『ピーター・ガン』(Peter Gunn) は、同名のテレビ番組『ピーター・ガン』のテーマ曲としてヘンリー・マンシーニが作曲した楽曲[1]。オリジナル・サウンドトラック・アルバム『The Music from Peter Gunn』の冒頭に収録されて、1959年にリリースされた[2]。このアルバムによって、マンシーニはエミー賞に加え、グラミー賞をふたつ、アルバム・オブ・ザ・イヤーと最優秀編曲賞を獲得した[3]。
録音と発売
マンシーニは、1989年に発表した自伝『Did They Mention the Music?』の中で、次のように述べている。
『ピーター・ガン』のテーマは、実際のところ、ジャズ由来というより、
ロックンロール由来である。ギターとピアノを
ユニゾンで使い、音楽用語で言う
オスティナートを奏でるのだが、この用語は頑固という意味の言葉だ。作品を通して、音が持続され、不穏な印象を与え、そこに怯えたようなサクソフォーンの響きや叫ぶような金管楽器が加えられている。この作品は、全編を通してひとつのコードと、非常に単純な旋律しかない
[3]
マンシーニは、この曲の最初のシングル・バージョンを、トランペット奏者レイ・アンソニー(英語版)のために1959年に編曲した。キャピトル・レコードのために録音され、テナー・サクソフォーン奏者プラス・ジョンソン(英語版)をフィーチャーしたこのバージョンは、Billboard Hot 100 で第8位、R&B chart で第12位まで上昇した[4]。
マンシーニはこのテーマ曲を何回も異なるバージョンとして録音しており、1965年のアルバム『The Latin Sound of Henry Mancini』に収録した「Señor Peter Gunn」や、1967年の映画『Gunn』のための新たな編曲などがある[5]。
歌詞は、ジェイ・リビングストンとレイ・エバンズによって後から書かれ、1965年にサラ・ヴォーンがアルバム『Sarah Vaughan Sings the Mancini Songbook』で、ビル・ホルマン(英語版)[6]。マンシーニは、「Bye Bye」と題されたボーカル・バージョンも録音しており、1967年のサウンドトラック・アルバム『Gunn...Number One!』に収録している[7]。
その他のチャート入りしたバージョン
マンシーニが録音した様々な「ビーター・ガン」のテーマの異なる編曲とは別に、この曲は他の多数のアーティストたちによっても録音された。その中で、各種のチャート入りを果たした例には以下がある。
脚注
- ^ Henry Mancini: Sounds and Scores, Northridge Music, Inc. 1973, 1986
- ^ RCA Victor LPM/LSP-1956 liner notes
- ^ a b Did They Mention the Music?, Henry Mancini with Gene Lees, Contemporary Books, 1989, page 236
- ^ a b Whitburn, Joel (1988). Top R&B Singles 1942–1988. Menomonee Falls, Wisconsin: Record Research. pp. 26; 116. ISBN 0-89820-068-7
- ^ Dryden, Ken. “Henry Mancini: 'Peter Gunn' – Review/Appears On”. AllMusic. October 14, 2020閲覧。
- ^ Liner notes to Mercury Records SR 61009
- ^ Liner notes to RCA Victor LPM/LSP-3840
- ^ “Duane Eddy – Singles”. Official Charts. June 27, 2020閲覧。
- ^ Billboard (November 14, 1960). “Hot 100”. Billboard: 34. ISSN 0006-2510.
- ^ “RPM Top Singles – July 12, 1986”. Library and Archives Canada. June 26, 2016閲覧。
- ^ Art of Noise, In Visible Silence Retrieved April 26, 2014