デビッド・リー(David Lee, 1983年4月29日 - )はミズーリ州セントルイス出身の元バスケットボール選手。身長206cm、体重109kg。ポジションはパワーフォワード。NBAのゴールデンステート・ウォリアーズなどで活躍し、2015年にNBAチャンピオンを経験した。妻はプロテニス選手のキャロライン・ウォズニアッキ。
経歴
若齢期
ミズーリ州セントルイスで生まれ、地元のジョン・バローズ校からチャミネード大学付属高校に進学した。この時に利き手の左腕を骨折し、右手でのプレーも習得した[1]。マクドナルド・オール・アメリカンに選ばれスラムダンクコンテストで優勝している[2]。また、パレード誌のハイスクール・オールアメリカン・ファースト・チームにも選抜されている[3]。
カレッジ
スポーツ奨学金を得て、フロリダ大学に入学し、ビリー・ドナヴァンコーチのもとで、フロリダ・ゲーターズの一員として、2001年から2005年までプレーした。2002年にサウス・イースタン・カンファレンスのオール・ルーキー・チームに選ばれ、2年次には、平均11.5得点、7リバウンドを記録している。2003-04シーズンには平均13得点、7リバウンドを記録し、オール・サウスイースタンのセカンド・チームに選ばれている。
3年次には、新入生としてアル・ホーフォード、コーリー・ブリューワー、トーリーン・グリーン、ジョアキム・ノアら後の、2006年NCAAチャンピオンメンバーであり、NBAプレーヤーとなる選手が入学し、1シーズンを共にプレーしている。リーは、3年生終了時、2005年のNBAドラフトにアーリーエントリーしているためフロリダ大学の2006年のNCAA優勝メンバーではない。
NBA
ニューヨーク・ニックス
フロリダ大学3年終了時、2005年のNBAドラフトにアーリーエントリーし2005年のNBAドラフトにおいてニューヨーク・ニックスより全体30位指名を受けてNBA入りした[4][5]。
2005-2006シーズンのルーキーイヤーでは、当初スモールフォワードとして起用された。12月から1月にかけて先発出場も経験している。結局、この年は主にベンチからの出場で平均5.2得点、4.5リバウンドを記録した。
2006-2007シーズンは、出場時間が前年より倍増。リバウンド数も増え、貴重なリバウンダーとして活躍した。2007年2月17日にはNBAルーキーチャレンジ(ルーキーオールスターゲーム)の2年目チームとして出場した。フィールドゴールを14本中14本すべて成功させて30得点11リバウンドを記録し、MVPを獲得した。しかし、以後は右足首の故障で欠場が続き、最終的には58試合の出場に留まった。
2007-2008シーズンはニックスの主要控え選手へと成長した[6]。
その後もリーは連日ダブル・ダブルの活躍を見せるも、チームは勝てないという状態が続いた[6]。そんな中リーは2010年のNBAオールスターゲームの出場メンバーに選出された[7]。これは2001年大会にラトレル・スプリーウェルとアラン・ヒューストンが選出されて以来のニックスからの選出である。
ゴールデンステート・ウォリアーズ
2010年7月、サイン・アンド・トレードで6年8000万ドルという巨額契約でゴールデンステート・ウォリアーズに移籍。ウォリアーズでもダブル・ダブルを連発し、チームを牽引した。そして2013年のNBAオールスターゲームにも出場し、2012-13シーズンは自身初の5割超えとプレーオフ初出場を果たしながらも、リーは左足ハムストリングを傷め、プレーオフでは満足にプレーすることが出来なかった。
2014-15シーズンは、開幕から負傷に悩まされ、スターターの座をドレイモンド・グリーンに奪われるなど、レギュラーシーズンは満足にプレーすることが出来ず、プレーオフに入っても出場機会がほとんど与えられなかった。しかし、クリーブランド・キャバリアーズとの対戦となったNBAファイナルの第3戦で、大量リードを赦していた第3クォーター後半から起用されたリーは、ゴール下で奮闘。リーの活躍で試合を接戦に持ち込んだ。この試合は91-96で敗れたものの、クレイ・トンプソンは「彼のおかげで流れが変わった」と絶賛。その後ウォリアーズは3連勝を飾り、リーにとっても初のNBAチャンピオンを経験した。ファイナル終了後の7月7日に、ボストン・セルティックスに移籍した。
ボストン・セルティックス
セルティックス移籍後は30試合に出場したが、1月11日のメンフィス・グリズリーズ戦以降出場機会に恵まれず、2月19日にセルティックスから解雇された。
ダラス・マーベリックス
2016年2月22日、ダラス・マーベリックスと契約した。
サンアントニオ・スパーズ
2016年7月28日、サンアントニオ・スパーズと2年契約を結んだ[8]。10月25日、開幕戦のゴールデンステート・ウォリアーズ戦でスパーズで初出場し、11分で、6得点、6リバウンド、2アシストを記録し、129対100で、かつての所属チームに勝利した[9]。
現役引退へ
2017年11月19日、現役引退を表明した[10][11][12]。
個人成績
NBAレギュラーシーズン
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
TO
|
PPG
|
2005–06
|
ニックス
|
67 |
14 |
16.9 |
.596 |
.000 |
.577 |
4.5 |
0.6 |
.4 |
.3 |
.76 |
5.1
|
2006–07
|
ニックス
|
58 |
12 |
29.8 |
.600 |
.000 |
.815 |
10.4 |
1.8 |
.8 |
.4 |
1.59 |
10.7
|
2007–08
|
ニックス
|
81 |
29 |
29.1 |
.552 |
.000 |
.819 |
8.9 |
1.2 |
.7 |
.4 |
1.20 |
10.8
|
2008–09
|
ニックス
|
81 |
74 |
34.9 |
.549 |
.000 |
.755 |
11.7 |
2.1 |
1.0 |
.3 |
1.85 |
16.0
|
2009–10
|
ニックス
|
81 |
81 |
37.3 |
.545 |
.000 |
.812 |
11.7 |
3.6 |
1.0 |
.5 |
2.33 |
20.2
|
2010–11
|
ウォリアーズ
|
73 |
73 |
36.1 |
.507 |
.333 |
.787 |
9.8 |
3.2 |
1.0 |
.4 |
2.33 |
16.5
|
2011–12
|
ウォリアーズ
|
57 |
57 |
37.2 |
.503 |
.000 |
.782 |
9.6 |
2.8 |
0.9 |
.4 |
2.61 |
20.1
|
2012–13
|
ウォリアーズ
|
79 |
79 |
36.8 |
.519 |
.000 |
.797 |
11.2 |
2.4 |
0.8 |
.3 |
2.62 |
18.5
|
2013–14
|
ウォリアーズ
|
69 |
67 |
33.2 |
.523 |
.000 |
.780 |
9.3 |
2.1 |
.7 |
.4 |
2.2 |
18.2
|
2014–15
|
ウォリアーズ
|
49 |
4 |
18.4 |
.511 |
.000 |
.654 |
5.2 |
1.7 |
.6 |
.5 |
1.0 |
7.9
|
2015–16
|
セルティックス
|
30 |
4 |
15.7 |
.453 |
.000 |
.784 |
4.3 |
1.8 |
.4 |
.4 |
1.1 |
7.1
|
2015–16
|
マーベリックス
|
25 |
1 |
17.3 |
.636 |
.000 |
.738 |
7.0 |
1.2 |
.4 |
.6 |
1.3 |
8.5
|
2016–17
|
スパーズ
|
79 |
10 |
18.7 |
.590 |
.000 |
.708 |
5.6 |
1.6 |
.4 |
.5 |
1.0 |
7.3
|
Career
|
829 |
505 |
29.3 |
.535 |
.034 |
.772 |
8.8 |
2.2 |
.8 |
.4 |
1.8 |
13.5
|
All-Star
|
2 |
0 |
13.0 |
.714 |
.000 |
.000 |
2.0 |
.5 |
1.0 |
.0 |
2.0 |
5.0
|
NBAプレイオフ
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
TO
|
PPG
|
2013
|
ウォリアーズ
|
6 |
1 |
10.8 |
.394 |
.000 |
.667 |
4.7 |
.8 |
.5 |
.2 |
0.83 |
5.0
|
2013–1
|
ウォリアーズ
|
7 |
7 |
31.1 |
.532 |
.000 |
.789 |
9.1 |
2.4 |
.6 |
.0 |
2.4 |
13.9
|
2015
|
ウォリアーズ
|
13 |
0 |
8.2 |
.400 |
.000 |
.533 |
2.6 |
.6 |
.2 |
.2 |
.2 |
3.1
|
2016
|
マーベリックス
|
2 |
0 |
16.5 |
.750 |
.000 |
.000 |
3.0 |
.5 |
.0 |
.0 |
0 |
6.0
|
2017
|
スパーズ
|
15 |
4 |
16.3 |
.521 |
.000 |
.647 |
3.8 |
.7 |
.3 |
.3 |
.4 |
5.6
|
Career
|
43 |
12 |
15.5 |
.490 |
.000 |
.667 |
4.4 |
1.0 |
.3 |
.2 |
.7 |
5.6
|
プレイスタイル
元は左利きだが、以前負った怪我によって現在は両利きの白人パワーフォワード。リバウンドが上手い。特にリバウンド争いによるポジショニングがうまく、ニューヨーク・ニックス時代は、ほとんどの試合でダブル・ダブルのアベレージを残したほどである。オフェンスではピック・アンド・ロールからリードパスを受けての得点がほとんどであったが、近年はミドルレンジからのジャンパーも改善されておりオフェンスの幅が広がった。一方でディフェンスには難があり、ペネトレイトしてくる選手に道を開けてしまうディフェンスレスな選手という意味で「ドアマン」と呼ばれることがある。
タイトル・受賞
- NBAチャンピオン:2015
- NBAオールスター出場:2010,2013
- オールNBA3rdチーム:2013
- NBAルーキーチャレンジ:2007
脚注
- ^ “Meet David Lee”. AOLSportsBlog.com (December 28, 2006). April 3, 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。December 28, 2006閲覧。
- ^ “David Lee Bio”. GatorZone.com. September 6, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。September 16, 2011閲覧。
- ^ O'Shea, Michael (April 1, 2001). “Meet Parade's All-America boys basketball team”. The Portsmouth Daily Times. https://news.google.com/newspapers?id=1bZQAAAAIBAJ&sjid=Rc8MAAAAIBAJ&pg=5066,340251&dq=parade+basketball+all-america&hl=en September 16, 2015閲覧。
- ^ “NBA Draft history: 2005 Draft”. NBA.com (February 27, 2013). February 28, 2016閲覧。
- ^ Robinson, Jon (January 3, 2006). “DAVID LEE INTERVIEW”. IGN.com. September 16, 2011閲覧。
- ^ a b “David Lee Stats, Video, Bio, Profile”. NBA.com. September 16, 2011閲覧。
- ^ Beck, Howard (February 11, 2010). “Lee, Replacing Iverson, Is Knicks’ First All-Star Since 2001”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2010/02/12/sports/basketball/12nba.html February 12, 2010閲覧。
- ^ David Lee will sign a two-year deal with Spurs
- ^ “Leonard, Spurs spoil Durant's Warriors debut with blowout”. ESPN.com (October 25, 2016). October 29, 2016閲覧。
- ^ David Lee Announces His Retirement
- ^ David Lee retires at 34
- ^ デイビッド・リーが現役引退を発表
外部リンク
|
---|
ルーキーチャレンジ | |
---|
ライジング・スターズ・チャレンジ | |
---|