国際切手展(こくさいきっててん)とは、切手展のうち、特に世界各国から作品を募る催事をいう。国際展では作品を審査するルールとして国際郵趣連盟(英語版)(略称:FIP)の定めたものを使う切手展が多く、FIP展などと呼ばれる。毎年、FIP加盟国の3~5カ国で持ち回り開催されているが、21世紀に入り、FIP加盟国の郵政組織が民営化される例が増えてきたことに伴い開催数が減少している。
FIPでは一般規則(GREX)第1条にて切手展の開催目的を定めている。
郵趣に関する様々な側面を促進する。具体的には:
FIP審査基準に従って開催される国際切手展に関しては、文献部門を除いては各国におけるFIP基準の国内展に出品の上、75点以上の成績を収めないと出品することができない(GREX第10条)。また出品できる作品の規模(フレーム数で表わされる)についても、過去の成績によって上限が定められている(同第6条)。2021年現在、国際切手展出品の資格を得ることができる日本国内の切手展は全日本切手展と全国切手展、スタンペックスジャパンの3つである。
切手展の主催国が開催記念切手を発行することが多い。切手展では各国郵政組織が出展するため「参加」記念切手を発行する場合がある。たとえば日本で1971年に開催された国際切手展では、日本は発行しなかったが、海外の国で発行されている。
また、本国では発行しない切手を発売する場合がある。日本ではそのような例はないが、日本郵政は2009年4月に発行した切手趣味週間切手を同時期に中国の洛陽で開催された国際切手展の記念を兼ねる形で日中両国の牡丹の絵画を題材にし、同切手展での出展ブースでは日本国内よりもはやく特製消印を押印してその切手を販売している[1]。
日本においては、1971年、1981年、1991年、2001年、2011年と10年おきに開催されてきた。1981年は「東京国際切手展」と称したが、ほかは日本国際切手展と称している。日本国際切手展2001(略称:PHILANIPPON'01)は、「世界が集う 夢がふくらむ 切手の祭典」をテーマに、「写真付き切手」のデモンストレーション販売を実施するなど、郵趣に関わる郵便事業関係者のみならず一般利用者を対象にした幅広いイベントとして開催された。
郵政三事業が2007年10月1日に日本郵政公社から日本郵政に移管され、日本における国際切手展の開催意義も大幅に見直されることになった。2011年に開催された日本国際切手展2011には当時の郵便事業株式会社が主催団体に加わっている。
2021年8月25日から30日にかけて日本国際切手展2021(略称:PHILANIPPON'21)がパシフィコ横浜で開催されたが[2]、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行している時期の開催であったため出展作品が海外から思うように集まらず、全世界より出品作品を募る国際展ではなく出品地域をアジアに限定する(第37回)アジア展の扱いに変更して開催された。これが日本で初めて開催されたアジア展であった。なお名称は元のまま『日本国際切手展2021』であり、日程の変更もなかった[3]。
入場料は回ごとに異なり、1991年は1000円、2001年は無料、2011年は500円、2021年は無料であった。
英語版の国際切手展の一覧(英語版)を参照。
FIPの傘下団体であるアジア郵趣連盟(FIAP)の認定を受けた国際切手展(アジア展)の開催実績・予定は以下の通り。アジア展はアジア・中東地域の加盟国のみ出展資格を得る。
出典:
GENERAL REGULATIONS OF THE FIP FOR EXHIBITIONS (GREX) (PDF)