1948年から1970年までの東独社会主義時代において、ヴァルター・フォイリッヒがルーカス教会共同体牧師として在職していた。彼はドイツ民主共和国・ドイツ福音主義教会連盟(Bund der evangelischen Kirchen in der DDR)内で「社会主義の中にある教会」路線を担った代表的牧師の1人であった。「社会主義の中にある教会」路線とは東独という国家の存在を否定せずに認め、キリスト教会とキリスト者は東独社会主義国家と共に生きることを主張した。さらに、社会主義国家とキリスト教会が共に責任を担うことでもあり、その結実として1978年にはエーリッヒ・ホーネッカーと東独教会代表の友好的会談がおこなわれた。なお、この東独教会の「社会主義の中にある教会」路線にはドイツ社会主義統一党(SED)への政治的迎合に過ぎないとの批判がドイツ国内にあった[2]。
^Joachim Winkler (2008), Stadt Dresden (ed.), "Die Lukaskirche"(PDF), Verlorene Kirchen: Dresdens zerstörte Gotteshäuser. Eine Dokumentation seit 1938 (ドイツ語), Dresden, pp. 60–66, hier 63/64