トレント川(トレントがわ、River Trent)は、イギリスのイングランド中部の河川。イギリスで3番目に長い河川であり、総延長は298km[1]。
流路
ウェスト・ミッドランズにあるペナイン山脈南西部、スタッフォードシャーのビダルフ・ムーア(英語版)を源流とする。ストーク=オン=トレントを通過した後、南東、北東へと円弧を描くように流れる。途中でダーウェント川(英語版)、ソアー川(英語版)などの支流を合わせながらダービーシャー南端、ノッティンガムシャーを経由したのち、下流部はヨークシャー・アンド・ザ・ハンバーにてウーズ川(英語版)と合流し、ハンバー川と呼ばれる三角江になる[1]。ハンバー川は東に流れ、キングストン・アポン・ハルを経由して最後は北海に注ぐ[2][3]。
流域
イングランド中央部の炭田地帯・工業地帯を流れる重要な河川である。上流部のストーク=オン=トレントを中心とする地域は陶磁器をはじめ窯業が盛んで、中流部には工業都市のダービー、ノッティンガムが栄える。またレスターも支流のソアー川(英語版)を介して近い位置にある[2][4]。流域には多くの発電所も設けられている。1960年代にはバートン・アポン・トレント(英語版)下流に8つの発電所が設けられ、コタム発電所(英語版)は当時ヨーロッパ最大の200万kWの発電量を誇った[3]。
上流からアルルーワス(英語版)付近までは狭い谷を流れるが、それより下流域は幅広い氾濫原となっている。ニューアーク=オン=トレントより下流は平野となり、市場園芸が盛んな農業地帯となる。ニューアーク付近から海面までの落差が非常に小さいため、感潮区間が河口から約85kmまで達する感潮河川である。そのためニューアークの近くまで潮汐の影響を受けることがあり(海嘯)、ゲインズバラより下流には高い防潮堤が設置されている[2][3][5]。
古くから運河が発達しており、トレント・アンド・マージー運河(英語版)はじめ、多くの運河が開削されている。これら運河やテイム川(英語版)などの支流を通じ、テムズ川やセヴァーン川、マージー川、またバーミンガムなどの諸都市と結ばれている。水上交通も盛んであり、ソーレー(英語版)まで遡航が可能。120t以下の船舶であればノッティンガムまで航行が可能である[2][5]。
主な支流
河川名の由来
脚注
関連項目
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