トリンキュロー [ 6] またはトリンキュロ [ 7] またはトリンクロー [ 8] (Uranus XXI Trinculo) は、天王星 の第21衛星 である。
発見と命名
発見
トリンキュローは2001年 8月13日に、マシュー・J・ホルマン 、ジョン・J・カヴェラーズ らによりセロ・トロロ汎米天文台 の望遠鏡を用いて発見された[ 9] [ 10] 。発見後すぐには公表されず、しばらくの間追加観測が続けられた。カヴェラーズはその後8月25日にカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡 を用いて再びこの天体の撮影に成功している[ 9] [ 10] 。さらに、パロマー天文台 のヘール望遠鏡 を用いて9月21日に取得された画像や、VLT を用いて11月15日に取得された画像の中からもブレット・J・グラドマン らによって発見された[ 9] [ 10] 。これら一連の観測を経て、翌2002年 9月30日になって、国際天文学連合 および小惑星センター のサーキュラーで発見が公表され、S/2001 U 1 という仮符号 が与えられた[ 9] [ 10] 。
なお、ほぼ同時期に別の天王星の衛星ファーディナンド が発見されており[ 11] 、さらに同時に撮影した写真の中から2003年 になってフランシスコ が発見されている[ 12] 。
命名
その後2003年8月8日に、ウィリアム・シェイクスピア の戯曲『テンペスト 』に登場する人物に因んで命名され、Uranus XXI という確定番号が与えられた[ 13] [ 14] 。
トリンキュローという名前は、ウィリアム・シェイクスピア の戯曲『テンペスト 』に登場する、主人公プロスペローを放逐した政敵の一味に同行し乗船していた道化師 トリンキュローにちなんで付けられた。
同時に流れ着いたステファノーとは友人関係で、彼ほど重症ではないが酒好き。ステファノー、キャリバン と共に悪巧みに荷担するが、結局のところ振り回されるだけの正に道化師役である。
特徴
天王星 周りの不規則衛星の軌道のアニメーション。緑色がトリンキュローである。 天王星 · シコラクス · フランシスコ · キャリバン · ステファノー · トリンキュロー
内衛星群と異なり軌道も比較的傾いており(他の外衛星群の中では比較的低い)、逆行 軌道を持つ不規則衛星 である。恐らく他の不規則衛星と同じく、天王星に捕獲された天体だと考えられる[ 15] 。
出典