ラリー・フィンランド(Rally Finland)は、フィンランドで開催される世界ラリー選手権 (WRC) のイベント。旧称1000湖ラリー (1000 Lakes Rally) 。毎年50万人が訪れる北欧最大のモータースポーツの祭典である。
特徴
1951年にラリー・モンテカルロの予選「ユヴァスキュラン・スールアヨット(ユバスキュラ・グランプリ)」としてスタートし、1959年には「1000 Lakes Rally(1000湖ラリー)」としてヨーロッパラリー選手権 (ERC) の1イベントとなる[1]。1973年からはWRCのレースに組まれる。1994年以降現在に至るまで、フィンランドの石油会社ネステが冠スポンサーを務めている。2020年は新型コロナウイルスの影響により、開催中止となった[2]。
2021年も感染症の影響はあったが10月に延期しての開催となった。また同年はラリー・スウェーデンが中止となり、その代替として国内選手権であるアークティック・ラリー・フィンランドもWRCのイベントとして開催された。
開催地はフィンランド中部の学園都市ユヴァスキュラの周辺。美しい湖と針葉樹の森に囲まれた林道を走るグラベルコースだが、平均速度は135km/h[3]、最高速度は200km/h以上[4]に達するWRC屈指の超高速イベントであり、しばしば「フィンランドグランプリ」と形容される[3]。道幅は広く路面も岩盤質で固く平坦なためスムーズで、ヤンプス[5]と呼ばれる多数のジャンピングスポットや、先の見通せないカーブやクレスト(起伏)が連続する。高速ジャンピングスポットでは20〜30m級の大ジャンプが見られるが[6]、着地地点の先にコーナーがあることが多いため、進入角や空中姿勢のコントロールが要求され、精密なペースノートも必要とされる[3]。
名物ステージとして知られる「オウニンポウヤ[7][8]」は平均速度が高すぎるとして2分割されたりルートから外されてしまったが、2012年に33kmのロングステージとして復活した[9]。スタートから6km地点にあるジャンピングスポットには飛距離測定用の標識が立てられ、2003年にはマルコ・マルティンが57mの最長記録を残している[10]。
地の利がある北欧勢が強いラリーとして知られているが、グロンホルム引退後の2008年以降は若干その傾向が薄れ11年間で5勝にとどまっている。それでも北欧以外出身の優勝者は未だ7人と少ない。
長年マルク・アレンが最多勝記録である6勝及び連覇記録3連覇を保持していたが、1994年〜98年にかけてトミ・マキネンが連覇記録を5に更新し、2007年にはマーカス・グロンホルムが7勝目を飾って最多勝記録を更新した。
歴代優勝者(1973年以降)
脚注
外部リンク