マーハーン航空(ペルシア語: هواپیمایی ماهان、英語: Mahan Air)は、イランの民営航空会社である。国内線及び中近東、ヨーロッパ、南アジア、東南アジア、東アジアへの国際線を運航している。
沿革
当社は1992年に設立された。翌1993年、イラン初の民営航空会社として運航を開始。2001年、IATAに加盟。親会社はモウリーヨルモヴァヘディーン財団で96%の株式をもつ。従業員は、2007年3月現在で1,616名である。当初は99名乗りのツポレフ154型機を2機保有し、テヘランと国内の2ヶ所を結ぶ路線を運航していた。当社が実質的に成長をはじめたのは、1999年の広胴機・エアバスA300型機、2001年のエアバスA310型機が導入されて以降のことである[1]。これによって当社は当時運航していた域内目的地を越えて路線を拡張することが可能となったのである。イランにおける市場シェアでは、国内線において8%[1]、国際線において13%[2] である。
2016年に欧米諸国からの経済制裁が解除されたことで、老朽化する一方だったイランの航空各社の機材が新調される契機を迎えたが、2018年になるとトランプ大統領が核合意離脱を表明したためにイランへのアメリカ製品輸出が再び禁止され[3]、新機種導入は中断した。
就航都市
2020年5月現在、以下の都市に就航している。
保有機材
アメリカ政府による制裁により、イランの航空会社の旅客機は機齢が高い。ボーイングやエアバスから直接機材を購入することが出来ず、第三者を通じての購入または中古機材の導入となる。2016年1月、経済制裁解除をうけてイラン政府はボーイング・エアバス両社からの新機材導入の計画があり、マーハーン航空でも例外ではなく国営のイラン航空とともにアメリカを含む北米への乗り入れを行う狙いがある。機材ではB737NG~B777-300ER、A320neo~A380クラスが妥当としている。2022年現在、マーハーン航空の機材は下記の通りである[5]。
機体記号の国籍記号はEP-がイラン、EK-がアルメニア、EX-がキルギス、F-がフランスである。
安全問題
2007年9月11日、欧州委員会はマーハーン航空をEU域内乗り入れ禁止航空会社に加えた[6]。乗入れ禁止は一定の制限を設けている。たとえば、マーハーン航空がEU基準を満たす他の航空会社などからウェットリースした機材による乗入れが可能である。2008年7月25日に安全性が確認されたとして解除された。
その他
2005-2006年シーズンのイランプレミアリーグにおいてサッカークラブ・ペルセポリスFCを支援した[要出典]。
アメリカ合衆国政府は、マーハーン航空をイスラム革命防衛隊を支援しているとして、制裁対象としている。[7]
そのため、マーハーン航空は現在、ヨーロッパ各国へ就航できない状況が続いている。[8]
外部リンク
文献