ボダイジュ(菩提樹[3]、学名: Tilia miqueliana)は、アオイ科[注釈 1]シナノキ属の落葉高木。別名はコバノシナノキ[1]。中国原産で、中国名は南京椴[1]。日本では寺院などに植えられる。
特徴
落葉広葉樹の高木。高さは30メートル (m) にもなる[3]。樹皮は暗灰色から暗茶褐色で[3]、縦に浅く裂ける。若木の樹皮は滑らかで、小枝には密に細毛がある[3]。葉は広卵形で、裏面と葉柄には毛がある。花期は6月頃で、葉の付け根から花序を出して、芳香がある淡黄色の花を下向きに咲かせる。
冬芽は薄茶色の短毛があり、オオバボダイジュ(学名: Tilia maximowicziana)よりもやや小さい[3]。枝先には仮頂芽がつき側芽よりも大きく、長さ5ミリメートル (mm) ほどの卵球形で芽鱗2枚に包まれる[3]。側芽は枝に互生する[3]。葉痕は円形で、維管束痕が3個つき、葉痕の両脇に托葉痕がある[3]。
中国原産[3]。日本へは、12世紀に渡来したといわれ、臨済宗の開祖明菴栄西が中国から持ち帰ったと伝えられる。日本では各地の仏教寺院によく植えられている。
釈迦は菩提樹の下で悟りを開いたとして知られるが、釈迦の菩提樹は本種ではなくクワ科のインドボダイジュ(印度菩提樹、Ficus religiosa)という別の種である[3]。中国では熱帯産のインドボタイジュの生育には適さないため、葉の形が似ているシナノキ科の本種を菩提樹としたと言われる。
またフランツ・シューベルトの歌曲集『冬の旅』第5曲「菩提樹("Der Lindenbaum")」に歌われる菩提樹は本種ではなく近縁のセイヨウシナノキである。
近縁種
- アメリカボダイジュ(T. americana L.): 別名アメリカジナ。アメリカ中西部原産。
- オオバボダイジュ(T. maximowicziana Shiras.) : 別名アオジナ。北海道、本州中部以北に分布。
- ナツボダイジュ(T. platyphyllos Scop.): 別名、ヨウシュボダイジュ、セイヨウボダイジュ。
- フユボダイジュ(T. cordata Mill.) : ヨーロッパからコーカサスに分布。
- マンシュウボダイジュ(T. mandshurica Rupr et Maxim.) : 別名トウホクジナ、マンショウジナ。中国東北部に分布。
- ツクシボダイジュ(T. mandshurica Rupr et Maxim. var. rufovillosa (Hatus.) Kitam.): 九州の大分県に限って分布。
- セイヨウシナノキ(Tilia ×europaea syn. T. ×vulgaris = T. cordata × T. platyphyllos) : ナツボダイジュとフユボダイジュの交配種。
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
ウィキスピーシーズに
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外部リンク