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この項目では、魚について説明しています。アメリカのニュースキャスターについては「ローリー・マツカワ」を、その他の松川については「松川」をご覧ください。 |
マツカワ(松皮・松川、学名:Verasper moseri)は、カレイ目・カレイ科に分類される魚の一種。別名「タカノハガレイ」、「ヤマブシガレイ」、「ムギガレイ」、「シロマツカワ」、「キマツカワ」など[1]。
分布
茨城県沖、若狭湾以北、北日本海、南オホーツク海、太平洋に分布する[1]。
特徴
体長は60 - 80 cmに達する大型種[2]。背びれ、しりびれ、尾びれには黒色の横帯がある(近縁種のホシガレイには黒色の斑紋がある)[1]。背びれは76-87軟条、しりびれは53-68軟条[1]。マツカワという名前は、松の皮に皮膚の模様が似ている(松の皮のようにざらざらとしている[2])ことにちなむ[3]。
産卵期は11月から4月にかけてとなる[1]。
肉食性で、甲殻類、ゴカイ類、貝類などを捕食する。
人間との関係
希少価値が高く[4]、歯ごたえのある上質な肉質から[3]「カレイの王様」[3][4][5]、「幻のカレイ」の異名を持つ[4]。北海道の日高・胆振・渡島管内の沖合で獲れた35センチメートル以上の個体は「王鰈」のブランド名で流通する[3]。通年でカレイの刺し網漁が行われる苫小牧市沖では、10月から12月がマツカワの旬で、11月がマツカワの水揚げの最盛期となる[3]。
希少種であり、養殖や種苗放流なども行われている[6]。稚魚の放流が漁獲量の安定に結び付いている、日本では希少な魚種である[2]。北海道では1980年代に漁獲量が年間1 tを割り込むまで落ち込んだことから、2006年にマツカワの養殖と放流に着手し、2008年以降は年間100 t以上の漁獲を維持している[2]。また、道の漁師は、売り上げの一部を稚魚の育成のために基金としている[3]。青森県ではニジマスに次ぐ養殖魚として普及に努め[4]、青函トンネルからの湧水を使った養殖を行っている[7]。
カレイ類は煮付けにするのが一般的であるが、マツカワは濃厚な旨味を有することから[2]、刺身[2][3]やカルパッチョにして食す[3]ことも多い[2]。創作料理としては、西京漬けや塩麹漬けなどが考案されている[8]。
参考文献
- ^ a b c d e 多紀保彦・河野博・坂本一男・細谷和海『新訂 原色魚類大圖鑑 圖鑑編』北隆館、2005年12月15日。ISBN 4-8326-0820-7。 p.927
- ^ a b c d e f g “<北の食☆トレンド>漁獲1トンから回復、栽培漁業の優等生マツカワ ブランド価値向上へ続く挑戦”. 北海道新聞 (2022年12月25日). 2023年7月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “苫小牧で“カレイの王様”マツカワの水揚げ最盛期”. NHK札幌放送局 (2022年11月10日). 2023年7月22日閲覧。
- ^ a b c d “高級魚、マツカワの稚魚、今季初出荷”. デーリー東北 (2023年7月14日). 2023年7月22日閲覧。
- ^ 青森テレビ (2023年7月17日). “希少な高級魚「マツカワ」全国で唯一稚魚の養殖事業に取り組む階上町で今年度の出荷行われる”. TBS NEWS DIG. TBS・JNN NEWS DIG合同会社. 2023年7月22日閲覧。
- ^ web魚図鑑 - マツカワ
- ^ “高級カレイ「マツカワ」量産 青函トンネルの湧き水利用”. 日本経済新聞 (2022年9月9日). 2023年7月22日閲覧。
- ^ “外ヶ浜町で養殖のマツカワ 新メニューがお披露目”. NHK青森放送局 (2023年2月22日). 2023年7月22日閲覧。