小原 佳太(おばら けいた、1986年11月12日 - )は、日本の元プロボクサー。岩手県北上市出身。第37代日本スーパーライト級王者。第36代OPBF東洋太平洋スーパーライト級王者。元WBOアジア太平洋ウェルター級王者。第56代日本ウェルター級王者。三迫ボクシングジム所属。右の強打に定評がある[1]。
来歴
アマチュア時代
岩手県立黒沢尻工業高等学校でボクシングを始め、2004年全国高校総体(インターハイ)でフェザー級3位。高校卒業後、東洋大学に進学。2006年のじぎく兵庫国体成年ウェルター級優勝、2008年チャレンジ!おおいた国体成年ウェルター級優勝。東洋大学ボクシング部の1年先輩にロンドンオリンピックミドル級金メダリストで元WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太がいる。
プロ時代
大学卒業後、三迫ジムに入門。
2010年8月9日、プロデビュー戦で2002年全日本スーパーフェザー級新人王である熊野和義と対戦。初回から右アッパーでダウンを奪い優位に試合を進めたが、5Rに逆転TKO負けし黒星デビューとなった。その後7連勝し日本ランキング1位となる。
2013年4月9日、後楽園ホールで外園隼人を相手に4回2分KO勝ちし日本スーパーライト級王座を獲得した。
2013年12月22日、OPBF東洋太平洋スーパーライト級王座の獲得を目指す為に2度防衛した日本スーパーライト級王座を返上した[2]。
2014年4月14日、後楽園ホールでOPBF東洋太平洋スーパーライト級2位のジェイ・ソルミアノとOPBF東洋太平洋スーパーライト級王座決定戦を行い、4回KO勝ちを収め王座獲得に成功した[3]。
2015年11月7日、フロリダ州マイアミのミッコスーキー・リゾート・アンド・ゲーミングでIBF世界スーパーライト級8位のウォルター・カスティージョとIBF世界スーパーライト級王座挑戦者決定戦を行い、12回1-0(115-113、2者114-114)の判定で引き分けた為、エドゥアルド・トロヤノフスキーへの挑戦権獲得に失敗した[4][5]。
2016年1月10日、OPBF東洋太平洋スーパーライト級王座を返上した[6]。
2016年2月5日、小原陣営とカスティージョ陣営が再戦することで合意したのだがカスティージョ陣営が辞退を申し出たため、IBFは小原と三迫ジムに対し挑戦者決定戦を経ずにエドゥアルド・トロヤノフスキーへ挑戦することを認める通達を出した[7]。
2016年9月9日、モスクワのクリリヤ・ソヴェトフでIBF・IBO世界スーパーライト級王者エドゥアルド・トロヤノフスキーと対戦し、2回1分35秒TKO負けを喫しIBF王座及びIBO王座の獲得に失敗した[8][9][10]。
2017年8月10日、後楽園ホールで行われた「ダイヤモンドグローブ」でナロン・ボーンチャンとWBOアジア太平洋ウェルター級王座決定戦を行い、2回2分43秒TKO勝ちを収め王座獲得に成功した[11][12]。
2017年12月14日、後楽園ホールで行われた「ダイヤモンドグローブ」で藤中周作と対戦し、5回2分19秒KO勝ちを収め初防衛に成功した[13]。
2018年4月12日、後楽園ホールでWBOアジアパシフィック同級8位のアルビン・ラガンベイと対戦し、2回2分36秒KO負けを喫し、2度目の防衛に失敗した[14]。
2018年8月9日、後楽園ホールでアルビン・ラガンベイと再戦し、3回1分8秒TKO勝ちを収め王座に返り咲いた[15]。
2019年3月30日、フィラデルフィアの2300アリーナでIBFウェルター級4位のクドラティーリョ・アブドカクロフとIBF世界ウェルター級挑戦者決定戦を行い、12回0-3(110-118、111-117、113-115)で判定負けを喫しエロール・スペンス・ジュニアへの挑戦権獲得に失敗した[16]。
2019年6月13日、後楽園ホールでジョスマル・ケフィと対戦し、4回58秒TKO勝ちを収めた[17]。
2019年10月26日、後楽園ホールで日本ウェルター級王座挑戦者決定戦として、日本同級2位の垂水稔朗と対戦し、4回2分59秒TKO勝ちを収め、永野祐樹への挑戦権を獲得した[18]。
2020年2月1日、後楽園ホールで日本ウェルター級王者の永野祐樹に挑戦し、7回2分39秒TKO勝ちを収め王座を獲得。日本王座の2階級制覇を達成した[19]。
2021年4月8日、後楽園ホールで日本ウェルター級4位の坂井祥紀と対戦し、10回3-0(96-94×3)で判定勝ちを収め、初防衛に成功した[20]。
2022年10月11日、後楽園ホールで日本ウェルター級暫定王者の小畑武尊と王座統一戦を行い、3回2分35秒TKO勝ちを収め3回目の防衛に成功した[21]。
2022年12月16日、王座を返上した[22]。
2023年4月8日、有明アリーナで開催された『Prime Video Presents Live Boxing 4』にて、WBOアジアパシフィック・ウェルター級タイトルマッチで王者の佐々木尽と対戦。3回1分13秒TKO負けを喫し、タイトル奪取に失敗した[23]。
2023年12月9日、この年限りでの引退を発表。2024年2月13日に後楽園ホールで行われた引退式では「ボクシング人生、幸せだった」と語った。引退後は東京でのジム運営を計画している[24]。
エピソード
戦績
- アマチュア:70戦55勝(30KO・RSC)15敗
- プロボクシング:32戦26勝(23KO)5敗1分
戦
|
日付
|
勝敗
|
時間
|
内容
|
対戦相手
|
国籍
|
備考
|
1 |
2010年8月9日 |
★ |
5R 1:06 |
TKO |
熊野和義(宮田) |
日本 |
プロデビュー戦
|
2 |
2010年12月13日 |
☆ |
1R 0:50 |
TKO |
森眞(赤城) |
日本 |
|
3 |
2011年5月30日 |
☆ |
5R 0:11 |
負傷判定3-0 |
迫田大治(横田) |
日本 |
|
4 |
2011年10月10日 |
☆ |
3R 2:00 |
TKO |
小口幸太(宮田) |
日本 |
|
5 |
2012年1月27日 |
☆ |
2R 2:05 |
TKO |
長島謙吾(角海老宝石) |
日本 |
|
6 |
2012年3月30日 |
☆ |
6R 1:17 |
TKO |
出田裕一(ヨネクラ) |
日本 |
|
7 |
2012年8月13日 |
☆ |
8R 1:25 |
TKO |
丸木和也(薬師寺) |
日本 |
|
8 |
2012年11月14日 |
☆ |
8R 0:33 |
TKO |
外園隼人(帝拳) |
日本 |
|
9 |
2013年4月8日 |
☆ |
4R 2:00 |
TKO |
外園隼人(帝拳) |
日本 |
日本スーパーライト級王座決定戦
|
10 |
2013年8月25日 |
☆ |
3R 2:34 |
TKO |
竹中聡(大鵬) |
日本 |
日本王座防衛1
|
11 |
2013年12月9日 |
☆ |
9R 1:42 |
TKO |
蓮沼テツヤ(角海老宝石) |
日本 |
日本王座防衛2
|
12 |
2014年4月14日 |
☆ |
4R 1:50 |
KO |
ジェイ・ソルミアノ |
フィリピン |
OPBF東洋太平洋スーパーライト級王座決定戦
|
13 |
2014年8月11日 |
☆ |
12R 0:19 |
TKO |
岩渕真也(草加有沢) |
日本 |
OPBF王座防衛1
|
14 |
2014年12月8日 |
☆ |
4R 1:36 |
TKO |
ロデル・ウェンセスラオ |
フィリピン |
|
15 |
2015年4月13日 |
☆ |
6R 1:51 |
TKO |
岡崎祐也(中内) |
日本 |
OPBF王座防衛2
|
16 |
2015年8月10日 |
☆ |
3R 2:06 |
KO |
コムペット・シットサイトーン |
タイ |
|
17 |
2015年11月8日 |
△ |
12R |
判定1-0 |
ウォルター・カスティージョ |
ニカラグア |
IBF世界スーパーライト級挑戦者決定戦
|
18 |
2016年4月14日 |
☆ |
1R 2:31 |
TKO |
ペッダム・トーパランイーシップサーム |
タイ |
|
19 |
2016年9月9日 |
★ |
2R 1:35 |
TKO |
エドゥアルド・トロヤノフスキー |
ロシア |
IBF世界スーパーライト級タイトルマッチ
|
20 |
2017年4月13日 |
☆ |
8R |
判定3-0 |
ラリー・スィウー |
インドネシア |
|
21 |
2017年8月10日 |
☆ |
2R 2:43 |
TKO |
ナロン・ボーンチャン |
タイ |
WBOアジアパシフィックウェルター級王座決定戦
|
22 |
2017年12月14日 |
☆ |
5R 2:19 |
KO |
藤中周作(金子) |
日本 |
WBOアジアパシフィック王座防衛1
|
23 |
2018年4月12日 |
★ |
2R 2:36 |
KO |
アルビン・ラガンベイ |
フィリピン |
WBOアジアパシフィック王座陥落
|
24 |
2018年8月9日 |
☆ |
3R 1:08 |
TKO |
アルビン・ラガンベイ |
フィリピン |
WBOアジアパシフィックウェルター級タイトルマッチ
|
25 |
2019年3月30日 |
★ |
12R |
判定0-3 |
クドラティーリョ・アブドカクロフ |
ウズベキスタン |
IBF世界ウェルター級挑戦者決定戦
|
26 |
2019年6月13日 |
☆ |
4R 0:58 |
TKO |
ジョスマル・ケフィ |
インドネシア |
|
27 |
2019年10月26日 |
☆ |
4R 2:59 |
TKO |
垂水稔朗(協栄) |
日本 |
日本ウェルター級挑戦者決定戦
|
28 |
2020年2月1日 |
☆ |
7R 2:39 |
TKO |
永野祐樹(帝拳) |
日本 |
日本ウェルター級タイトルマッチ
|
29 |
2021年4月8日 |
☆ |
10R |
判定3-0 |
坂井祥紀(横浜光) |
日本 |
日本王座防衛1
|
30 |
2021年12月9日 |
☆ |
5R 2:44 |
TKO |
玉山将也(帝拳) |
日本 |
日本王座防衛2
|
31 |
2022年10月11日 |
☆ |
3R 2:35 |
TKO |
小畑武尊(ダッシュ東保) |
日本 |
日本ウェルター級王座統一戦 日本王座防衛3
|
32 |
2023年4月8日 |
★ |
3R 1:13 |
TKO |
佐々木尽(八王子中屋) |
日本 |
WBOアジアパシフィックウェルター級タイトルマッチ
|
テンプレート
|
獲得タイトル
- 第37代日本スーパーライト級王座
- 第36代OPBF東洋太平洋スーパーライト級王座
- WBOアジア太平洋ウェルター級王座(防衛1)
- WBOアジア太平洋ウェルター級王座(2期目=返上)
- 2019年度日本ウェルター級最強挑戦者
- 第56代日本ウェルター級王座(防衛3=返上)
脚注
関連項目
外部リンク