このプロジェクトの目的は、個々の「こうする」を決めておくことよりは、むしろ「なぜそうすることを推奨するのか」という知識を四散させないことにあります。記事の「ノート」としてウィキペディア上に分散している知識と議論をまとめて読む様なものだと思ってください。他のウィキプロジェクト同様、ここに書かれている事はあくまでガイドラインないしベストプラクティスであって、強制力はありません。しかし、記事を書く上でなにかよりどころが欲しい人、特に、イングランドの地域などの記事そのものではなく、そうした記事を地名として参照する記事を書く人には助けになるかもしれません。
イングランドの地名
このウィキプロジェクトの基本的な目的は、イングランドの地域区分や地名についての記事、ならびにその記事を地名として参照する記事を書く上で助けとなる背景知識とそれに関する議論の概観をまとめ、記事執筆の参考を提示することでイングランド関連の記事を充実させる手助けにあります。さらに、地域区分自体についての記事ガイドラインを提供しています。
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イングランドの地域区分は複雑です。たとえば、しばしば州、県、郡などの訳語が当てられるカウンティレベルの区分の場合、地方行政に使われる 82 の都市および非都市カウンティと、王室の代理人である地方長官の任命に使われる 47 の典礼カウンティが併用されています。イングランドでは票の平等を確保するのに選挙区ごとの議席数ではなく選挙区の区割りを変えるので、選挙区の変更にともないより上位の地域区分が変更されることもしばしばです。また、19 世紀以降、特に地方行政改革の行われている 20 世紀後半以降は地方行政制度自体も変化しており、いつの時代かによって同じ名前の地域区分が異なる行政区分に対応していることがあります。そのため、地理的カウンティと呼ばれる、必ずしも行政区画には対応しないカウンティが地域の名称として使われることもしばしばです。
こうした複雑な事情があるため、記事に登場する地域区分名表記次第で意味が変わってしまう可能性があります。特に注意する必要があるのは、州、県、郡といった区分のレベルを示す語を地域区分名につけるかどうかです。アメリカ合衆国のニューハンプシャー州には州をつけるのですから、イングランドでもハンプシャー州と書きたくなります。しかし、その「州」は上に述べたいくつもある「カウンティ」のどの意味でしょうか。州や県をつけなくても意味は通じるので、特に確信がなければつけない方が安全です。英語からの翻訳記事なら、地域名に county や county of といった付加されていなければつける必要はないでしょう。地域名語尾の「シャー」はシャイアに由来し、当時の行政区分であったシャイアは州とも訳されるので、「ハンプシャー州は同義反復である」という意見もあり、議論になることもあります。「州」などの付加を必要最小限に留めれば、その様な議論も避けられます。
では地域区分の記事名についてはどうでしょうか。その記事を参照して記事を書く側からすれば、レベル名をつけずに表記する場合、[[ハンプシャー州|ハンプシャー]]とするよりは[[ハンプシャー]]の方が手間が少ないでしょう。もしその地域区分の記事名にレベル名が含まれていると、記事名が「正式名称」であるという誤解も手伝って、レベル名つき表記を用いた記事を執筆する場合が出てくるでしょう。これらの点から、地域区分の記事名にはレベル名を含めないことが推奨されます。これはもちろんその地域区分の記事が何について書いているかに依存するので、特に行政区分について書いてある記事ならば、レベル名を含めてもよいでしょう。
なお、文献等での用例に示す様に、最近の専門書では区分レベル名をつけない様になっている様です。また、カウンティ等の語に漢字をあてなくなってきてもいる様です。
この節では、議論になる地名をいくつかとりあげます。地名の表記については原音主義と慣用主義とがありますが、そこにイギリス式発音とアメリカ式発音の違いもからんでくるため、類似した議論がしばしば見られます。そうした議論を避けるため、記事執筆の際の表記を選ぶとき、地名を記事名とするときの参考にしてください。尚、分野ごとに同じ地名に関する慣用表現が違う場合もあるでしょうから、記事名の地名を絶対視しない事も必要です。
ピーターバラ (Peterborough) の様に、語尾が「borough」や「brough」で終わる地名がいくつかあります。「borough」はもともと壁で囲まれた場所の意味で、中世には自治区を意味していましたが、現在では地方行政の単位の名称としても使われています。英語版ウィキペディアのborough に関する項目には単体での発音は「バラ」、語尾の場合は「ブラ」と書いてありますが、必ずしもそうではありません。慣例によって表記すると良いでしょう。
英語版ウィキペディアの記事では「サウスハンプトン」になっています。しかし、慣用表記を優先し記事名としてはサウサンプトンが採用された様です。発音については出典の確保が困難な場合がありますので、発音に関する提案の際には十二分な材料の準備が必要です。サッカーチームの日本語表記の「慣例」と発音との違いが問題になる場合には、試合中継やスポーツニュースでの発音を調べてみるのが早道かもしれません。
ミドルとは書くがミッドルとは書かないのだからミッドランドではなくミドランドと表記すべき、という原音主義がありますが、慣用としてのミッドランドを支持する意見が強い様です。
文法書的には、片仮名表記をすると「キングズクロス」となるはずですが、KING'S CROSS VOICES ORAL HISTORY PROJECT[リンク切れ]を聞くと「キングズクロス」に聞こえます。日本語文献での用例調査の結果からすると「キングズ・クロス」という組み合わせが優勢でした。では King's Lynn は?
地名という訳ではありませんが、鉄道路線名には定訳がないので慎重な表現をお願いします。たとえば East Coast Main Line (ECML) は、イーストコースト・メインライン、イーストコースト・メイン線、イーストコースト本線、東海岸本線、東海岸線などと様々に表記されています。一方、地下鉄についてはたとえばサークル線かサークルラインであって、環状線という用例はない様です。記事名に関するガイドラインによれば、カナ表記 (東海岸本線ではなく、イーストコースト・メインラインなど) となっています。
運河名もまた一定の表記がなされていません。グランドユニオン運河、グランド・ユニオン・カナル、グランド・ユニオン・キャナル、更に「・」の有無など様々です。このプロジェクト等での議論が必要でしょう。
現状では、以下の様な関連カテゴリがあります:
それぞれのサブカテゴリを含みます。 カテゴリの名称については検討が必要なものもあるかもしれません。
また、間接的な関連カテゴリとしては以下があります:
それぞれのサブカテゴリを含みます。
ラベル付き地図テンプレートとして以下があります:
地図以外の関連テンプレートとして以下があります:
要検討。
基本的に「州」、「郡」、「県」、「カウンティ」などはつけない。カウンティの種類を区別する必要がある場合には、_(行政的カウンティ) などと曖昧さ回避で対応するが、その様な細分化は推奨しない。但しロンドンなどの大都市は別である。
基本的に英語版を踏襲し、以下の通りとする。項目に対応する内容がない場合には、その章全体をコメントアウトして、目次には表示されない様にする。
「州」、「郡」、「県」、「カウンティ」などを含まない記事名の場合の、冒頭文記述方法をベッドフォードシャーを例に示す。
中心地とカウンティカウンシル所在地が異なる場合にはカウンティカウンシル所在地も書く。隣接地域、最高地点の標高なども含めてよい。
対応する英語版記事を参考にするとよいです。
イングランドのカウンティ を記事末尾で用いる。{{イングランドのカウンティ}} とすればよい。
以下のテンプレートに相当するテンプレートを用意した方が良いか?
基本的に英語版を踏襲。テンプレートの移植等は要検討。
必要性も含め要検討。基本的に英語版を踏襲すればよい。
†「ランカシャー州」とする場合を結合、「ランカシャー」とする場合を非結合とした。
日本語文献における King's cross の表記を調査したところ、以下の結果が得られました。
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