三精テクノロジーズ株式会社(さんせいテクノロジーズ、英: Sansei Technologies, Inc.)は、舞台設備、遊戯機械、エレベーター等の設計・製造を行う日本の企業。
概要
舞台機構・遊戯機械・昇降機の3事業をコアとしており、企画・設計・製作・施工・保守・改修までを一貫して手掛けることで、「笑顔と感動、そして安全で快適なくらし」を提供するとしている[1]。設立当初はエレベーターなどの輸送機械の製造が主力事業だったが、現在は舞台機構や遊戯機械に軸足が移っている[2]。
社名の三精とは、太陽・月・星の3つの天体を指し、広大無辺の宇宙のように大きく成長したいという願望を込めたものである[3]。
遊戯機械事業において世界トップレベルのシェアを誇り[4]、国内外問わず幅広い納入実績がある。また、売上高でも米国のS&S WorldwideとオランダのVekoma Ridesを合わせたグループ3社で世界トップである[5]。舞台機構事業は官公庁向けで6割、民間向けでは9割以上の国内シェアを握る[6]。
遊戯機械の多くは国内のテーマパーク・遊園地向けに製造しており、1952年に日本で初めてとなる国産ジェットコースター「ウェーブコースター」を宝塚新温泉(後の宝塚ファミリーランド)に納入した[7]。また、ウォルト・ディズニー・イマジニアリングとユニバーサル・ディスティネーション&エクスペリエンスは最大の得意先であり、世界各地のディズニーパークやユニバーサル・スタジオ・テーマパークに同社の遊戯機械が納入されている。
舞台機構は創業翌年の1952年から製造を開始し、舞台機構の老舗メーカーとして、日本を代表する劇場や文化ホールの多くと取引がある。1958年に舞台機構をフェスティバルホールに納入し、舞台機構メーカーとしての基盤を築いた[注釈 1]。以降、関西の宝塚大劇場や国立文楽劇場、東京の帝国劇場や歌舞伎座など約2千の劇場やホールに舞台装置を納入している。2016年1月に開業したロームシアター京都には、ワイヤーロープを巻き取るドラムを横型から縦型に変えた省スペースの装置を初納入した[8]。
昇降機事業では、新国立劇場の高さ11mのエレベーターがギネス世界記録に認定されているなど[9]、特色のある製品を多く製造している。
1970年の大阪万博では、エレベーターやエスカレーター、動く歩道をはじめ、舞台機構やジェットコースター、急流すべりなどの各種遊戯機械を多数提供しているほか、モントリオール万博やつくば科学万博、21世紀都市博、横浜博、国際花と緑の博覧会、愛・地球博での実績も豊富である[10]。
沿革
- 1951年2月27日 - エレベーター・コンベアー・ロープウェイ・遊戯機械・その他各種輸送機械の製造販売を主たる業務として、東京都港区芝田村町に本社を、大阪市城東区蒲生町に工場を設け資本金40万円にて設立、発足した。
- 1952年
- 2月 - 機械と繊維取扱いの株式会社三精商会を吸収合併。
- 3月 - 舞台機構の設計製作を開始。
- 1956年3月 - 大阪市城東区今福中二丁目に本社を移転し、前本社を東京事務所とした。
- 1964年11月 - 大阪証券取引所市場第二部に株式を上場。
- 1968年12月 - 大阪市城東区茨田諸口町(従来の第2工場)に本社を移転。
- 1972年6月 - 同社所有三精ビルの管理業務を担当する三精不動産設備株式会社(現・連結子会社)設立。
- 1973年
- 1975年
- 5月 - 中部以西地域のメンテナンス業務を担当する株式会社サンセイメンテナンス(現・連結子会社)設立。
- 7月 - 関東以北地域のメンテナンス業務を担当するサンセイメンテナンス株式会社(現・連結子会社)設立。
- 1976年10月 - レジャー・サービス業務を担当する株式会社サンエース(現・連結子会社)設立。
- 1997年6月 - 福知山工場の荷造発送業務を担当する福知山三精株式会社設立。
- 2003年8月 - 福知山三精株式会社を経営効率の向上のため、三精不動産設備株式会社を存続会社として合併。
- 2005年11月 - 遊戯施設営業部門を株式会社サンエースに営業譲渡。
- 2006年4月 - 株式会社サンエースの小型遊戯施設営業部門を営業譲渡。
- 2008年5月 - 設計・製造・研究開発を一体化した神戸事業所を神戸市北区に開設し、それに伴い福知山工場閉鎖。
- 2011年6月 - 株式会社サンセイメンテナンスを完全子会社化。
- 2012年
- 5月 - テレビ局・コンサート会場等において電飾・機械装置の製作・施工・操作を手掛ける株式会社テルミックを完全子会社化(現・連結子会社)。
- 7月 - 米国内において、持株会社 Sansei Technologies, Inc.を設立(現・連結子会社)。
- 11月 - 遊戯機械の設計・製造・施工・販売を手掛ける米国企業 S&S Worldwide, Inc.を完全子会社化(現・連結子会社)。
- 2014年1月 - 三精テクノロジーズ株式会社に社名変更。
- 2015年1月 - 保守改修部門を含め、本社機能を吹田市江坂町から大阪市淀川区へ移転・統合。
- 2018年3月 - 遊戯機械の設計・製造・施工・販売を手掛けるオランダ企業 Vekoma Rides B.V.を完全子会社化(現・連結子会社)。
主な製品
- 舞台機構
- 床機構
- 吊物機構
- 音響反射板
- 制御機構
- 用途別舞台機構
- 遊戯機械
- 急流すべり
- ジェットコースター
- 回転型ライド
- ファミリーライド他
- ミニコースター
- ダークライド
- 乗用人型変形ロボット
- 4足歩行型ライド
- 昇降機
- 階段室型エレベーター
- 住宅用エレベーター
- エスカレーター
- 乗用エレベーター
- 特殊エレベーター
- 寝台用エレベーター
- 荷物用エレベーター
- 特殊機構
主な納入実績
舞台機構
官公庁
など
民間
など
海外
など
遊戯機械
以下は、同社子会社のS&S WorldwideとVekoma Ridesが設計・製造したものの納入先も含む。
国内
など
海外
など
昇降機
など
特殊機構
など
事業拠点
- 本社(大阪府大阪市)、神戸事業所(兵庫県神戸市)、東京支店(東京都新宿区)、東京支店分室(東京都江東区)
- 札幌営業所(北海道札幌市)、青森営業所(青森県青森市)、秋田営業所(秋田県秋田市)、仙台営業所(宮城県仙台市)、金沢営業所(石川県金沢市)、名古屋営業所(愛知県名古屋市)、広島営業所(広島県広島市)、九州営業所(福岡県福岡市)
- 東日本集中監視センター(東京都新宿区)、西日本集中監視センター(大阪府大阪市)
関連会社
脚注
注釈
- ^ 同社は2013年のリニューアル時にも舞台機構を手掛けている。
出典
外部リンク
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AMマシン事業部 正会員 | |
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施設営業事業部 正会員 | |
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遊園施設事業部 正会員 | |
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AMマシン事業部 賛助会員 | |
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関連団体 | |
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