ペルヴショヴィサウルス
ペルヴショヴィサウルス
P. campylodon の吻部の断片。選定基準標本。
地質時代
後期白亜紀 セノマニアン 期
分類
種
P. bannovkensis Arkhangel'skii, 1998 (模式種 )
P. campylodon Carter, 1846
頭骨
ペルヴショヴィサウルス (学名 :Pervushovisaurus )は、上部白亜系 セノマニアン 階のロシア 西部サラトフ やイギリス のケンブリッジ に生息していたプラティプテリギウス亜科 の魚竜 の属。かつてはプラティプテリギウス の亜属 とされていた[ 2] が、後の研究でプラティプテリギウスの模式種 Platypterygius platydactylus との相違点が示され、独立した属に昇格した[ 3] 。ペルヴショヴィサウルスの模式種 Pervushovisaurus bannovkensis は部分的な頭骨である模式標本 SSU 104a/24 のみが発見されている[ 4] 。2016年 にはプラティプテリギウスのもう1つの種である Platypterygius campylodon がペルヴショヴィサウルスに再分類された[ 5] 。
解剖学的特徴
Fishcer は2014年 に自身のチームが執筆した論文に基づき、2016年 にペルヴショヴィサウルスについて以下の趣旨をコメントした[ 3] [ 5] 。
プラティプテリギウス亜科 に属するオフタルモサウルス科 の特徴は以下の通りである。
前上顎骨と上顎骨 の腹側の縫合線に沿った孔が存在
外鼻孔の前方腹側にある上顎骨の側面にやや楕円形の孔が存在
上顎骨の側面に隆起が存在
吻部の扁平構造の存在。遥かに小さいものの、アカンプトネクテス やロンギロストリア属とされることが多い Platypterygius australis にも同様の構造が確認されている(Paramo, 1997; Kear, 2005)。
下顎骨の表面から大きく突出した、頑丈な板状骨 。根元の断面は四角形であり、セメント質 により直角が形成されている。
ペルヴショヴィサウルスはまた、以下の特異的な特徴の結び付きによって特徴づけられる。
孔に囲まれた二次的に閉じた鼻孔。Platypterygius sachicarum や Platypterygius australis も同様であり(Paramo, 1997; Kear, 2005)、前鼻孔は存在するもののシンビリスキャサウルス も共通(Maisch & Matzke, 2000; Fischer et al., 2014)。
上顎骨が前方に伸び、鼻骨に達する。アエギロサウルス やスヴェルトネクテス 、ムイスカサウルス とは異なる(Bardet & Fernández, 2000; Fischer et al., 2011a; Maxwell et al., 2015)。
吻部が真っ直ぐである。Platypterygius americanus , Platypterygius sachicarum , Platypterygius australis , およびムイスカサウルスでは吻部がわずかに腹側へ湾曲している(Romer, 1968; Paramo, 1997; Kear, 2005; Maxwell et al., 2015)。
歯が真っ直ぐで、歯冠 が覆われていない。スヴェルトネクテスやムイスカサウルスとは異なる(Fischer et al., 2011a; Maxwell et al., 2015)。
出典
^ “Pervushovisaurus at Fossilworks ”. Paleobiology Database . Fossilworks. 12 August 2017 閲覧。
^ Arkhangel’sky, M. S., 1998, On the Ichthyosaurian Genus Platypterygius: Palaeontological Journal, v. 32, n. 6, p. 611-615.
^ a b Fischer, Valentin; Arkhangelsky, Maxim S.; Naish, Darren; Stenshin, Ilya M.; Uspensky, Gleb N.; Godefroit, Pascal (2014). “Simbirskiasaurus and Pervushovisaurus reassessed: implications for the taxonomy and cranial osteology of Cretaceous platypterygiine ichthyosaurs” . Zoological Journal of the Linnean Society 171 (4): 822–841. doi :10.1111/zoj.12158 . http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/zoj.12158/abstract .
^ Storrs, G. W., M. S. Arkhangel'skii and V. M. Efimov. 2000. Mesozoic marine reptiles of Russia and other former Soviet republics. pages 187-210 In Benton, M. J., M. A. Shiskin, D. M. Unwin and E. N. Kurochkin, (eds.), The Age of Dinosaurs in Russia and Mongolia, Cambridge University Press, Cambridge.
^ a b Fischer, V. (2016). “Taxonomy of Platypterygius campylodon and the diversity of the last ichthyosaurs.” . PeerJ 4 : e2604. doi :10.7717/peerj.2604 . PMC 5075704 . PMID 27781178 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5075704/ .