巻 正平(まき しょうへい、1922年5月5日 - 1995年10月13日)は、日本の評論家、翻訳家。
来歴
福島県郡山市に生まれる。
第一高等学校を経て1948年東京帝国大学文学部哲学科卒業、大学時代は出隆に師事。
東洋経済新報社に勤め、1959年カッパ・ブックスより『姦通のモラル』を刊行、一夫一婦制には無理があるとして夫婦の自由恋愛を勧め、嫉妬心を批判した。バートランド・ラッセルの結婚観の影響を受けつつ、博識に裏打ちされた優れた著作である程度売れたが、むろん現状に変化はなく、続編を四部作まで刊行したものの、以後は女性向けの恋愛論や消費者問題に移行。
日本消費者協会勤務の後、消費者問題研究所長[1]。相模女子短期大学教授、相模女子大学教授、同学芸学部長を務めた。現代教養文庫の『恋愛の方法』はロングセラーだった。ポルノ、ノンフィクション、SF作品の翻訳もある。
妻巻歌子(木村うた子)は初期の共同執筆者。
著書
- 『姦通のモラル』(光文社、カッパ・ブックス) 1959
- 『性の現代思想』(講談社、ミリオン・ブックス) 1960
- 『恋愛の方法』(社会思想研究会出版部、現代教養文庫) 1961
- 『現代結婚入門』(巻歌子共著、社会思想社、現代教養文庫) 1962
- 『国産品 メイドインジャパンの実力』(講談社、ブルーバックス) 1965
- 『愛するということ』(三一書房、高校生新書) 1965
- 『若い女性に贈る12章』(大和書房、銀河選書) 1967、のち大和人生文庫
- 『いい品をうまく買う』(文藝春秋、文春実用百科) 1968
- 『驚くべき日本商品 色盲人間のマネジメント』(青春出版社、プレイブックス) 1969
- 『欠陥商品』(三一新書) 1970
- 『消費者革命 消費者運動の理論と展望』(新時代社) 1970
- 『コンシューマリズム 立ち上がる消費者』(日本経済新聞社、日経新書) 1971
- 『日本人の意識改造 常識の鎖国から脱出のすすめ』(双葉社) 1973
- 『人間にとって性とは何か』(社会思想社、現代教養文庫) 1973
- 『保険の秘密 頭のいい<生命・火災・自動車保険>105の活用法』(産報、サンポウ・ブックス) 1973
- 『愛される女性のために 心を惹きつける魅力の条件』(大和出版販売) 1974
- 『なぜ愛されないのか 自分では気づかない15の盲点』(大和書房) 1976
- 『青春=愛と性の世界 これだけは知っておきたい知識と心得』(大和出版) 1977
- 『恋愛カウンセリング』(社会思想社、現代教養文庫) 1977
- 『ヒーブ入門 消費者問題の新しい担い手』(日本経済新聞社) 1977
- 『消費者問題読本』(東洋経済新報社 1978
- 『愛されることば女らしい言葉 愛されるための7つの秘訣』(大和書房) 1978、のち文庫
- 『愛される方法 自分では気づかなかった魅力の演出法』(大和書房) 1976
- 『二人で向かいあって生きるための12章 女としての幸せを求めるあなたに』(大和書房) 1979
- 『大人になる人のシークレット・セミナー Sexの不安を解消する本』(大和出版) 1984
翻訳・編著
参考
脚注
- ^ 巻正平『消費者問題読本』東洋経済新報社,1978年,奥付に記載