ポエトリーリーディング(英語: poetry reading)は、主に詩人が自作の詩を読み上げる行為を指す。20世紀後半からはライブハウスなどの会場で詩を朗読するパフォーマンスを意味する場合もある。
歴史
ポエトリーリーディングで詩を読む際には、「間(ま)」も明確になるよう心掛けられる[1]。アメリカ合衆国のニューヨークを中心にした東海岸においては1950年代以降、ジャック・ケルアックやアレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズ[注釈 1]に代表されるビートニクと呼ばれた詩人、小説家の朗読形態がポエトリーリーディングの中心となった。マンハッタンのローワー・イースト・サイドにあるセント・マークス教会(英語版)やニューヨリカン・ポエトリーカフェなどでは、職業詩人のほか、一般市民が自作の詩を詠む姿が見られる。一方、アメリカ西部からヨーロッパにおいては、演出を凝らした形態のものも見受けられる。アフロアメリカンのポエトとしては、マヤ・アンジェルー、アミリ・バラカらがいた[2]。さらに、ザ・ラスト・ポエッツ[注釈 2]、ギル・スコット・ヘロン[注釈 3]、UKレゲエ系のポエト、リントン・クウェシ・ジョンソンは、ポエトと音楽の両面で活躍した。
日本においては、1960年代以降に白石かずこ、谷川俊太郎、吉増剛造などの詩人が、オープンマイク、フリースタイルのパフォーマンスを行い、ときには音楽家の生演奏とのコラボレーションも含めて活動した[3]。1990年代以降は、他の芸術ジャンルとのコラボレーションが盛んになり、ラップの流行からの影響を受けたほか、1997年開始の「詩のボクシング」は、2010年代の日本国内でのポエトリースラム(英語版)等のトーナメント形式のリーディングの浸透につながった[4]。日本のポエトリーリーディングの人物・団体としては、福島泰樹、ドリアン助川と叫ぶ詩人の会、Snu-pay Pants、不可思議/wonderboy、クリトリック・リスなどもあげられる。
脚注
注釈
- ^ 1914年 - 1997年。代表作は「裸のランチ」。1950年代のビート・ジェネレーションを代表する作家の一人
- ^ マルコムXの強い影響を受けたラジカルなグループであり、ラップの元祖の例との見方もある。イスラム教、アフリカ文化、黒人ナショナリズムの傾向も強い
- ^ 『ウィンター・イン・アメリカ』など、良質なアルバムを多く発表した。
出典
参考文献
関連項目