広島競輪場
広島競輪場(ひろしまけいりんじょう)は広島県広島市南区宇品海岸にある競輪場。施設所有および主催は広島市。土地所有は中国財務局および広島市。競技実施はJKA西日本地区本部中四国支部。実況はJPFで、通常は和田年弘が担当。2020年よりモーニング競輪を中心に大津尚之も担当している。 概要広島競輪場は1952年に開設された。毎年12月には記念競輪 (GIII) 『ひろしまピースカップ』を開催する(2008年は後述のふるさとダービー開催のため『ひろしまピースカップ』の名称は開催2日目のシード優秀競走に使用された)。なお、2023・24年度の記念競輪は改修工事の兼ね合いもあり玉野競輪場を借り上げて開催される予定。また1989年・1990年・2008年にはふるさとダービーが、1993年・1999年・2003年には共同通信社杯競輪が行われた。 その他、主なFⅠ競走として、現役時代に通算1188勝を挙げた古田泰久[3]を称えた『古田泰久(たいきゅう)記念杯』が開催されている。 1979年2月12日、第6レースの終了後、場内アナウンスと電光掲示板で誤った着順が発表された。5分後に訂正されたが怒った約1万人の群衆が本館や場内の車両に放火して騒然となり、残り4レースは打ち切りとなった。主催者側は交通費の名目で1人あたり3000円を支払うこととした。しかし、なお居残る者が多数いたため、最終的に約2000人については解決金として1人当たり2万円を支払っている[4]。 1994年に広島市で行われたアジア競技大会では、自転車トラックレースの競技会場として使用された。なお2009年のヒロシマ・オリンピック構想においては、当場や広島県総合グランドなど広島湾周辺を「湾岸ゾーン」として定め、競技場を整備する計画が挙がった。 トータリゼータシステムは2022年2月まで、富士通フロンテックを採用していた(但し、オッズ表示や払い戻し金表示に関しては、京都向日町競輪場やいわき平競輪場で使用されているオムロンのフォントが利用されていた)。同年5月の開催より、玉野競輪場と同じフォントの日本トーターのものが採用されている[5]。 また、全国の競輪場において、払い戻しアナウンスが新タイプにリニューアルされているのに対し、2022年現在、2001年以降の3連勝式導入時に採用された旧タイプのアナウンスが全国の競輪場の中で唯一使用されている。なお2015年度より株式会社JPFによる開催事務の包括委託が行われている[6]。なお、2022年度より委託先が株式会社チャリ・ロトに変更された。 2015年4月までに、ホームページに所在地のUjina(宇品)を用いて自転車に乗る選手を表現したピクトグラムの、新しい競輪場ロゴが登場した[7]。さらに同年8月4日には公募によりトリの新オリジナルキャラクターが決定[8]し、『ひろしまぴーすけ』[9]と命名された。 存廃問題開設以来、これまで350億円以上もの収益を上げ広島市の財政に大きく貢献してきた競輪事業であったが、1998年度の10億円の黒字をピークに売り上げは減少し、存続を問う議論に発展した[10]。2013年度には「赤字を継続してまで実施すべきではない」との報告書が提出され、翌2014年には「一度でも単年度赤字に陥った場合は事業を廃止するよう求める」という厳しい答申が松井一實市長(当時)に手渡されたほどであった[10]。そのため、本場開催は1990年代では年間90日あったものの、2015年度にはその半分となる46日にまで縮小した[11]。 この事態を受け、競輪事業を民間事業者に委託した上で、収益を保証する「収益保証額」も設定したことで、広島市には毎年2億4100万円が入るようになった[10]ことで存廃論議はトーンダウンした。加えて、インターネット投票が追い風となって売り上げが回復し再び黒字を出すようになり、2018年度は10年ぶりとなる繰り入れ金を復活させ、3億円が広島市の一般会計に入った[12]。2022年度からは最長34年間の契約で、最低でもおよそ82億円の収入が確保される見通しとなっている[10]。 全面改修へ広島競輪場自体は開場から70年が経過し、施設全体が老朽化していることもあり、所有者でもある広島市は競輪場を建て替えて市民がスポーツやレジャーを楽しめる複合施設に再整備する計画を打ち出した。2021年度中に競輪場の建て替えとともに事業運営を委託する民間事業者を公募し、契約を結ぶ方針を示し[10]、その後2022年1月7日に株式会社チャリ・ロトが民間事業者として選定された[13]。その後、2022年度より同社に広島競輪場の運営が委託されている。 チャリ・ロトの提案によると、競輪場の敷地約6.7ヘクタールを4エリアに分けて整備し、競輪エリアでは1周400メートルのバンクは残しつつ新たに7500人収容の観覧席や選手宿舎を設け、アーバンスポーツエリアではBMX施設や3人制バスケットボールコート、キックバイクなど子ども向けの区域も作り、公園エリアは芝生広場を中心に車券販売所とレストランを建設、拡張エリアは普段は駐車場として使用するが本格的なBMXレースを誘致した際は会場として使えるようにする。今後、2023年1月よりスタンド等施設の解体工事に入り[14]、2025年4月の完成を目標に「アーバンサイクルパークス広島」としてリニューアルすることとなった[15][16]。グランドオープン予定である同年7月までの間は本場開催は休止し場外発売のみとし、2023年度と2024年度の広島市営の開催については他場(主に玉野競輪場[注 1])を借り上げて行われる。 チャリロト2017年5月10日より、重勝式投票にあたるチャリロトを発売している。なお広島は奈良競輪場・玉野競輪場・高松競輪場・高知競輪場とキャリーオーバーを共有する『グループC』としての発売となり、キャリーオーバーの対象外であるチャリロト3は広島単独での発売となる。 同社がネーミングライツを取得し、2019年10月1日より2年6ヶ月の間、「チャリロトバンクひろしま」を広島競輪場・公営競技エリアの呼称として用いる[1]。 バンク400mを使用している。前述の1994年のアジア大会の際に大規模な改修が行われた。クセのないバンクで直線も長いため、脚質による有利不利は少ないが、直線では中バンクより外がよく伸びる傾向がある。また、選手の間では「重いバンク」といわれている。 海に近い場所に所在しており、ホームスタンド側の数百メートル南方は海岸となっている。 エピソード
テレビ・ラジオ番組
アクセス
場外車券売場歴代記念競輪優勝者
※1節4日間制開催となった、2002年4月以降の歴代記念競輪優勝者を列記。 記念の決勝戦発走前に和田ねんこうアナウンサーがその年の流行語に併せて選手を紹介するのが恒例になっている[注 4]。 脚注・出典注釈出典
外部リンク
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