ボーンホルム島 (ボーンホルムとう、デンマーク語 : Bornholm [pɒːnˈhʌlˀm] 、古ノルド語 : Burgundarholmr )は、バルト海 にあるデンマーク 領の島 。スウェーデン 南部スコーネ県 とドイツ 、ポーランド に挟まれている。人口は約4万人。行政面ではデンマーク首都地域 のボーンホルム基礎自治体を成している。かつてはボーンホルム島と周辺の小島でボーンホルム県 (英語版 ) を成していた。「バルト海の宝石」と称される[ 1] 。
概要
レネ
ハンメルシュス遺跡
ボーンホルム島は、東ゲルマン語群 のブルグント族 の故地であると言う伝承もあり、地名や考古学上の証拠による裏付けがある。300年 頃、「ブルグント族の島」の意味する名前を持つボーンホルム島から突如人々の姿が消え、ほとんどの共同墓地が使われなくなり、少数のいくつかの墓だけが使われるようになった[Stjerna, in Nerman 1925:176] 。
1658年 のロスキレ条約 で、一時スウェーデン領となったが、1660年 のコペンハーゲン条約 で再びデンマーク領となっている(北方戦争 )。
デンマーク本土には遠く、コペンハーゲン からのフェリー では4時間かかる。このため、コペンハーゲンからは、フェリー連絡バスか鉄道でスウェーデン領土を経由してスコーネ県のイースタッド から高速船で行くのが普通である。また、ドイツ、ポーランド側からのフェリーもある。フェリーターミナル、ボーンホルム空港 (英語版 ) のある中心都市レネ から島内各地にバス 便がある。コペンハーゲンの空港から飛行機だと40分ほどで、デンマーク内その他の地方空港に飛ぶ便もある。
ボーンホルム最大の町は島の西岸にあるレネで人口約1万4000人。他に大きな町は、ネクセ Nexø 、オーキアケビュ Aakirkeby 、スヴァネケ Svaneke 、グイェム Gudhjem 、アリンエ=サンヴィ Allinge-Sandvig など。主な見所は、ハマスフース Hammershus の教会 遺跡 、島内に多く見られる円形教会 (英語版 ) (エスタラース Østerlars が代表的)、クリスチャンス Christiansø 島の要塞 など。
産業 は農業 、特に畜産 が盛んで、良質の乳製品 を産する。ちなみに、デンマーク産のブルーチーズ の半分はボーンホルム産である[ 2] 。また、工芸 も盛ん。移住してアトリエやスタジオを構える工芸作家が増えている。
バルト海西部の戦略的要衝であり、第二次世界大戦 中はナチス・ドイツ の占領下にあった。ソ連 軍はドイツへの反攻の一環として1945年 3月から島に激しい砲爆撃を浴びせ、5月に占領。ドイツ領でなかったにもかかわらず、1946年 4月まで撤退しなかった。現在、島には北大西洋条約機構 (NATO)のレーダー基地が設置されている。
また、1980年 にポーランド で独立自主管理労働組合「連帯」 が結成され民主化運動が進んだ際には、ポーランド国内でのテレビ放送の電波をこの島で傍受したものが西側のテレビ局に配信された(日本でもNHK のニュースで放送された)。
島の旗として、デンマーク国旗 の白十字の中に緑十字が入っているものと、白十字の代わりに緑十字が入っているものの2種類あるが、いずれも公式には承認されていない。緑色は島の緑を表すとされる。
2017年、ユネスコ認定機関World Crafts Council(WCC)より芸術と工芸の世界で最高の評価である「World Craft Region Bornholm」の称号を授与された世界初の島である[ 3] 。
その他
Nexø 出身の作家マーティン・アナセン・ネクセー 原作の『勝利者ペレ (Pelle Erobreren )』は『ペレ 』としてデンマーク・スウェーデン合作で映画化された。
小惑星 ボーンホルム (4453) Bornholm はボーンホルム島にちなんで命名された[ 4] 。
脚注
外部リンク
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