宝石箱(ほうせきばこ)は、かつて雪印乳業(現:雪印メグミルク)が販売していたアイスクリーム(カップアイス)[注 1]。
白いバニラアイスの中に、カラフルでフルーツの香りが付いた氷粒[注 2]が散りばめられている。
その氷粒を「宝石」に、パッケージ全体を「宝石箱」に例えたコンセプトの商品であった。
発売期間は、1978年[1] - 1983年[2]。
商品概要
発売時の定価は120円[3]。大半のカップ入りアイスは「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(乳等省令)上の分類は「ラクトアイス」であるが、発売当初の本品は「アイスクリーム」であり、カップ入りアイスの中では品質が高かった。このため内容量が同じ他のカップ入りアイスが50円で売られていた中、120円という高級品の部類に入る価格設定となっていた。種類が3種類から7種類に増やされた際、品質を「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」上の分類における「アイスミルク」とし、定価を100円に値下げしている。
天面(蓋)・側面ともに黒を基調とした、紙製の四角いパッケージ(四角錐台を逆さにしたような天面の方がやや広い形状で、角部分はラウンドになっている)[注 3]。
当初のフレーバーのラインナップは、ストロベリー(赤)、メロン(緑)、オレンジ(山吹色)の3種類。その後、チェリー(紫)、モカコーヒー(茶褐色)、レモン(黄)[4]、アップルカクテル(赤と緑のミックス)の4種類も登場し、合計7種類が存在した[5][6][7]。7種類となってからもスーパーマーケット・菓子店・パン店など小売では後発の4種類の販売は少なく、先発の3種類が多く流通していた。
広告・販促
キャッチコピーは「バニラに 香りの宝石 散りばめて」[8]。
1978年(昭和53年)の新発売時のテレビCMには、ピンク・レディーを起用。CMソングは『キャッチ・リップ』(同年6月発売のシングル『モンスター』のB面)の替え歌バージョンであり[3]、60秒版のCMもあった。その後、テレビCM出演者は大地真央に替わった。
キャンペーンとして、実際の宝石(ルビー、エメラルド、シトリンの指環)などの抽選プレゼントも行われていた。
小売店(菓子店やスーパーマーケットなど)のアイスクリーム売り場には、「宝石箱」のパッケージをそのまま大きくしたような(アイスクリーム用の)スプーン入れ(販売促進品)が置かれていたところもあった。
限定復刻
2001年の「たのみこむ」(消費者リクエスト型ショッピングサイト)の開設当初から、復刻リクエストが多数寄せられた[9]ものの、実現には至らなかった。
2002年10月1日、雪印乳業のアイスクリーム事業は、ロッテスノー株式会社(ロッテの合弁会社)へ移行。
2006年、そのロッテスノーが、雪印ブランドによる夢の「宝石箱」が当たるキャンペーンという、限定復刻を行った。
- 対象商品 - 「雪印 北海道バニラバー」(10本入り)で、そのスティックの何%かに当たりがある仕組み。
- 応募方法 - 「かならずもらえるコース 500名」(北海道マークの焼印を1本応募で無条件)、「あつめて当てようコース 1000名」(牛マークの焼印を計4頭分[注 4]集めて応募で抽選)の2通り。前者と、後者の当選者には12個セット(ストロベリー、メロン、オレンジ各4個)がクール便で送られてくるものであった[3][10]。
- 応募期間 - 締切は、2006年12月30日と2007年3月31日の2回であった[3]。
- その他 - 2007年4月、サークルKサンクス(コンビニエンスストアチェーン)が、「昭和なつかしレトロフェア」というキャンペーンにおいて、同12個セットをプレゼント商品にした(Wチャンス賞という位置づけで300名を対象)[11]。
その後2008年4月1日にロッテスノーは、株式会社ロッテアイスとなり、2011年3月末をもって雪印ブランドの使用を終了した。
業務用
ロッテアイス(ロッテスノー時代から)から、2ℓサイズの業務用商品(プライムシリーズ[12]に含まれる)として、「夢の宝石箱メロン」「夢の宝石箱ストロベリー」が販売されていた。しかし、生産終了となり、2011年8月現在は販売されていない[13]。
脚注
注
- ^ 初代3種を除く全て(値下げ後の後期発売品・2006 - 2007年の限定復刻版・業務用)は、分類上アイスミルクであった。
- ^ 香りだけで甘い味は付いていなかったという説もある。
- ^ 宝石箱 の字体は細い白の斜体で、宝 の右下の点は、★になっている。
- ^ 1頭、2頭、3頭の焼印パターンがあった。
出典