フルダラビンリン酸エステル
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IUPAC命名法による物質名 |
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- [(2R,3R,4S,5R)-5-(6-amino-2-fluoro-purin-9-yl)- 3,4-dihydroxy-oxolan-2-yl]methoxyphosphonic acid
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臨床データ |
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販売名 |
Fludara |
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Drugs.com |
monograph |
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MedlinePlus |
a692003 |
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胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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薬物動態データ |
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生物学的利用能 | 55% |
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血漿タンパク結合 | 19 to 29% |
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半減期 | 20 hours |
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排泄 | Renal |
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データベースID |
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CAS番号
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75607-67-9 |
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ATCコード |
L01BB05 (WHO) |
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PubChem |
CID: 657237 |
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DrugBank |
DB01073 |
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ChemSpider |
571392 |
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UNII |
P2K93U8740 |
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KEGG |
D01907 |
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ChEBI |
CHEBI:63599 |
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ChEMBL |
CHEMBL1568 |
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化学的データ |
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化学式 | C10H13FN5O7P |
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分子量 | 365.212 g/mol |
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- Fc1nc(c2ncn(c2n1)[C@@H]3O[C@@H]([C@@H](O)[C@@H]3O)CO)N
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- InChI=1S/C10H12FN5O4/c11-10-14-7(12)4-8(15-10)16(2-13-4)9-6(19)5(18)3(1-17)20-9/h2-3,5-6,9,17-19H,1H2,(H2,12,14,15)/t3-,5-,6+,9-/m1/s1
- Key:HBUBKKRHXORPQB-FJFJXFQQSA-N
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フルダラビンまたはフルダラビンリン酸エステル(Fludarabine)は、プリン系抗悪性腫瘍剤であり、血液腫瘍(白血病、リンパ腫等)の治療に用いられる。DNA合成経路を阻害することでDNA複製を妨げ、細胞死を誘導する。商品名フルダラ。
効能・効果
日本で承認されている効能・効果は、再発または難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫またはマントル細胞リンパ腫、ならびに貧血または血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病である[1]。慢性リンパ性白血病への適応については、未治療例についてはRai分類:ハイリスク群、またはBinet分類:B期またはC期のもの、既治療例についてはアルキル化剤を含む治療に抵抗性または進行性のものと限定されている。注射剤は同種造血幹細胞移植の前治療にも使用できる[2]。
フルダラビンは慢性リンパ性白血病への奏効率が高く、クロラムブシル等のアルキル化剤単剤より有効である[3]。フルダラビンは低悪性度非ホジキンリンパ腫の治療でシクロホスファミド、ミトキサントロン、デキサメタゾン、リツキシマブ等の様々な抗悪性腫瘍薬と併用される。海外ではFLAG療法(Fludarabine、Ara-C、G-CSF)の一部として急性骨髄性白血病の治療に用いられる。日本では、FLAGにミトキサントロンを加えたFLAGM療法が検討された事がある[4]。免疫抑制作用のため、フルダラビンは骨髄移植時の前処置に用いられることがある。
副作用
重大な副作用は、
である[1][2]。
リンパ球が減少する結果、日和見感染のリスクが著明に増加する。ニューモシスチス肺炎を予防するためにST合剤を服用するかペンタミジンを1か月間吸入する。フルダラビンによる深刻なリンパ球減少は輸血後移植片対宿主病を誘発し、しばしば成分輸血が必要となる。貧血は濃厚赤血球輸血または全血輸血で、血小板減少は血小板輸血で、好中球減少はG-CSF投与で対処する。
重篤な免疫介在性溶血性貧血が発現する場合がある[5]。
フルダラビンを投与したことのある患者から末梢血幹細胞を採取することが難しいことがある[6]。
作用機序
フルダラビンはプリンアナログであり、経口投与または静脈注射で用いられる。リボヌクレオシド二リン酸レダクターゼおよびDNAポリメラーゼを阻害してDNA伸長を妨げる。分裂期および静止期の細胞の両方に作用する。リン酸化されているため、生理学的pHではイオン化しており、他組織に移行しづらく血中に長く留まる。これはフルダラビンの血液細胞(がん細胞でも健全な細胞でも)への作用選択性をもたらしている。
開発の経緯
当初は2-フルオロアデノシンとして開発されていたが、安全性の観点から1968年にビダラビンを参考にアラビノースを結合させたフルダラビンが創薬された[7]。
出典
- ^ a b “フルダラ錠10mg 添付文書” (2015年6月). 2016年7月2日閲覧。
- ^ a b “フルダラ静注用50mg 添付文書” (2015年6月). 2016年7月2日閲覧。
- ^ Rai KR, Peterson BL, Appelbaum FR, Kolitz J, Elias L, Shepherd L et al. (2000). “Fludarabine compared with chlorambucil as primary therapy for chronic lymphocytic leukemia.”. N Engl J Med 343 (24): 1750-7. doi:10.1056/NEJM200012143432402. PMID 11114313. http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJM200012143432402.
- ^ “東京医科大学病院・内科学第一講座・血液内科 > 平成20年度 > 臨床試験(医師主導型) > 急性白血病関係 > 再発および難反応性急性骨髄性白血病に対するフルダラビン・シタラビン・G-CSF・ミトキサントロン併用療法(FLAGM療法)の臨床第Ⅱ相試験”. 2014年12月1日閲覧。
- ^ Gonzalez H, Leblond V, Azar N, Sutton L, Gabarre J, Binet JL et al. (1998). “Severe autoimmune hemolytic anemia in eight patients treated with fludarabine.”. Hematol Cell Ther 40 (3): 113-8. PMID 9698219. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9698219.
- ^ Tournilhac O, Cazin B, Leprètre S, Diviné M, Maloum K, Delmer A et al. (2004). “Impact of frontline fludarabine and cyclophosphamide combined treatment on peripheral blood stem cell mobilization in B-cell chronic lymphocytic leukemia.”. Blood 103 (1): 363-5. doi:10.1182/blood-2003-05-1449. PMID 12969985. http://www.bloodjournal.org/content/103/1/363.
- ^ Sneader, Walter (2005). Drug discovery: a history. New York: Wiley. pp. 258. ISBN 0-471-89979-8
外部リンク