1902年にエロサウルス Elosaurus として、ピーターソンとギルモアによって記載された。1994年にアパトサウルスと改められ、2015年にブロントサウルスとして再記載された。標本はホロタイプ CM 566(ワイオミング州アルバニーのシープクリーク採石場で見つかった幼体の部分骨格)、BYU 1252-18531(ブリガムヤング大所蔵、ユタ州で発見されたほぼ完全な骨格)、そして部分骨格 UW 15556(事故によりホロタイプと混同されていたもの)で構成される。キンメリッジ期中期[9]。成体は体重14 t 以上、全長22 m 以上に成長したと推定される[15]。
ブロントサウルス・ヤナピン Brontosaurus yahnahpin
バーサ採石場のモリソン層下部から発見された、ブロントサウルス最古の種である。年代は約1億5500万年前[5][16]。全長は約21 m に成長したと思われる[17]。エオブロントサウルス・ヤナピンの模式種だった本種は、 ジェームズ・フィラ James Filla とパトリック・レッドマン Patrick Redman により1994年にアパトサウルスとして記載された[18] 。種小名は、対になった腹肋骨がラコタ族の伝統的なヘアパイプを思わせることから、ラコタ語で「胸飾り」を意味する mah-koo yah-nah-pin に因んでいる。ホロタイプは TATE-001 で、これはワイオミング州モリソン層下部で発見されたほぼ完全な体骨格である。より断片的な化石も本種のものとして考えられているものがある。1998年、バッカーはより原始的な属であると考え、新属エオブロントサウルス Eobrontosaurus(「暁のブロントサウルス」の意)を記載した[19]。
エルマー・リグスは1903年の Geological Series of the Field Columbian Museum において、ブロントサウルスはアパトサウルスと属を分けるほどの違いに欠くとし、ブロントサウルス・エクセルススをアパトサウルス・エクセルスス Apatosaurus excelsus と改めた。リグスはこのことから、両属は同物異名であるかもしれず、ブロントサウルスはアパトサウルスよりも後に命名されているため、シノニムであると主張した[7] 。しかし、アメリカ自然史博物館に標本を設置する前、ヘンリー・フェアフィールド・オズボーンはマーシュの反対者であったにもかかわらず、骨格に「ブロントサウルス」のラベルを付けた(彼がリグスの発表を知らなかった可能性もある)[29][30]。
1970年に、ジョン・スタントン・マッキントッシュとデヴィッド・バーマンがディプロドクスとアパトサウルスの頭骨を再記載するまでアパトサウルス亜科の頭骨について言及されることはなかった。ホランドは自分の意見を発表したことはないが、ほぼ間違いなく、アパトサウルスとブロントサウルスはディプロドクスのような頭骨をもっていたことが分かっていたと、マッキントッシュらは述べた。彼らは、長い間ディプロドクスに関連すると考えられていた多くの頭骨は、アパトサウルスのものかもしれないとし、密接に関連する脊椎に基づいて複数の頭骨をアパトサウルスに再同定した[33]。1979年8月20日、マッキントッシュとバーマンによる記載の後、アパトサウルスの頭骨が初めて博物館の骨格に設置された。カーネギー博物館でのことである[30] 。1995年、アメリカ自然史博物館もそれに従い、骨格を組み立てなおした。ラベルもアパトサウルス・アジャクスに変えられ、尾と頭骨は A. louisae に基づいて復元された[31]。
20世紀のほとんどの古生物学者たちはリグスに全面的に同意し、アパトサウルスとブロントサウルスの種は全て単一の属に分類されると信じていた。国際命名規約に従い、より後に命名されたブロントサウルスは学術的な使用は無効であるとされてきた[34][35][36][37]。しかしながらロバート・バッカーは1990年代に A. ajax と A. excelsus は実際には属を分けるに十分なほど異なっていると主張した[38]。2015年に、エマニュエル・チョップ、オクタビオ・マテウス、ロジャー・ベンソンは、二属の関係について広範な研究を行い、ブロントサウルスは確かにアパトサウルスとは異なる竜脚類の有効属であると結論づけた。彼らは属と種の違いをより客観的に評価するための統計的手法を開発し、ブロントサウルスの有効性を指摘した。頸椎の背側の二股になった棘突起の間の幅が、ブロントサウルスではかなり狭いのに対し、アパトサウルスでは明らかに広くなっていることや、骨盤と頭骨の違いについてが指摘された。彼らは、2つの元アパトサウルスの種、A. parvus と A. yahnahpin をブロントサウルスに再分類し、ブロントサウルス・エクセルススをもとに戻した[6]。これに対しマイケル・デミック Michael D'Emic は批判を下した[12]他、Donald Prothero は、この研究に対するマスコミの反応を、表面的かつ早過ぎるものであるとして批判した[13]。
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