テレビ絵本(テレビえほん)は、アニメや特撮作品を題材とする子供向け絵本の総称。
沿革
1958年に鈴木出版がアメリカ製アニメ『ポパイ』の絵本を出版したのが最初とされる。同社は以後も1960年代前半にNHKの人形劇『ひょっこりひょうたん島』や手塚治虫の漫画を原作とするフジテレビのアニメ『鉄腕アトム』のテレビ絵本を出版してヒットを飛ばし、カラー放送が本格化すると各社が競って「テレビカラー絵本」を出版するようになった。
1970年代には少年画報社やひかりのくになどの主に漫画や児童書を発行している出版社も大きなシェアを占めていたが、2012年現在は発売元が幼児向けテレビ情報誌『てれびくん』を擁する小学館と『テレビマガジン』を擁する講談社、そして1997年に休刊した『テレビランド』を擁していた徳間書店の3社にほぼ集約された状態となっている。
「テレビ絵本」の名称は1997年に講談社が商標登録しているが[1]、商標権は行使されておらず小学館を始めとする競合事業者も使用している[2]。
特徴
判型は多くがB5判(17.6cm×25cm)・A20取判(14.8cm×16.8cm)・15cm×15cmのいずれかを採用しており、書店では専用のラックに入った状態で売られていることが多い。B5判・A20取判のものは耐久性を重視して厚手の紙を使用し、16〜24ページとする仕様が基本となっている。B5判・A20取判のテレビ絵本を発行しているのは講談社・小学館・徳間書店がほとんどである。15cm×15cmのテレビ絵本はB5判・A20取判に比べて薄手の紙が使用されているものも有り、主に永岡書店などが発行している。
特撮作品の場合はテレビで放送されたシーンをそのまま使用していることも多いが、アニメの場合はスタッフがテレビ絵本用のカットを新規に描き起こしている場合がほとんどである。ページは見開きが多いが、稀に1ページずつやページ内でのコマ割りも使用される。漫画のようなふきだしは原則として使用されず、登場人物の会話文も鈎括弧を用いてナレーションの文と併記される。原則として文章に漢字は使用されず全文が平仮名と片仮名となっており(稀にアルファベットも使用される)、片仮名やアルファベットには平仮名のルビが振られるのが通例である。
内容はテレビの放送内容をダイジェストで再構成したものがほとんどで、テレビ絵本用のオリジナルエピソードが描かれることは稀である。また、巻末には登場キャラクターの紹介や間違い探し、パズルなどが掲載されていることも多い。
テレビアニメ絵本
実写作品
脚注
- ^ 日本国登録商標第3309300号(登録日:1997年5月23日)。これとは別に、バンダイも1993年に玩具などの区分で「テレビ絵本」を商標登録している(日本国登録商標第2512732号)。
- ^ テレビ絵本 | 書籍 | 小学館
- ^ a b 「おジャ魔女どれみ」&「明日のナージャ」の絶版絵本が電子書籍で同時復刻。東映アニメーション社による貴重な描きおろしのイラストの贅沢な絵本として刊行されながら、長年絶版となっていた往年の名作絵本37冊が緊急復刻 - 電ファミニコゲーマー マレ 2024年6月6日
関連項目
外部リンク