在するため、構内の通過速度は35km/hに制限されている。快速急行や回送 などの通過時は低速でも激しい軌鳴りが生じる。停車中の車両とホームのすき間が一部広く空いている上にホームの幅員自体も狭く、阪神の駅の中では特に危険な駅といえる。ホーム幅員が狭いこともあり、空調機器 を設置した待合室 は設けられていない。近鉄車両の試運転 開始後にホームの一部が近鉄車両の通過に支障することが判明し、2008年(平成20年)10月から12月までの間にホームを削る工事が行われた。工事完了後は従来よりもさらにホームが狭くなっている。これらのホームの北側にある短いホーム状の構造物はかつて貨物を取り扱いしていたときに使用していたものである[ 1] 。
元々は1・4番線が待避線、2・3番線が本線であったが、現行ダイヤ では優等列車 は1・3番線に、優等列車の待避を行う普通 は2・4番線に停車している。変更された理由は山陽電気鉄道 5000系 ・5030系 の車体下部の裾絞り幅が阪神車に比べて大きく、曲線でのホームとの隙間を小さくするためである。ただし、1番線が分岐器 の速度制限を受ける配線構造は変わっていない。2番線の大阪梅田寄り1両分は固定柵で仕切られ、急行用車両や山陽車両6両編成は客扱いが不可となっている。当駅に停車しない快速急行も上りに関しては1番線を通過する。
なお、駅の西側には御影留置線 が隣の石屋川駅 まで伸びている。これはかつて阪神が高速別線(第二阪神線 )を建設する計画を進めていた際、この区間を複々線 化する構想があったためである。阪神・淡路大震災では盛土 が崩壊し、留置していた車両が転落(多くは廃車 ・解体)するなど大きな被害を受けた。この御影留置線は1963年頃はまだ設置されていなかった。
2010年度より駅構内のバリアフリー 化を主体とした改良工事に着手。ホームをかさ上げし、車両との隙間を狭くする櫛状ゴムを設置した他、改札口・駅長室・トイレなどを2階へ移設し身障者用トイレを新設、各階を連絡するエレベーターとエスカレーター(改札階~地上のみ)を新設した。さらに駅北側にある商業施設・御影クラッセ と改札階を直結するペデストリアンデッキ を新設するなどした[ 8] 。事業費は約3億円であり、国および自治体 が3分の2を補助した[ 9] 。
のりば
1番線と2番線は神戸三宮方面への発車にも対応している。
御影駅配線図
← 本線 : 大阪梅田方面
→ 本線 : 神戸三宮・元町方面
凡例
出典:[ 10]
利用状況
2023年11月の1日平均乗降 人員 は25,203人 であり、阪神電気鉄道の駅では芦屋駅 に次いで第13位。
各年11月の1日平均乗降人員は下記の通り。
年度
1日平均 乗降人員
出典
2001年
22,942
[ 11]
2002年
22,557
[ 12]
2003年
21,944
[ 13]
2004年
20,647
[ 14]
2005年
20,667
[ 15]
2006年
20,427
[ 16]
2007年
19,762
[ 17]
2008年
22,014
[ 18]
2009年
22,441
[ 19]
2010年
23,046
[ 20]
2011年
24,082
[ 21]
2018年
26,794
[ 22]
2019年
27,313
[ 23]
2023年
25,203
[ 24]
1990年代より利用者数は減少傾向にあり、2007年は2万人台を割り込んでいたが、翌年より増加に転じ再び2万人を超えている。なお、2008年3月20日には駅前に大型商業施設の御影クラッセ が開業している。
駅周辺
バスターミナルのある北口
北口駅前広場
御影クラッセ
日本有数の高級住宅街 である御影山手 と違い、浜手は灘五郷 の酒造りの街であり、どちらかというと下町になる。駅の高架下東側にはアイス最中で有名な「大西商店」があり、西側には昭和初期に建設された当初のスクラッチタイル の腰壁がある「御影マーケット」も残り、一部店舗が営業している。西側高架下は長大な市場 である御影市場「旨水館」となっていて、パンの老舗「マスヤ」を始め庶民派の名店が多い。山手の高級パン店だけでなく、下町の市場にもパンの名店があるところなどはいかにも神戸らしい風情となっている。神戸市立御影工業高等学校 跡地における阪神御影駅前開発の一環として、2008年 (平成20年)3月20日 には大規模商業施設御影クラッセ が開業した。さらに2010年 (平成22年)3月には、47階建ての御影タワーレジデンス が竣工。
周辺施設等
バス路線
神戸市バス
神戸フェリーバス
みなと観光バス
阪神バス
隣の駅
阪神電気鉄道
本線
■ 直通特急・■ 特急
魚崎駅 (HS 23) - 御影駅 (HS 25) - 神戸三宮駅 (HS 32)
■ 区間特急
魚崎駅 (HS 23) ← 御影駅 (HS 25)
■ 快速急行
通過
■ 普通
住吉駅 (HS 24) - 御影駅 (HS 25) - 石屋川駅 (HS 26)
脚注
注釈
^ 駅西側 ローソンストア100 前
^ 駅西側 北行 旧モロゾフ本社付近
^ 駅西側 南行 エディオン北側トヨタレンタリース前付近
^ 駅北側300m 国道2号上
出典
関連項目
外部リンク
(大阪梅田 - 元町間:本線、元町 - 西代間:神戸高速線) 1933年路線切替区間
*打消線は廃駅