「やあ、レイ。俺たちがこんなふうに終わるなんて皮肉なもんだな。俺は家族のために寛大な措置を乞うたんだ。覚えてるか?だけど、少しも得られなかったし、きっとあんたもそうさ。(Hi Ray. I think it's sort of ironical that we end up like this. I asked for some leniency for my family. Remember? Well, I got none and you'll get none.)」
BAe(ブリティッシュ・エアロスペース)146-200(4発エンジンのジェット機)が、中部カリフォルニアの海岸上空、高度6,700mを航行中、コックピットボイスレコーダー(CVR)は洗面所に出入りする物音を記録している。ナショナルジオグラフィックチャンネルのテレビ番組「メーデー!:航空機事故の真実と真相」では、これは元従業員がトイレで密かに銃を取り出す音ではないかとしている。機長と副操縦士が航空交通管制と乱気流について交信していたまさにその時、客室で2発の銃声がした。恐らく元従業員が元上司を射殺したものとみられる。元上司が座っていた座席は発見されていないが、1列後ろの座席であるとされた座席には、銃痕が2つ見つかった。弾薬のエネルギーからすれば、銃弾は元上司の体を貫通した後、彼の座席を貫通して後列の座席をも貫通していたはずである。副操縦士は機内で発砲があったことを直ちに航空交通管制へ連絡し、スコーク7700を通報するが、それ以降、乗員からの応答はなかった。CVRにはこの時点で操縦室のドアが開き、客室乗務員と思われる女性がコックピットクルーに「問題発生!(We have a problem!)」と話す音声が記録されている。クルーが「どういう問題だ?(What kind of problem?)」と聞き返すと、この客室乗務員を射殺したと思われる銃声の後、元従業員が「俺がその問題だよ(I'm the problem)」と答え、さらに2発撃って操縦士たちを死傷させた。数秒後に機体は下降して加速し、風切音が大きくなっていく様子がCVRに記録されている。フライトレコーダー(FDR)の記録によれば(おそらく元従業員によって)操縦桿が前方に押されたままになり、機体が急降下したようである。
CBS Newsのヘリコプターによって墜落現場が発見され、国家運輸安全委員会(NTSB)の調査団に連邦捜査局(FBI)が合流した。2日間にわたる飛行機の残骸の発掘調査の結果、拳銃の部品とエチケット袋に書かれたメモが見つかった。拳銃には銃弾6発を使い切った弾倉があり、メモは元従業員が記したものであるため、元従業員が墜落事故に関与していることを示すものとなった。FBI捜査官は銃のトリガーガードに刺さっていた指の断片から指紋を採取することができ、それによって機体が墜落した時に元従業員が拳銃を握っていたことが明らかになった。墜落現場で発見された証拠に加えて、元従業員の同僚が彼に銃を貸したことを認め、元従業員が女友達の留守電に別れの言葉を残していたことも判明した[5]。また、当初は爆発物も使用されたと見てFBIは捜査を行っていた[6]。