アーリーエントリー

アーリーエントリー(early entry)は、プロスポーツにおける選手契約システムである。通常、新人選手がチームと契約して実際にプレーするには規定の手順を経て大学や高校などの卒業を待つ必要があるが、アーリーエントリーを行うことにより、卒業を待たずに加入することができる。

日本バスケットボール

Wリーグ

Wリーグにおいて、2016-17シーズンよりアーリーエントリーが設けられた[1]

制度概要
  • 当該年3月に大学または高等学校(2017-18シーズンより[2])卒業見込み選手のうち、Wリーグチームと卒業後のシーズンの契約または入社内定している選手は、当該チームに限り卒業前(2次ラウンド以降)よりリーグ登録(アーリーエントリー)が可能。
  • 外国籍選手の場合はWJBLで定められた諸規程の条件を満たしている者でなければならない。
  • 対象者は、各チームの保有枠に含まれるものとする。
アーリーエントリーで契約した選手
選手 チーム 出身校 備考
2017 畠中春香 デンソーアイリス 大阪人間科学大学
安間志織 トヨタ自動車アンテロープス 拓殖大学
奥田花 羽田ヴィッキーズ
ナウタヴァイ圭理 新潟アルビレックスBBラビッツ 新潟経営大学
宮坂桃菜 東京医療保健大学
根来真奈 神戸親和女子大学
2018 ロー・ヤシン シャンソン化粧品シャンソンVマジック 拓殖大学 初の外国人
石田悠月 浜松開誠館高校 初の高校卒業予定者
小池遥 大阪人間科学大学
谷口二千華 富士通レッドウェーブ 愛知学泉大学
松本愛美 筑波大学
王昕 東京医療保健大学
津村ゆり子 東京羽田ヴィッキーズ
星澤真 松蔭大学
竹原レイラ 三菱電機コアラーズ 大阪桐蔭高校
永井唯菜
那須愛加 就実高校
星香那恵 日立ハイテク クーガーズ 白鷗大学
山本麻衣 トヨタ自動車アンテロープス 桜花学園高校
中山樹 新潟アルビレックスBBラビッツ 鹿屋体育大学
2019 渡部友里奈 デンソーアイリス 専修大学
千葉歩 新潟アルビレックスBBラビッツ
野口さくら シャンソン化粧品シャンソンVマジック 安城学園高校
水野妃奈乃 拓殖大学
東藤なな子 トヨタ紡織サンシャインラビッツ 札幌山の手高校
齋藤麻未 日本体育大学
中野由希 福岡大学
2020 佐賀藍葉 三菱電機コアラーズ 名古屋女子大学高校
藤田和 岐阜女子高校
勅使川原帆南
平下愛佳 トヨタ自動車アンテロープス 桜花学園高校
永田萌絵 東京医療保健大学
平末明日香 トヨタ紡織サンシャインラビッツ
佐坂樹 白鷗大学
髙橋華菜 愛知学泉大学
大橋瑠菜 名古屋経済大学
高橋未来 デンソーアイリス 京都精華学園高校
小笠原美奈 東京羽田ヴィッキーズ 拓殖大学
藤本愛妃 富士通レッドウェーブ 東京医療保健大学
ダラーメ・マレム・ドイ 日立ハイテク クーガーズ 日本経済大学
山口奈々花 アイシン・エィ・ダブリュ ウィングス 鵬学園高校
富田愛理 山梨クィーンビーズ 中部大学
2021 佐藤京香 トヨタ自動車アンテロープス 白鷗大学
シラ・ソハナ・ファトー・ジャ
平野実月 愛知学泉大学
赤木里帆 富士通レッドウェーブ 東京医療保健大学
奥伊吹 松蔭大学
渡邊悠 筑波大学
岡田真那美 トヨタ紡織サンシャインラビッツ 愛知学泉大学
﨑原成美 東京医療保健大学
大塚羽未 シャンソン化粧品シャンソンVマジック 明星学園高校
金田愛奈 大阪人間科学大学
吉田舞衣 拓殖大学
佐藤由璃果 筑波大学
船生晴香 日立ハイテク クーガーズ 早稲田大学
目黒舞奈 奈良学園大学
石川明日香 山梨クィーンビーズ 山梨学院大学
大澤来彩 アイシン・エィ・ダブリュ ウィングス
河村美侑 新潟アルビレックスBBラビッツ 専修大学
2022 田嶋優希奈 デンソーアイリス 昭和学院高校
木村亜美 東京医療保健大学
バイ・クンバ・ディヤサン 拓殖大学
美口まつり 安城学園高校
山下詩織 富士通レッドウェーブ 白鴎大学
ハディ・ダフェ 三菱電機コアラーズ 名古屋経済大学 在留5年経過は確実なため、特例措置として承認した。
平下結貴 トヨタ紡織サンシャインラビッツ 桜花学園高校
伊波美空
オドボ・エンデュランス 武庫川女子大学
鬼塚彩乃 日立ハイテク クーガーズ 愛知学泉大学
大原咲織 早稲田大学
橋口樹 シャンソン化粧品シャンソンVマジック 山梨学院大学
パレイのりこ 東京医療保健大学 正式加入後の登録名はパレイルセアネヘイララ紀子。
樺島ほたる 東京羽田ヴィッキーズ 筑波大学
近藤京 アイシン ウィングス 安城学園高校
梅田彩香 立命館大学
峰晴寿音 大阪人間科学大学
田村碧衣 新潟アルビレックスBBラビッツ 鹿屋体育大学
飯隈愛理
矢野紗也佳 日本体育大学
ニアン・ンディ・クンバ プレステージ・インターナショナル アランマーレ 日本経済大学
髙野柚希 東京医療保健大学
奥村鈴 大阪体育大学
髙橋悠佳 大阪人間科学大学
2023 横山智那美 トヨタ自動車アンテロープス 桜花学園高校
ジョシュア・ンフォンノボン・テミトペ 富士通レッドウェーブ 東京医療保健大学
伊森可琳
安江沙碧梨 日本体育大学
イゾジェ・ウチェ シャンソン化粧品シャンソンVマジック 京都精華学園高校
トラオレ・セトゥ 武庫川女子大学
平賀真帆 デンソーアイリス 桜花学園高校
薮未奈海 八雲学園高校
都野七海 トヨタ紡織サンシャインラビッツ 大阪薫英女学院高校
森岡ほのか 日立ハイテク クーガーズ 札幌山の手高校
窪田真優 桐蔭横浜大学
林未紗 筑波大学
森美麗 東京羽田ヴィッキーズ 桜花学園高校
穴澤冴 筑波大学
アンモールプリート・コール 山梨クィーンビーズ 大阪体育大学
池田沙紀 筑波大学
清水咲来 大阪人間科学大学
三好青花 東京医療保健大学
坂本雅 アイシン ウィングス 愛知学泉大学
サンブ・アストゥ 江戸川大学
大村早和 白鴎大学
野田遥 プレステージ・インターナショナル アランマーレ 山梨学院大学
松永夏海 白鴎大学
鈴木侑 筑波大学
石牧葵 姫路イーグレッツ 愛知学泉大学
遠藤真帆 日本福祉大学
2024 古木梨子 トヨタ自動車アンテロープス 東京医療保健大学
岡本美優
小野寺佑奈 日本体育大学
三浦舞華 白鷗大学
田中平和
塩谷心海 シャンソン化粧品シャンソンVマジック 大阪人間科学大学
堀内桜花 京都精華学園高校
森美月 愛知学泉大学
村田優希 三菱電機コアラーズ 安城学園高校
池松美波 東京医療保健大学
榎本麻那 岐阜女子高校
林真帆 富士通レッドウェーブ 東京医療保健大学
桐原麻尋 白鷗大学
ディマロ・ジェシカ・ワリエビモ・エレ トヨタ紡織サンシャインラビッツ 京都精華学園高校
國井仁奈梨 日立ハイテククーガーズ 愛知学泉大学
森岡奈菜未 筑波大学
森口朱音 アイシン ウィングス 東海大学九州
大舘真央
増田泉美 プレステージ・インターナショナルアランマーレ 筑波大学
内藤唯 東京医療保健大学
樋口鈴乃 白鷗大学
中澤梨南 山梨クィーンビーズ 東京医療保健大学
大塚千生 姫路イーグレッツ 新潟経営大学
後藤友花 中部学院大学
若林紅葉 武庫川女子大学
松岡歩菜 園田学園女子大学
ジョル・セイナブ・ライ 新潟アルビレックスBBラビッツ 日本経済大学
山瑞美子 國學院大學
柳瀬柚奈 筑波大学
中道玲夏 大阪体育大学

bjリーグ

bjリーグでは2005-06シーズンからアーリー・チャレンジの名称で導入された。通常、選手は現役・新卒(大学4年生、高校3年生)に関わらずリーグ主催のトライアウトとbjリーグドラフト会議を経て契約する必要があるが、アーリー・チャレンジの導入によりリーグ開催中の2月より、日程終了の4月まで、ドラフトを経ることなく選手と契約することが可能になった。また、4月の契約満了後はドラフト会議にかけられ、次のシーズンの所属先が決まるものであった。この制度により、2006年1月に解散した福岡レッドファルコンズに所属していた庄司和広らが、ドラフトまでの空白期間を経ることなく選手としてプレイすることができた。

2008年からは育成指定選手制度に名称を改めた。リーグでは新規契約を結べなくなる凍結期間を設けていたが、育成指定を行うことでこの凍結期間に関わらず選手と契約を結ぶことが可能になった。シーズン終了後には、アーリー・チャレンジと同様にドラフト会議によって所属先が決められた。

2011-12シーズンからはアーリー・エントリーに改められ、対象が新卒選手(大学4年生、高校3年生)に限定された。契約期間は2月1日から翌年、すなわち翌シーズンの6月30日と定められ、これに伴って最初のシーズンを終了した後にドラフト会議を経る必要が無くなった。一方、アーリー・エントリーによって選手を獲得したチームは、選手の人数分ドラフト会議の指名順序が劣後することになる。

アーリーチャレンジ制度で契約した選手
選手 球団 契約終了後の球団 備考
2006 庄司和広 埼玉ブロンコス 埼玉ブロンコス
高松ファイブアローズ
秋田ノーザンハピネッツ
元福岡レッドファルコンズ
上山博之 仙台89ERS 日立(JBL) 元福岡レッドファルコンズ
陰承民 大分ヒートデビルズ 富山グラウジーズ(D3巡目)
ライジング福岡
韓国出身
2007 中川和之 高松ファイブアローズ ライジング福岡(D1巡目)
→高松ファイブアローズ
三菱電機(JBL)
つくばロボッツNBL
ブルックリン・キングス(USBL)を経て2月契約。
仲西翔自 東京アパッチ 東京アパッチ(D2巡目)
島根スサノオマジック
仲村直人 富山グラウジーズ
大阪エヴェッサ
東京アパッチ(D1巡目)
→大阪エヴェッサ
京都ハンナリーズ
岩手ビッグブルズ
→大阪エヴェッサ
大阪元練習生。契約直後にトレード。
ドラフト後、城宝匡史とのトレードにより復帰。
2008 北向由樹 埼玉ブロンコス 埼玉ブロンコス(D1巡目)
青森ワッツ
明治大学在学
竹野明倫 ライジング福岡 新潟アルビレックスBB(D1巡目)
→ライジング福岡
大東文化大学在学
吉村隆宏 富山グラウジーズ 富山グラウジーズ クラブチーム「GROUSES.NET」所属
齋藤崇人 新潟アルビレックスBB 新潟アルビレックスBB
信州ブレイブウォリアーズ
日本大学在学。育成指定選手
山城拓馬 琉球ゴールデンキングス レノヴァ鹿児島(JBL2)
→富山グラウジーズ
→埼玉ブロンコス
バンビシャス奈良
近畿大学在学。育成指定選手
2009 該当者なし
2010 小淵雅 琉球ゴールデンキングス 大阪エヴェッサ(D1巡目)
伊藤拓郎 浜松・東三河フェニックス 宮崎シャイニングサンズ(D1巡目) レラカムイ北海道
大石慎之介 仙台89ERS 宮崎シャイニングサンズ(育D) 浜松大学在学
2011 佐藤優樹 新潟アルビレックスBB 新潟アルビレックスBB(育D)
天野喜崇 大阪エヴェッサ 大阪エヴェッサ
安田壮史 仙台89ERS 仙台89ERS(育D)
月野雅人 宮崎シャイニングサンズ 横浜ビー・コルセアーズ(育D) 鹿屋体育大学在学
井上ジョナサン 東京アパッチ 宮崎シャイニングサンズ(育D)
兵庫ストークス(JBL2)
アーリーエントリーで契約した選手
選手 球団 出身校 備考
2012 田口成浩 秋田ノーザンハピネッツ 富士大学
前田陽介 横浜ビー・コルセアーズ 関東学院大学
横江豊 滋賀レイクスターズ 日本体育大学
2013 富樫勇樹 秋田ノーザンハピネッツ モントロスクリスチャン高校
館山健太 専修大学
川満寿史 浜松・東三河フェニックス 東海大学九州
アキ・チェンバース カリフォルニア大学マーセド校
岸本隆一 琉球ゴールデンキングス 大東文化大学
2014 古橋広樹 浜松・東三河フェニックス 神奈川大学
武田倫太郎 滋賀レイクスターズ 大阪体育大学
相馬卓弥 大阪エヴェッサ 天理大学
畠山俊樹 青山学院大学
2015 津山尚大 琉球ゴールデンキングス 福岡大付属大濠高校
橋本尚明 大阪エヴェッサ 近畿大学
2016 上田雅也 埼玉ブロンコス 立命館大学
木村啓太郎 新潟アルビレックスBB 新潟医療福祉大学
小島元基 京都ハンナリーズ 東海大学
岡本飛竜 島根スサノオマジック 拓殖大学

NBL / NBDL

2013年より開幕したNBL及びNBDLでもアーリーエントリー制度を導入[3]

制度概要
  • 当該年3月に大学卒業見込み選手のうち、NBL/NBDLチームと卒業後のシーズンの契約合意または入社内定している選手は、当該チームに限り卒業前よりリーグ登録(アーリーエントリー)が可能。
  • 登録を行う前に大学連盟の選手登録抹消が必要。
  • 選手とチーム保有法人は、アーリーエントリー期間の「統一契約書」が必要となり、「リーグエントリー追加申請書」と共にリーグに提出しなければならない。
  • アーリーエントリーした選手のアーリーエントリー期間中のサラリーは、サラリーキャップに算入される。
アーリーエントリーで契約した選手
選手 チーム 出身校 備考
2014 宇都直輝 トヨタ自動車アルバルク東京 専修大学
田中大貴 東海大学
張本天傑 青山学院大学
西川貴之 レバンガ北海道 明治大学
白濱僚祐 アイシンシーホース三河 白鷗大学
森川正明 豊田合成スコーピオンズ 愛知学泉大学
大八木誉之 京都産業大学
2015 中東泰斗 三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋 明治大学
笹山貴哉 筑波大学
ザック・バランスキー トヨタ自動車アルバルク東京 東海大学
古野拓巳 熊本ヴォルターズ 日本経済大学
安慶大樹 レノヴァ鹿児島 福岡大学
2016 橋本晃佑 リンク栃木ブレックス 東海大学
ベンドラメ礼生 日立サンロッカーズ東京 東海大学
加藤寿一 アイシンシーホース三河 法政大学
合田怜 西宮ストークス 大阪学院大学
山本柊輔 パスラボ山形ワイヴァンズ 筑波大学
渡邊翔太 アースフレンズ東京Z 関西学院大学
シェリフ・ソウ 豊田通商ファイティングイーグルス名古屋 近畿大学
佐藤大輔 豊田合成スコーピオンズ 中京大学

ジャパンラグビーリーグワン

ジャパンラグビーリーグワンは、2022-23シーズンより大学チームに所属する選手が大学最終学年かつ内定済の選手が条件を満たせばリーグワン公式戦に出場できる制度として創設した[4][5]

NBA

NFL

類似の制度

  • バレーボールやハンドボール、バドミントンにおいては「内定選手」がある。
  • bjリーグとNBLを統合したBリーグでは「特別指定選手」が採用されている。

脚注

  1. ^ WJBLアーリーエントリー選手のご案内”. 一般社団法人バスケットボール女子日本リーグ機構 (2017年1月16日). 2017年6月28日閲覧。
  2. ^ アーリーエントリー選手のご案内(第13週より出場可能分 更新)』(プレスリリース)2018年2月7日http://www.wjbl.org/topics/detail.html?id=13702018年3月11日閲覧 
  3. ^ 2014年卒業予定選手のアーリーエントリーについて』(プレスリリース)2014年1月14日http://www.nbl.or.jp/news/2014%E5%B9%B4%E5%8D%92%E6%A5%AD%E4%BA%88%E5%AE%9A%E9%81%B8%E6%89%8B%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/305/ 
  4. ^ NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 大会概要およびアーリーエントリーについて』(プレスリリース)一般社団法人ジャパンラグビーリーグワン、2022年11月22日https://league-one.jp/news/16842023年1月14日閲覧 
  5. ^ NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 アーリーエントリー選手のお知らせ』(プレスリリース)一般社団法人ジャパンラグビーリーグワン、2023年1月10日https://league-one.jp/news/18702023年1月14日閲覧 

関連項目