パルスストレッチャーおよびパルスコンプレッサーの構成方法は数種類存在する。しかし、典型的なチタンサファイアレーザーベースのチャープパルス増幅器は数百ピコ秒のパルス幅を要求するため、周波数成分ごとに 10 cm の光路差を生み出す必要がある。これだけの光路差を生み出すための最も現実的な方法は回折格子を用いる方法である。パルスストレッチャーおよびパルスコンプレッサーは、分散により特徴づけられる。「負の分散」により、光は高周波(短波長)成分よりも低周波(長波長)成分のほうが長い時間を書けて伝播するようになる。「正の分散」ならばその逆となる。CPA に用いられるパルスストレッチャーとパルスコンプレッサーの分散は、足してゼロになることが要求される。実用上の理由により、高出力なパルスコンプレッサーの側が負の分散を、低出力なパルスストレッチャーの側が正の分散をもつよう設計されることが多い。
図3に示すように、分散素子として回折格子ではなくプリズムを用いる設計も可能である。このような単純な変更ではあるが、1次の群遅延分散が無いなど、その振舞いは大きく変化する。プリズムの幾何構成および物性により、分散は正にも負にもなりうる。図2と似た構成により、レンズを用いて分散の符号を反転させることも可能である。分散素子間の距離が一定の条件下では、プリズムは回折格子に比して分散がはるかに小さい。プリズムと回折格子は高次の分散を補正するために組み合わせて用いられることもあるが、その場合の素子間の距離はプリズムでは10 m のオーダーであるのに対し回折格子では 50 cm である。Gratings lose power into the other orders[訳語疑問点] while prisms lose power due to Rayleigh scattering.
例えば200 mm 厚のガラス板など、厚みのある透明物質でできた板材の内部に光を通すだけでもパルスを引き伸ばすことができる。しかし、プリズムの場合と同様、物理的に実現可能な形状の範囲内で達成できる分散は限られてしまう。可視光領域以では、正の分散を持つ材料と負の分散を持つ材料がどちらも存在するが、可視光および近赤外線の波長領域では、透明物質のほとんど全ては正の分散を持つ。しかし、ガラスファイバーならば必要な分散を持つように調整することが可能である。
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^Basov, N G; Zubarev, I G; Mironov, A B; Michailov, S I; Okulov, A Yu (1980). “Laser interferometer with wavefront reversing mirrors”. Sov. Phys. JETP52 (5): 847. Bibcode: 1980ZhETF..79.1678B.
^Okulov, A Yu (2014). “Coherent chirped pulse laser network with Mickelson phase conjugator”. Applied Optics53 (11): 2302–2311. doi:10.1364/AO.53.002302.