国鉄タキ10900形貨車(こくてつタキ10900がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
本形式と同一の専用種別であるタキ12000形についても本項目で解説する。
タキ10900形
タキ10900形は、糖蜜専用の35t 積タンク車として1968年(昭和43年)5月31日に1両(コタキ10900)、1979年(昭和54年)6月25日に2両(コタキ10901 - コタキ10902)の合計3両が川崎重工業1社のみにて製作された。
記号番号表記は、特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
本形式の他に糖蜜を専用種別とする形式にはタ1150形(3両)、タム2000形(3両)、タム22000形(1両)、タキ1600形(初代、16両)、タキ3600形(13両)、タキ12000形(3両、後記)の6形式が存在した。
所有者は三菱商事、日本甜菜製糖であり、その常備駅は神奈川県の新興駅、北海道の帯広駅であった。
タンク体は、普通鋼(一般構造用圧延鋼材 SS41、現在のSS400)製であり、内部に蒸気加熱管を装備した。荷役方式はタンク上部にある積込口からの上入れ、吐出管からの下出し式である。
車体色は黒色、寸法関係は全長は9,640mm、全幅は2,520mm、全高は3,697mm、台車中心間距離は7,000mm、実容積は26.9m3、自重は15.8t、換算両数は積車5.0、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR41C、TR213である。
1986年(昭和61年)10月31日に最後まで在籍した2両(コタキ10901 - コタキ10902)が廃車となり同時に形式消滅となった。
タキ12000形
国鉄タキ12000形貨車 |
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基本情報 |
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車種 |
タンク車 |
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運用者 |
日本国有鉄道 |
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所有者 |
三菱商事 |
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製造所 |
日本車輌製造 |
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製造年 |
1968年(昭和43年) |
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製造数 |
3両 |
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消滅 |
1984年(昭和59年) |
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常備駅 |
新興駅 |
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主要諸元 |
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車体色 |
黒 |
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専用種別 |
糖蜜 |
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軌間 |
1,067 mm |
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全長 |
10,800 mm |
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全幅 |
2,400 mm |
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全高 |
3,699 mm |
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タンク材質 |
耐候性高張力鋼 |
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荷重 |
35 t |
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実容積 |
26.9 m3 |
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自重 |
14.7 t |
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換算両数 積車 |
5.0 |
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換算両数 空車 |
1.4 |
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台車 |
TR41C |
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車輪径 |
860 mm |
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軸距 |
1.650 mm |
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台車中心間距離 |
7,000 mm |
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最高速度 |
75 km/h |
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テンプレートを表示 |
タキ12000形は、糖蜜専用の35t 積タンク車としてタキ10900形落成の後を追うように3箇月後の1968年(昭和43年)8月26日に3両(コタキ12000 - コタキ12002)が日本車輌製造にて製作された。
記号番号表記は、特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
所有者は三菱商事1社のみであり、その常備駅は神奈川県の新興駅であった。
タンク体は耐候性高張力鋼製であり、内部に蒸気加熱管を装備した。荷役方式はタンク上部にある積込口からの上入れ、吐出管からの下出し式である。
車体色は黒、寸法関係は全長は10,800mm、全幅は2,400mm、全高は3,699mm、台車中心間距離は7,000mm、実容積は26.9m3、自重は14.7t、換算両数は積車5.0、空車1.4であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cであった。
1984年(昭和59年)3月30日に最後まで在籍した1両(コタキ12002)が廃車となり(コタキ10900と同日)同時に形式消滅となった。
参考文献
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
関連項目
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「タ」級 | |
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「タム」級 | |
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「タラ」級 | |
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「タサ」級 | |
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「タキ」級 | |
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「*」印はJR貨物に引き継がれた形式/「JRF」は民営化後の新形式
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