テイエムドラゴン(欧字名:T M Dragon、2002年4月10日 - )は、日本の競走馬[1]。
2005年の中山大障害(J・GI)、2005年と2007年の京都ハイジャンプ(J・GII)、2006年の阪神スプリングジャンプ(J・GII)優勝馬。2005年度のJRA賞最優秀障害馬に選出された。
戦績
- 特記事項なき場合、本節の出典はJBISサーチ[3]
2004年11月14日、京都競馬場での2歳新馬戦でデビューし、5着。7戦目の未勝利戦で3着に入ったのが最高成績で、9戦未勝利のまま障害競走に転じる。2005年10月30日の障害未勝利戦でトータルの初勝利を挙げると、続く京都ハイジャンプでは直線で先頭に立ってそのまま押し切り、2着アズマビヨンドに4馬身差をつけて重賞初制覇を果たす[4]。12月の中山大障害では中団に構える競馬からバンケットの下り上りで一気に先頭に取りつき、最後は2着メルシーエイタイムを9馬身も引き離して障害戦3戦3勝でJ・GI制覇を達成[5][6]。鞍上の白浜雄造はG1競走初制覇とともに中山競馬場での障害重賞初制覇[5]、管理の小島貞博は管理馬の初のG1競走制覇と同時に騎手・調教師でダブルの中山大障害制覇となった[5][6]。また、父アドマイヤベガはこれが産駒のG1競走初制覇[5]。3歳馬の中山大障害制覇は1968年秋のタジマオーザ以来のことで、同じ2002年生まれのディープインパクト、カネヒキリと並んで障害に一時代を築く予測も立てられた[6]。2005年度のJRA賞各賞選考では、最優秀障害馬に選ばれた[7][8]。
4歳初戦の春麗ジャンプステークスでは鼻出血もあって4着に終わったが[9]、その次の阪神スプリングジャンプでは粘るアズマビヨンドを退けて重賞3勝目を挙げた[10]。中山グランドジャンプでは前年覇者のカラジにクビ差の2着に終わり[11]、レース後に右第1指骨剥離骨折を発症していたことが判明[12]。1年以上の長期休養ののち、2007年の京都ハイジャンプで戦列に復帰。レースでは途中から先頭に立ってそのまま押し切り勝利[13]。1年7か月ぶりの出走での重賞制覇はスズパレードの記録を約4か月更新、また馬体重46キロ増での勝利はマンハッタンカフェの富良野特別勝ち時とタイ記録となった[14]。中山大障害に出走も2年前に下したメルシーエイタイムの4着に終わり[15]、レース後に再び屈腱炎を発症していたことが判明したため、12月26日付で競走馬登録を抹消された[2][16]。
引退後は乗馬となり、京北育成牧場(高宮ライディングパーク)、2011年ごろには神戸乗馬クラブなどで繋養された[2][16]。
競走成績
以下の内容は、JBISサーチ[3]、netkeiba.com[17]に基づく。
年月日 |
競馬場 |
競走名 |
格 |
距離(馬場) |
頭数 |
枠番 |
馬番 |
オッズ(人気) |
着順 |
タイム (上り3F[race 1]) |
着差 |
騎手 |
斤量 [kg] |
勝ち馬/(2着馬) |
馬体重 [kg]
|
2004.11.14
|
京都
|
2歳新馬
|
|
芝1800m(良)
|
11
|
4
|
4
|
028.60(6人)
|
05着
|
R1:52.4(35.6)
|
-0.8
|
0小池隆生
|
55
|
グランロワイヤル
|
512
|
0000.12.05
|
中京
|
2歳未勝利
|
|
芝1800m(稍)
|
16
|
2
|
4
|
014.90(5人)
|
08着
|
R1:52.6(36.6)
|
-1.3
|
0田嶋翔
|
55
|
グッドエモーション
|
506
|
2005.02.27
|
阪神
|
3歳未勝利
|
|
ダ1800m(良)
|
12
|
8
|
12
|
018.70(4人)
|
11着
|
R1:58.9(40.4)
|
-2.5
|
0田嶋翔
|
56
|
ホクセツバロン
|
504
|
0000.03.20
|
阪神
|
3歳未勝利
|
|
芝2000m(良)
|
16
|
2
|
4
|
259.7(14人)
|
10着
|
R2:03.7(36.0)
|
-1.0
|
0柴原央明
|
56
|
マイハッピークロス
|
494
|
0000.06.19
|
函館
|
3歳未勝利
|
|
芝1800m(良)
|
15
|
4
|
7
|
126.3(12人)
|
08着
|
R1:50.3(36.3)
|
-0.8
|
0田嶋翔
|
56
|
ゼウスワンダー
|
504
|
0000.07.03
|
函館
|
3歳未勝利
|
|
芝2000m(良)
|
16
|
4
|
7
|
022.80(7人)
|
05着
|
R2:06.2(36.5)
|
-0.4
|
0小林徹弥
|
56
|
シルキーオメガ
|
496
|
0000.07.09
|
函館
|
3歳未勝利
|
|
芝2600m(良)
|
14
|
8
|
14
|
058.9(10人)
|
03着
|
R2:45.1(36.8)
|
-0.4
|
0小林徹弥
|
56
|
ゼンスピリッツ
|
496
|
0000.07.30
|
函館
|
3歳未勝利
|
|
芝2600m(稍)
|
13
|
7
|
11
|
003.50(1人)
|
04着
|
R2:49.1(37.6)
|
-0.5
|
0田嶋翔
|
56
|
メジロハスラー
|
498
|
0000.09.10
|
阪神
|
3歳未勝利
|
|
芝2000m(良)
|
16
|
4
|
7
|
020.80(6人)
|
06着
|
R2:01.3(36.3)
|
-0.5
|
0田嶋翔
|
56
|
スマイルフォライフ
|
488
|
0000.10.30
|
京都
|
障害3歳以上未勝利
|
|
障2910m(良)
|
14
|
2
|
2
|
007.50(4人)
|
01着
|
R3:18.5(13.6)
|
-0.8
|
0白浜雄造
|
58
|
(クラシックブレード)
|
502
|
0000.11.12
|
京都
|
京都ハイジャンプ
|
J・GII
|
障3930m(良)
|
8
|
2
|
2
|
007.40(2人)
|
01着
|
R4:33.2(13.9)
|
-0.7
|
0西谷誠
|
58
|
(アズマビヨンド)
|
504
|
0000.12.24
|
中山
|
中山大障害
|
J・GI
|
障4100m(良)
|
14
|
4
|
6
|
004.40(2人)
|
01着
|
R4:39.9(13.7)
|
-1.5
|
0白浜雄造
|
61
|
(メルシーエイタイム)
|
490
|
2006.02.04
|
東京
|
春麗ジャンプS
|
障OP
|
障3300m(良)
|
14
|
4
|
5
|
001.30(1人)
|
04着
|
R3:41.8(13.4)
|
-1.1
|
0白浜雄造
|
62
|
アインオーセン
|
500
|
0000.03.11
|
阪神
|
阪神スプリングジャンプ
|
J・GII
|
障3900m(良)
|
14
|
4
|
5
|
001.70(1人)
|
01着
|
R4:24.3(13.6)
|
-0.1
|
0白浜雄造
|
62
|
(アズマビヨンド)
|
500
|
0000.04.15
|
中山
|
中山グランドジャンプ
|
J・GI
|
障4250m(良)
|
15
|
5
|
8
|
002.30(1人)
|
02着
|
R4:50.8(13.7)
|
-0.0
|
0白浜雄造
|
62
|
カラジ
|
478
|
2007.11.10
|
京都
|
京都ハイジャンプ
|
J・GII
|
障3930m(良)
|
7
|
2
|
2
|
003.80(2人)
|
01着
|
R4:24.6(13.5)
|
-0.5
|
0白浜雄造
|
63
|
(コウエイトライ)
|
524
|
0000.12.22
|
中山
|
中山大障害
|
J・GI
|
障4100m(良)
|
16
|
7
|
13
|
001.90(1人)
|
04着
|
R4:41.8(13.7)
|
-2.1
|
0白浜雄造
|
63
|
メルシーエイタイム
|
510
|
- ^ 障害戦は平均1F
血統表
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “テイエムドラゴン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月27日閲覧。
- ^ a b c “テイエムドラゴンが引退、今後は乗馬に [News]”. 中央競馬実況中継 競馬実況web. 日経ラジオ社 (2007年12月26日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ a b “テイエムドラゴン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月27日閲覧。
- ^ “京都ハイJ、テイエムドラゴンが快勝”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年11月12日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ a b c d “中山大障害、3歳テイエムドラゴンが横綱相撲で大楽勝”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年12月24日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ a b c “第128回中山大障害”. 過去GI成績. 日本中央競馬会. 2021年8月27日閲覧。
- ^ “JRA年度代表馬はディープインパクト”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2006年1月10日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ 3歳馬の最優秀障害馬は2023年現在テイエムドラゴンが唯一
- ^ “開催競馬・主な出来事”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2006年2月6日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ “阪神スプリングJ、テイエムドラゴン貫禄勝ち”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2006年3月11日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ “中山グランドJ、カラジが連覇達成”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2006年4月15日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ “テイエムドラゴン剥離骨折で全治3か月”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2006年4月16日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ “京都ハイJ、GI馬テイエムドラゴンが快勝”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2007年11月10日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ “JRA重賞史上最長休養明け馬の勝利”. 競馬ブックweb. 株式会社ケイバブック. 2021年8月27日閲覧。
- ^ “中山大障害、メルシーエイタイムが3度目の正直”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2007年12月22日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ a b “05年中山大障害制覇ドラゴン登録抹消”. 日刊スポーツ (2007年12月27日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ “テイエムドラゴンの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年8月27日閲覧。
- ^ a b c “テイエムドラゴン 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月27日閲覧。
- ^ a b c d “テイエムドラゴンの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年8月27日閲覧。
外部リンク
|
---|
啓衆社賞 |
|
---|
優駿賞 |
|
---|
JRA賞 |
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|
|
---|
|
---|
1930年代 | |
---|
1940年代 | |
---|
1950年代 | |
---|
1960年代 | |
---|
1970年代 | |
---|
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|