台湾語仮名(たいわんごかな、タイヲァヌギイカナ、臺灣語假名)とは、日本統治時代の台湾で試みられた、台湾語の発音を表記するための仮名を使った振り仮名。台湾語の発音には有気音や鼻母音など、日本語の表記では区別しない発音があり、これらを仮名を使って表せるように考案されたものである。声調は仮名の隣に特殊な記号を付けて示せるようになっている。総督府は台湾各所の発音を調べ、結果として西洋宣教師の影響を受け、いわゆる廈門音を基準にした。
『日台小字典』(1898年)、『日台新辞典』(1904年)、『日台大辞典』(1907年)、『日台小辞典』(1908年)、『台日新辞書』(1931年)、『台日大辞典』(上巻1931年、下巻1932年)、『台日小辞典』(1932年)、『新訂日台大辞典』(上巻1938年、下巻未発行)などの辞書や数多くの台湾語学習教材などの出版実績があり、官民問わず広く使用されていた。
台湾語仮名の表記法は、時代と共に改良と考えられる若干の変化が加えられており、また、書籍によっては細部が異なる場合がある。ここでは、主に台湾総督府の後期の大型刊行物(『台日大辞典』および『新訂日台大辞典』)で見られる表記法に従う。
以下に図例を示す。より詳細な符号の形状については、台湾総督府編の「日本国民読本」や「台日大辞典」等の書籍を参照のこと。
※台湾総督府《臺灣教科用書國民讀本一》第七課より
一部の台湾語の教本においては発音のカナ転写に台湾語仮名を応用したものも存在する。ただし台湾語仮名をそのまま用いた場合は可読性に難があるなどの理由で簡略化が行われる例もある[1]。
コンピュータ上で台湾語仮名を表現するには、通常の片仮名の他に線や点で修飾した片仮名、小書き片仮名、八声符号(独自の声調記号)の存在により、これまで、テキストデータだけでの表現は困難であり、例えば、文字修飾の機能を使う、文字サイズを変更する、画像を埋め込むといった特別な対処が必要であった。しかし、近年のUnicodeのサポート範囲の拡大により、適切な対応するフォントを使用すれば、テキストデータだけでの表現も可能な状況となった。
2019年3月5日に公開のUnicode 12.0に小書きヲ(ヲ)が追加された。ただし、これは、本ページでは未対応なフォントが多いことを考慮してを文字サイズを小さくすることで表現している。
2021年9月15日に公開のUnicode 14.0に八声符号が追加された(下表参照)[2]。ただし、これは、本ページでは未対応なフォントが多いことを考慮して画像埋込で表現している。
なお、上記Unicodeにおける近年の追加以前に、今昔文字鏡(廃盤)には八声符号や一部の特殊な片仮名が収録されていた。
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