井上 真偽(いのうえ まぎ[1])は、日本の小説家、推理作家。年齢不明、性別も不明。東京大学工学部卒業[2]。神奈川県出身[3]。『恋と禁忌の述語論理』で第51回メフィスト賞を受賞する。
経歴・人物
2014年、『恋と禁忌の述語論理』で講談社が主催する第51回メフィスト賞を受賞する[4]。2015年、同作が講談社ノベルスより刊行され、小説家デビューを果たす[5]。デビュー作は、数理論理学を主軸に置いた作品であるが、あくまでも小説としての面白さを追求した、と語っている[5]。2016年、『その可能性はすでに考えた』が第16回本格ミステリ大賞の候補に選ばれる[6]。2017年、『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』が第17回本格ミステリ大賞の候補に選ばれる[7]。同年、『言の葉の子ら』が第70回日本推理作家協会賞〈短編部門〉の候補作に選ばれる[8]。
講談社ノベルスで好きな作品として、京極夏彦『姑獲鳥の夏』、森博嗣『すべてがFになる』、西尾維新『クビキリサイクル』を挙げている[5]。剣道部に所属していた中学生のときに、「黒板に掌編小説を書く」という遊びで書いたのが、初めて書いた小説だという[5]。当初は、マイクル・ムアコック「エルリック・サーガ」、ピアズ・アンソニイ『魔法の国ザンス』などのファンタジー作品を読んでおり、翻訳ものが多かったため、妙に硬い文章を書いていたが、『クビキリサイクル』を読んだことがきっかけで、「日本語はもっと自由なんだ」ということに気づいたという[5]。ミステリに目覚めてからは、島田荘司『斜め屋敷の犯罪』や綾辻行人『十角館の殺人』に大きな衝撃と影響を受けたという[5]。
ミステリ・ランキング
- 週刊文春ミステリーベスト10
- 2015年 - 『その可能性はすでに考えた』15位
- 2016年 - 『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』10位
- 2023年 - 『アリアドネの声』5位
- このミステリーがすごい!
- 2016年 - 『その可能性はすでに考えた』14位
- 2017年 - 『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』11位
- 2018年 - 『探偵が早すぎる』22位
- 2021年 - 『ムシカ 鎮虫譜』38位
- 2024年 - 『アリアドネの声』5位
- 本格ミステリ・ベスト10
- 2016年 - 『その可能性はすでに考えた』5位
- 2017年 - 『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』1位
- 2018年 - 『探偵が早すぎる』11位
- 2020年 - 『ベーシックインカム』18位
- 2024年 - 『アリアドネの声』30位
- ミステリが読みたい!
- 2016年 - 『その可能性はすでに考えた』5位
- 2017年 - 『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』9位
- 2018年 - 『探偵が早すぎる』16位
- 2024年 - 『アリアドネの声』6位
- 黄金の本格ミステリー
- 2016年 - 『その可能性はすでに考えた』選出
- 2017年 - 『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』選出
作品リスト
〈その可能性はすでに考えた〉シリーズ
単発作品
アンソロジー
「」内が収録されている井上真偽の作品
著者名本未収録短編
- 青い告白 (『小説推理』2019年2月号)
- 白い初恋 (『小説推理』2024年2月号)
エッセイ
- お取り寄せの血脈 (『文藝春秋』2016年1月号)
- 特別料理 (『小説すばる』2016年1月号)
- 迷宮解体新書 第94回 (インタビュー記事、『ミステリマガジン』2016年9月号)
対談
- 新世代ミステリ作家探訪 旋風編(2023年11月 光文社)
漫画化作品
- 探偵が早すぎる(漫画:三月薫、全2巻 2018年8月 - 2019年4月 マガジンエッジKC)
脚注
出典
- ^ 楽天ブックス:恋と禁忌の述語論理 - 井上真偽 - 4062990385:本
- ^ 『恋と禁忌の述語論理』 井上真偽 講談社ノベルス|講談社BOOK倶楽部
- ^ 井上真偽|エルパカBOOKS
- ^ 恋と禁忌の述語論理 井上真偽 著 本・コミック|オンライン書店e-hon
- ^ a b c d e f 『恋と禁忌の述語論理(プレディケット)』井上真偽|講談社ノベルス|講談社BOOK倶楽部
- ^ 本格ミステリ作家クラブ
- ^ 本格ミステリ作家クラブ twitter
- ^ お知らせ|日本推理作家協会
- ^ 文庫化時に「もう一度、君と」に改題
- ^ 文庫化時に「ベーシックインカムの祈り」に改題
関連項目